権藤優希の読書手帖

株式会社シーマネジメント代表、「ごん×櫻井のモテモテ塾」主宰を務める傍ら、読んだ本を中心に日常を書いています。

【本】″なりたい自分″になる技術(前編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

今回紹介する本は、プロダンサー・FISHBOYさん著書、

″なりたい自分″になる技術

です。

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※出典:FISHBOY|ワタナベエンターテインメント


ストリートダンスの世界大会「Juste Debout」で優勝。

日本人ダンサーとして初めて大手企業とのスポンサー契約を結ばれます。

 

実兄・オリエンタルラジオ中田敦彦さん達とともに、ダンス&ボーカルグループ「RADIO FISH」を結成。

さらに、2021年1月に発足した世界初のダンスプロリーグ「Dリーグ」においても参画チームの監督に就任されます。

 

日本の全国民にダンスの魅力を伝えるため、活動の場を広げていらっしゃいます。



本書の副題は、「好きなこと × 理想の姿を両立できる人の考え方」。

著者の体験を通じて、自分のなりたい姿(ビジョン)を見つけて、それを実現するために必要なことを学べる一冊です。

 

私自身はいま、心からやりたいことができていて「なりたい自分」になれている実感があります。

そう思えるのは、「日本人を全員、踊らせる」というビジョンを明確に持ち、そこに向かって動けていると、胸を張って言えるからです。

ただもちろん、最初からそうだったわけではありません。自分の人生で起こる出来事に向き合っていくなかで、徐々に自分がつくりたい世界観が見えてきました。(本書p29より)

 

前編では、本書前半より、著者のビジョンが定まるまでの過程に注目します。

世界一になったのに、注目されない

中学生のときにダンスを始めた著者は、数々の大会で優勝を重ねます。

 

しかし著者が高校1年生のとき、あるダンスコンテストで日本一になったにもかかわらず、学校内で全く表彰されなかったそうです。

このときはとても悔しかったと語っています。

 

また、2009年に前述の「Juste Debout」にダンサーのKITEさんとペアで出場。

質・量ともに凄まじい練習をこなした結果、見事に優勝され世界一のダンサーになりました。

 

ところが、世界一になっても著者を取り上げるメディアはほとんどなく、当時の日本におけるダンスへの注目度の低さに直面したといいます。

 

いまのままでは「世界一」という称号がものすごく小さく見えると、私は身をもって体験したのです。いまの「ダンス世界一」は、日常でさらっと流れていってしまう程度のものであると――。

それでは私自分も虚しいですし、若いダンサーもこれからダンスの道で生きていこうとしている子どもたちも、みんな夢が持てないと思いました。(本書p103より)

 

人の心を動かすビジョンは、ストーリーから

この経験から、著者は未来のダンサー達が夢を持って活動できるよう、日本中にダンスを広める活動を始められました。

 

日本人を全員、踊らせる」というビジョンは、著者の体験から生まれたもの。

 

タフな練習を積み重ねて優勝した嬉しさや、結果を出したのに注目されない悔しさなど、その人の体験(ストーリー)がビジョンをさらに強固なものにし、周囲の人の心に届きやすくなるようです。

 

人は、経験したことによって人生のストーリーが彩られていき、それがその人の個性になり、強みになります。どんは重厚なストーリーを持っているかが、その人の魅力になるのです。(本書p57より)

本当に価値があり、人々の心を打つのは、称号ではなくストーリーのほうであると私は思います。(本書p86より)

 

ビジョンに人が集まる

私は、ビジョンに大小や優劣はなく、自分が素直にそうなりたいと思えるものなら何でもいいと思います。



私の場合は、会社員時代にトップの営業成績をつくったのに、リーマンショックで自分の給料が下がったことが、将来を見直すきっかけでした。

 

頑張ったら頑張ったぶんだけ稼げる可能性があり、かつ仲間とともに豊かになれるという点から、起業を志しました。

 

称号も、努力した結果を示すものとしては確かに大事です。

ただ、まだ結果が出ていないときは、『私は絶対に結果をつくるから、一緒にチャレンジして、お互いに稼いで豊かになろう』という、私のビジョンや決意しか仲間に見せられるものがありませんでした。

 

いま私と一緒に経営を学ぶ仲間は、私の結果というよりも、私のビジョンに共感してついてきてくれていると感じています。

そして、仲間のビジョンを実現するためにも、私はハードワークの日々を過ごしています。



著者のメッセージから、明確なビジョンがその人の原動力になり、周りの人の心をも動かすということを改めて学びました。

 

後編では、本書後半の内容から、自分のビジョンを明確にして、理想を実現するための方法に着目します。

 

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【本】できる人はなぜ「白シャツ」を選ぶのか(後編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

前回に引き続き、唐澤理恵(からさわ りえ)さん著書、

“できる人はなぜ「白シャツ」を選ぶのか”

を紹介します。

 

※前編はこちら

gonbook.hatenablog.com

 

前編では、

・「見た目」がその人のプレゼンテーションの信頼性を高める

・手軽に印象をアップさせるひとつの方法として、白シャツを着こなせるようにする

という内容をお伝えしました。

 

後編では、

・服装以外の「見た目」の要素

・外見と内面の連動

に着目します。

 

表情を管理下におく

著者が「顔は男の企画書」と称するほど、顔すなわち表情を意識することが大切であるといいます。

 

髪型、ひげや眉毛、肌の手入れなど、服装と同じように清潔感があることがポイントです。

さらに、笑顔は自然であるか、相手の目を見て話しているかなど、ちょっとした表情の違いで、相手に与える印象が変わると述べています。

 

私たちの顔が、親からもらった造作による印象を与えるのは20歳までだと思います。その後は生きざまが顔にプラスされ、そし自分がつくった印象が顔に表れていくのです。

(中略)

自分の顔に責任を持ち、印象マネジメントの視点から足りないところはさらに補うことで、履歴書にさらなる将来性を付け加えられるかどうかが決まってくるでしょう。(本書p88より)

 

「顔立ちは変えられないが、顔つきは変えられる」という言葉があるように、さまざまな経験を積み重ねた人の自信やオーラは、その人の表情から自然と伝わってくるのではないでしょうか。

外見と内面がともなって成長する

服装、表情、体型などさまざまな角度から見た目を良くする方法が書かれている本書ですが、著者は、外見だけなく同時に内面を磨くことも大事だと強調しています。

 

私たちは、内面と外見が両輪となって成長していきます。内面だけ成長しても、それを見る人がわからなければ、さらに内面を成長させる機会に恵まれません。外見だけ取り繕っても内面がついていかなければ、それは期待した人の失望感につながるのです。

だからこそ、今の自分の内面の強みや弱みをきちんと捉え、人からはどう見られているのかも客観的につかんだ上で、では自分がどうなっていきたいのか、どう見られたいのかという方向性や目標を導き出します。(本書p197より)

 

内面について、自分の強みは何なのかと内省する。

外見で言えば、自分にはどんな服が似合うのか考える。

この2つは、自分の特徴や強みをきちんと把握するという点で共通しています。

 

自分の強みを明確にすることが、外見と内面を連動して成長させるためのスタートラインなのかもしれませんね。

 

見た目を整えて、魅力アップにつなげよう

私は本書を通じて、見た目が相手に与える印象について学びを深めました。

外見と内面が相互に影響し合うのですから、見た目を整えることはやはり大切ですね。



ところで、私は現在メンズファッションバイヤーのMBさんと、仕事でたびたびご一緒させていただいています。

 

・権藤優希YouTubeチャンネル コラボ動画

www.youtube.com

 

・株式会社シーマネジメント主催 特別対談会(2020/8/28)

www.value-press.com

 

・日刊SPA! 対談記事

nikkan-spa.jp

 

ファッションを通じて多くの人に自信をつけてもらい、より良い社会に貢献するというMBさんの素敵な志に、私はとても共感しています。

今後もいろいろな活動を予定しておりますので、ご期待ください。



人生はプレゼンテーション。

あなたのプレゼンの価値を高め、魅力を最大限に引き出す「見た目」にこだわりたいものですね。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

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【本】できる人はなぜ「白シャツ」を選ぶのか(前編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

今回紹介する本は、唐澤理恵(からさわ りえ)さん著書、

“できる人はなぜ「白シャツ」を選ぶのか”

です。

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出典:社長挨拶|株式会社パーソナルデザイン


株式会社パーソナルデザイン代表取締役社長。

自身が運営するPDSパーソナルデザインスタジオの代表として、多くのビジネスパーソンのヘアスタイル、服装、話し方などのイメージコンサルティングを手がけていらっしゃいます。

 

本書は、これまでに政治家や企業役員など3000人以上の男性の見た目をサポートされた著者による、ビジネスマン向け「印象管理」の指南書となっています。

 

プレゼンテーションの信頼を高めるのは「見た目」

前提として、著者は人生のあらゆる場面がプレゼンテーションであると述べています。

 

仕事であれば面接や商談、プライベートなら友人を飲みに誘うことや好きな人へのプロポーズなど、どんなこともプレゼンテーションで成り立っているといえます。

 

プレゼンのスキルそのものはもちろん大切ですが、そのプレゼンの信頼度を高める要素が非言語である「見た目」

だからこそ、アピールに効果的な見た目にこだわることが重要であると仰います。

 

あなたの強みや長所を、内面に秘めておく時代ではないのです。きちんと表現し、通り過ぎる人に示すことこそが、戦略的な印象管理です。(中略)

印象管理を知れば、シンプルな白シャツでもじゅうぶんにあなたをアピールすることができます。(中略)

そして、不思議なことに、相手へのアピールのつもりだった装いが、自分に対する自信につながり、さらには装うことで見た目も気持ちも若返り、人生がますます楽しくなっていく原動力となることでしょう。(本書p6~p7より)

 

白シャツを極める利点

第1章では、スーツの選び方や着こなし方、また合わせる小物の選び方など、印象管理のプロである著者の視点から細かく説明されています。

 

中でも、本書のタイトルにもなっている「白シャツ」について、著者は次の理由から白シャツを極めることが印象アップへの近道であると強調しています。

 

  • 白シャツはネクタイとの相性を選ばない。スーツやTPOに合わせてネクタイを選ぶだけで、手軽に印象が良くなる。
  • 余計なものを省きシンプルに装うことで、最も重要なあなた自身をより魅力的に見せてくれる。
  • 白が似合わない人はいない。白という色にプラスはあっても、マイナスはない。

 

生地に張りがある、清潔な白シャツをシンプルに着こなすことで、洗練された印象を相手に与えることができるようですね。

 

ネクタイとのコーディネートや襟の形が合うか合わないか、生地の質感など、男性が思いもよらないところをチェックしているのが女性です。シンプルに装うことで今よりもモテるならば、白シャツを極めない手はないでしょう。(本書p39より)

 

求める成果に効果的か

著者が仰るように、見た目はとても大事だと私も思います。

 

内面がしっかりしていても、見た目が原因でその人の魅力が相手に伝わらなかったとしたら、もったいないですよね。

逆に言えば、ほんの少し見た目に気を配るだけで、より自分の魅力をアップすることができるわけです。



私は、学生の頃は Men's egg をファッション誌として愛読していました。

なので、経営の勉強を始めたときは、ともに学ぶ仲間の多くがシャツスタイルであることに驚き、またそのような服装をすることに対して、正直なところ抵抗がありました。

 

ですが、相手に伝えたいことがきちんと伝わるためには、見た目も大事であることが徐々にわかってきて、成果を出すのに効果的な服装に変えました。

 

おしゃれは自分のためにするものですが、身だしなみは相手のことを考えてするもの。

自分が相手にどんな印象を与えているのか、服装などの管理下にあるところから見直していくことが大切ですね。



後編では、スーツやシャツ以外の「見た目」の要素に注目します。

 

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【本】考えよ!――なぜ日本人はリスクを冒さないのか?(後編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

前回に引き続き、元サッカー日本代表監督、イビチャ・オシム氏著書、

“考えよ!――なぜ日本人はリスクを冒さないのか?”

を紹介します。

 

※前編はこちら

gonbook.hatenablog.com



前編では、著者の見解を通じて、いざというときに自分で考えることの重要性をお伝えしました。

引き続き、本書後半の内容から印象に残った点をまとめます。

 

ハングリーであれ

著者は、日本という豊かな国や社会を素晴らしいと称賛しています。

ところが、安定した生活水準が日本のサッカー選手のハングリーさの欠如につながっているとも述べています。

 

世界の貧しい国々の選手たちは、成功すれば、貧しさから抜け出しまったく違う天国のような生活を送ることができる。成功を手にすることができなければ、永遠に貧しさからは脱出できない。(中略)

しかし、日本ではたとえ試合に出られなくとも、明日の生活に困るということはない。(中略)

いわゆるハングリーではない。ハングリーである必要がないのだ。(本書p147~p148より)

 

サッカーに人生を捧げるほどの情熱と覚悟

それこそがプロの価値観であると語っています。

 

日本人はサッカーを人生の一部と考えるほどの覚悟があるだろうか。私が言いたい「ハングリーがない」とは、そういうことである。(本書p149より)

 

日本人が持つ創造力を伸ばすには

一方で、著者は日本人の長所として、クリエイティブである(創造力に長けている)ことを挙げています。

 

日本人は一般的にとても才能豊かで創作力のある人々である。情報技術やコンピュータゲームやデザインや漫画などの分野で、日本人が世界で成し遂げてきた全ての結果を見てみればわかる。発明が必要な分野では日本人は世界で指折りの国民なのだ。(本書p167より)

 

本来、私たち日本人が持っているという創造力。

それを伸ばすためには、従来の日本の教育システムにとらわれることなく、自分の頭で考えるという思考を、幼いころから鍛えることが大切だといいます。

 

タイムアウトなど取れないサッカーにおいては「何をどうすればいいか」を、その置かれた局面ごとに自分で考えプレーする。それは人生に似ている。(中略)

こういう自己の意思力が重要なのだ。(中略)

子供たちが、自分の頭で考えるため、そういう思考を自然に発達させてあげなければいけない。(本書p166より)

 

自分で選ぶから、自信がつく

本書を読んで、私はあらためて自分で考えることの大切さを感じました。

 

私は、拙著『自分で決める』でも、仕事におけるメンターの必要性を申し上げました。

何か新しいことを習得したいと思うのであれば、その道のプロ、つまりメンターを決めて、徹底的に学ぶことが大事だと思います。

 

勘違いしてはいけないのは、自分で考えるとは、メンターの教えを無視して我流でやるという意味ではありません。

かといって、自分の行き先をメンターに依存したり、決断をすべて委ねたりするわけでもありません。

 

メンターの考え方に、自分から合わせにいくこと。

メンターが示す指針や選択を、あくまでも「自分で選択する」こと。

最終的に決断を下すのは、自分なのです。

 

私は多くの経験を通じて、自分の選択に自信が持てるようになりました。

この自信を、さらなる大きなチャレンジにつなげていきます。

 

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【本】考えよ!――なぜ日本人はリスクを冒さないのか?(前編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

今回紹介する本は、元サッカー日本代表監督、イビチャ・オシム氏著書、

“考えよ!――なぜ日本人はリスクを冒さないのか?”

です。

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※写真は本書カバーより

 

2006年にサッカー日本代表の監督に就任。

オシム語録」と称される数々の名言は、多くのサッカーファンの記憶に残っていることでしょう。

 

本書は、2010年ワールドカップ南アフリカ大会の開催直前に発行されました。

当時の日本代表チームの可能性について、著者の視点から多角的に論じるという内容が主となっています。

 

ですが、当記事では本書中盤以降に的を絞って、

・日本のサッカーから浮かび上がってくる、日本人特有の価値観や強く表れる傾向について

・また、それらを著者がどう感じているのか

に注目します。

 

欧州で数々の強豪チームを率いてきた著者には、日本人はどう映ったのでしょうか。

 

自分で限界を作ってしまう

脳梗塞で倒れてしまった著者の代わりに、日本代表を率いることになった岡田武史(おかだ たけし)元監督は、ワールドカップでベスト4に入るという目標を公言されました。

当時の日本では、ベスト4という目標が達成できるのか、やや懐疑的な風潮もあったかもしれません。

 

ですが、著者は大きな目標を発言することに肯定的、むしろ当然だと述べています。

 

こういう目標を大々的に打ち出すことは、日本では一般的ではないのかもしれない。日本人は、いつも謙遜していて、何かの後ろに隠れているように本音を表には出さない。何を考えているのかをなかなか言わない。それはサッカーの世界においては決して美学ではない。オープンにすべてを明かさねばならないのである。日本人は、堂々と、それをして良いのだ。(本書p91より)

 

さらに著者は、必要以上に恐れを抱きがちな日本人の心理傾向を指摘します。

そのうえで、自己の限界を取り払い、自信を持つことが重要だと強調しています。

 

「失敗して罰を受けるならば何もトライしたくない」という深層心理が消極的な姿勢につながるのである。「日本人には責任感がない」とは決して言えない。日本人のメンタリティの問題は「責任感がない」のではなく、その責任感に自分で限界を作ってしまうことではないか。(本書p94より)

 

自分で考えることをしない

また著者は、日本が規律(ディシプリン:discipline)とルールに基づいた平和な社会を維持していることに、感銘を受けているといいます。

 

一方で、規律を重視する日本の教育システムに慣れすぎたせいか、規律がなくなって自分で考えなければならない場面に出くわしたとき、日本人は途端に思考が硬直してしまうとも述べています。

 

日本人は、長い時間ディシプリン生活を送ってきたせいか、サッカーでも決めごとがある状況下においては強い。(中略)

だが、ここで順応、適応、すなわち「瞬時に考える」という条件が加わってくると、その頑強さにヒビが入ってしまうのである。(本書p104より)

1億人を超す人口を誇る日本では、国としてディシプリンや責任感、ヒエラルキー無しでは生きていくことはできないのかもしれない。だから、いつも常に誰かに意見やアドバイスを求めているように思える。自分で考えることをせずにディシプリンやルールを重視した行動をとってしまっている。(本書p105より)

 

矢面に立って、とっさの対応力を身につけよう

決して、規律やルール、日本の教育システムが悪いというわけではありません。

著者が私たちに問いかけているのは、いざというときに自分で考えられるかということです。

 

サッカー、あるいは多くのスポーツでは絶えず状況が変化し、その中でも最適な選択をして勝利をもぎ取ることが求められます。

必ずしも練習通り、普段通りとは限らないわけです。

 

スポーツに限らず、私たちの人生でも、想定外の出来事は起き得ます。

 

もし規律やルールに依存しすぎると、自分で考えなくなってしまうのではないでしょうか。

そうすると、これまで学んできた規律が通用しない、過去に経験したことがないような場面で、とっさの対応ができなくなるかもしれません。



私はこれまでの起業の道のりにおいて、さまざまな場面で矢面に立ってきました。

矢面に立つということは責任も伴いますし、ときには批判を受ける対象になることだってあります。

 

ですが、矢面に立ちつづけて、想定外の出来事に立ち向かう経験をたくさんしてきたからこそ、自分で考え、瞬時に対応する力が身についたと自負しています。

 

常識や過去の体験の中から正解を探すのではなく、自らの選択を正解にする力が身につくと、人生はさらに加速するでしょう。



本書のタイトル『考えよ!』とは、私たち日本人に対する著者からの警鐘なのかもしれないですね。

 

続きは、後編にてお伝えします。

 

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【本】「好きなことだけやって生きていく」という提案(後編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

前回に引き続き、角田陽一郎(かくた よういちろう)さん著書、

“「好きなことだけやって生きていく」という提案”

を紹介します。

 

※前編はこちら

gonbook.hatenablog.com

 

前編では、好きなことを仕事にするための第一歩として、

・いま好きなことの中から選ぶのではなく、まずは好きなことを増やす

・あらゆることを自分ごととしてとらえる

ことが大切、という著者の角田さんの考えをお伝えしました。

 

後編では、本書後半の内容から、特に印象に残った点をシェアさせてください。

まずは3年続けてみる

角田さんがTBSに入社されて2年目、あまりの忙しさに会社を辞めようと何度も思ったそうです。

 

ところが、お父様からの𠮟咤激励を受けて、徐々に気持ちの変化が表れます。

 

実家に帰ると、父からは必ず「まずは3年続けてみろ!」と言われました。(中略)

もちろん「辞めたい」という気持ちはくすぶっていたのですが、一方で「もし、この仕事を辞めて、別の仕事に就いたら、またその仕事で、ペーペーからやり直しか。ならば、もうちょっと耐えてディレクターになっちゃった方が早いぞ」という思いが心の中に生まれるようになりました。(本書p236より)

 

後に人気番組を多く手がけることになる角田さんの背景には、地道な継続と忍耐があったのです。

 

「ペーペーのときにはわからなかった『何か』を見つけるまで、同じ場所で一つのことを続ける」というのは、それだけで立派な勉強だといえます。

ですから、もし最初のうち、なかなか「好きなことだけやって生きていく」ことができなかったとしても、休みを入れながらしばらくは我慢して、続けてみてください。

きっと3年経つころには、「好きなことだけやって生きていける」きっかけが見つかるかもしれませんから。(本書p237より)

 

個人の信頼を積み重ねる

また、好きなことを周囲の人に伝えていくうえで大切な要素を、本書第3章~第4章で詳しく述べられています。

 

興味深いと感じたのは、これからの時代は個人の信頼(クレジット)を積み重ねることが必要である、と仰っている点です。

 

ネット上では、公式性の担保のある企業より、一定以上の個人情報を公開して発言している人の方がクレジットが高いことがあるのです。(中略)

SNSが浸透し、個の時代へと移っていく中で、今後必ず、自分自身のクレジットを積み上げ、仕事をしていくことが必要になります。(本書p258より)

 

「あなた」がおもしろそうだから

ここからは私の感想です。

 

「好きなことだけやって生きていく」と言っても、決して何もしなくていいわけではありません。

 

実際には、好きなことを見つけるまでの間も、好きなことを仕事にしているときも、地道な作業を継続するという努力をしているのではないでしょうか。

ただ、好きなことなので努力だと感じていないだけかもしれません。

 

私も起業の準備を始めたときは、メンターから「まずは3年しっかり学んでね」と言われて、その約束を守ってきました。

起業の過程は順風満帆とはいきませんでしたが、続ければ続けるほど仕事の面白さがわかりますし、いまでも仕事がいちばん楽しいと感じています。



楽しいと感じる理由はいくつかありますが、そのうちのひとつが、『この自分なら何に取り組んでもうまくいく』と思えるくらい、自己価値が高まったことです。

 

先ほど、角田さんはSNSをテーマに取り上げていました。

情報リテラシーをきちんと学んだうえで、SNSを使って情報発信をすることは、個人の信頼を高め、自己価値を上げる方法として確かに有効だと思います。

 

私が立ち上げた頃は、SNSに頼りすぎずにアナログに人と会って、自分のビジョンを伝えてきました。

多くの人にビジョンを伝え続けてきたことで自己概念が高まり、自己価値が上がっていきました。



方法はいろいろあれど、本質は一緒で、個人の価値を高めること。

 

「あなたという人」がおもしろそうだから、あなたの「好きなこと」に協力しよう。(本書p259より)

 

と思われるような人になると、好きなことだけやっていく生き方に一歩近づけるかもしれないですね。

 

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【本】「好きなことだけやって生きていく」という提案(前編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

今回紹介する本は、角田陽一郎(かくた よういちろう)さん著書、

“「好きなことだけやって生きていく」という提案”

です。

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出典:PROFILE | 角田陽一郎 Kakuta Yoichiro Official Site

 

TBS『さんまのスーパーからくりTV』など、多くの人気番組を手がけられたバラエティプロデューサーであり、東京大学大学院にて文化資源学を学ばれる研究者でもいらっしゃいます。

テレビやラジオのさまざまな番組のプロデュースだけでなく、映画監督、多数の著書の出版など、幅広い分野でご活躍中です。

 

私は角田さんの講演を直接またはオンラインでたびたび拝聴して、プロの考え方を学んでいます。

 

本書はタイトルの通り、人生の多くを占める仕事において、好きなことだけをやって生きていくためのポイントが、著者の角田さんの体験とともに書かれています。

まずは好きなことを"増やす"

さて、「好きなことだけやる」と聞いて、皆さんはどう思われるでしょうか。

『楽しそう、面白そう』と感じた方もいれば、『現実的に難しいのでは…』と思った方もいらっしゃるかもしれません。

 

角田さんは、好きなことを仕事にするための第一歩として、好きなことを増やすように提案されています。

 

例として、タレントの明石家さんまさんや西野亮廣さんのことを、好きなことを創造する天才と称して取り上げています。

 

夢の実現が難しかったり、今、叶えたい夢がなかったりするなら、ほかの「好きなこと」をこれからつくればいい。(中略)

さんまさんは、どんなテレビの企画でもおもしろがって、「好きなこと」にします。(中略)

西野さんも、お笑い芸人からスタートし、絵本作家、最近は街づくりまで始めて、どんどん自分の「好きなこと」をつくり出しています。

いろいろなことをおもしろがることができて、好きなことを創造できると、必然的に「好きなことだけやって生きていける」確率は高まっていきます。(本書p8、p10より)

 

いま自分が好きなことの中から選ぶのではなく、好きなことを創造することがポイントなのですね。

あらゆることを自分ごととしてとらえる

本書第1章で、好きなことを増やすための心がけが数多く紹介されています。

 

・いろいろなことに興味を持つ

・知らないことはすぐに調べる(知ろうとする)

・つまらなそう、という先入観を捨てる

・あらゆるものごとに対して当事者意識を持つ

 

特に、4つ目に挙げた当事者意識(いろいろなものごとを自分にとって興味・関心のあるものとしてとらえること)は、好きなことの創造に大きな効果があると角田さんは仰います。

 

普段からあらゆることを「自分に関係がある」と考え、「自分ごと化」するよう心がけましょう。

「すべてのことが自分に関わっている」と意識しながら日々を過ごすだけで、得られるものはたくさんあります。(本書p59より)

 

とらえ方を鍛える

加えて、当事者意識は仕事の成果にも直結する重要な要素であるといいます。

 

「当事者意識」を持っている人は、何でも「自分ごと」としてとらえ、常に責任を持って仕事をします。(中略)

一方で「お客さん意識」を持っている人は、「仕事はあって当然、給料はもらえて当然」と考えがちで、与えられた以外の仕事には取り組もうとしません。(本書p53~p54より)

 

好きなことを創造できる人の根幹にあるのは、何でも自分ごとにする考え方。

 

「まずは好きなことを増やしましょう」という角田さんの提案を、すぐに自分ごととしてとらえた方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。

本書を読む時点から、当事者意識が問われているのです。



「とらえ方が大事」ということは、私も当ブログで繰り返し申しております。

ですが、その延長線上に自分の好きなことが増え、好きなことを仕事にできる可能性が広がるという視点はとても新鮮でした。

 

昔の自分からすれば、私が作家として本を出版したり、あるいはYouTubeやオンラインサロンを開いたりすることになるとは想像もできませんでした。

ただ、こうしてさまざまな仕事に取り組めるようになったのは、事業の立ち上げを通じて「自分ごと化」するとらえ方を鍛えてきたからだと思います。



本書後半の内容については、後編でお伝えします。

 

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