【本】インド式 壁の乗りこえ方(前編)
こんにちは。権藤優希です。
今回紹介する本は、栃久保奈々(とちくぼ なな)さん著書
“インド式 壁の乗りこえ方”
です。
(参考):栃久保奈々 | コモドライフ
インド政府公認ヨガインストラクター。
日本で働く女性を主な対象に、ヨガを通して身体や心の悩みを解決するための取り組みをなさっています。
著者自身、人材会社に勤めていた20代の頃に、体調を大きく崩された経験があるそうです。
「本当の心身の健康とは何か」を求めて渡印、日本以上に多種多様なインドの生活様式や価値観に影響を受け、政府公認のヨガインストラクター資格を取得されます。
本書は、著者のインドでの体験およびインドヨガの根本的な考え方をもとに、働く女性の自己肯定感を高めて、より幸せを感じながら過ごすための方法が満載の1冊です。
前編では、著者が体験されたインドの暮らしや文化について、私が読んで印象に残った内容をピックアップしてお伝えします。
迷惑をかけるのは当たり前
13億の人口、約30もの言語があるインドでは、日常生活だけでも多くの困難があり、人と人との支え合いが何よりも大切なのだそうです。
普段の生活から協力することが不可欠なインドの人々の距離感は、日本人に比べると相当近いと著者はいいます。
その背景には、1人のパーソナルスペースがそもそも狭いこと以外に、同じ時間や空間を共有することで、相手との信頼や忠誠を築き、確認する目的があるのでしょう。友人や出会いを大事にするという文化ももちろんありますが、インドでは
――お互いに迷惑をかけないと生きていけない。
それなら、いつ迷惑をかけてもいい関係を築き、
できる限り快適に生きるために支え合う――
という概念が共通認識で持たれているように感じます。(本書p55より)
生きるためには迷惑をかけて当たり前なのだから、支え合う。
この考え方は、働きすぎとストレスによって体調を崩した経験のある著者に大きな影響をもたらしたようです。
相手の気持ちを考えて、1つ1つのことをするのは日本人の良いところかもしれませんが、迷惑をかけ合うのが自然で、それを笑い合える人が周りにいるのも幸せだと思います。(本書p56より)
日本人は受け取り下手?
また著者によると、インドの人々は、日本人は受け取ることが下手だと感じているそうです。
例えば、親切で何かをしても「裏があるのでは?」と思われたり、アドバイスやちょっとした褒め言葉さえも笑って流されたり…。
受け取りたがらない日本人の態度を見て、インドの人々は少し寂しい気持ちになるのだとか。
確かに私たちの文化では、まだ心から自然に褒め合うということや、イベントや行事などの理由のないときにギフトを渡す人も多くはないかもしれません。また、謙遜を美徳とする価値観も残っているため、まずは自己卑下を行う癖が染みついていることもあるでしょう。
ただ、意識的に行っている分にはそこまで問題ではないですが、これを無意識にやっていると、自分でどんどん自己価値を下げてしまう結果につながります。その結果、受け取ることも与えることも下手な人間になってしまうのではないでしょうか。(本書p104より)
親切にするなどの「与える」マインドは日本人の素晴らしいところ。
ただ、与えられたのであれば、それを素直に「受け取る」ことも、自己肯定感を高める上で大切な考え方だと著者は強調します。
受け取ることも、一歩前に踏み出すための勇気がいる行動です。
(中略)
私たちもまずは、上手に受け取る、ということからやってみることが大切かもしれませんね。(本書p105より)
もっと自分を大切にする
迷惑をかけてはいけない、親切にしなければならない…
「与える」ことを良しとする傾向がある日本人の文化ですが、「~~しなければならない」と神経質になってしまうと、かえって自分を苦しめることになります。
そもそも多種多様な価値観が混在するインドでは、「自分はこうしたい」という考えや発言に責任を持つことが重要とされるそうです。
著者がインドで経験された数々の出来事は、もっと自分のことを大切にしようという思いを芽生えさせたのではないでしょうか。
そして著者は、日本で働く女性の心の悩みを解決するため、自分の心と身体が喜ぶことを前提とするインド式ヨガを、無理なく取り組める形にアレンジして広めていらっしゃいます。
後編では、著者のインド式ヨガの考え方と、受講された方の体験談をお伝えします。
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【本】カモメになったペンギン(後編)
こんにちは。権藤優希です。
前回に引き続き、
“カモメになったペンギン”
(ジョン・P・コッター/ホルガー・ラスゲバー 著、藤原 和博 訳)
を紹介します。
※前編はこちら
ビジョンを共有する
フレッドたちは、偶然出会った1羽のカモメから、カモメたちは遊牧民のように移動しながら暮らしているという話を聞きます。
これを聞き、溶けかけている氷山の上にずっと居続けるのではなく、自分たちもカモメのように新しい場所へ移動する、という解決策を見出します。
ペンギン議会党首のルイスは、いまいる場所から移動することが自分たちの安全と自由につながる、とコロニーのペンギンたちに力説します。
我々はもっと安全な場所を見つけて暮らせばいい。必要ならば、また移動すればいい。我々はもう二度と、いま直面しているようなおそろしく危険な目に家族を遭わせることはないのだ。我々に勝利を!(本書p69より)
著者は、いままでと異なる行動を組織に求めて変革を起こすには、「変革のビジョンと戦略を立てて、周知徹底する」ことが必要だと、変革のプロセスの3番目と4番目に掲げています。
古いこだわりを捨て、行動しやすい環境を整える
新しい定住地を探す「偵察隊」を組織したフレッドたちは、ある問題に直面します。
ペンギンには自分の子供以外にはエサを分け与えないという古くからの習慣があるため、過酷な任務にあたる偵察隊のエサを、どうやって準備すればよいか誰も思いつかないのです。
この問題を解決したのは、幼いペンギンの子供たちでした。
偵察隊を労う「英雄たちに感謝する日」を作って、そこに両親が偵察隊のエサを持ってくるというルールを設けたのです。
(一)両親が「英雄たちに感謝する日」の祝典に来ること、(二)入場料として、両親それぞれが魚を二匹ずつ持ってくること。以上のルールを守れない場合、子供はたいへんな赤っ恥をかく、というものだった。(本書p89より)
変革を推し進めるためには、古いこだわりを捨てて、ビジョンを実現したい人たちが行動しやすい環境を整えることが重要だと、著者はプロセスの5番目に挙げています。
そして物語は、
・偵察隊が新しい氷山を見つける(プロセスの6番目:短期的な成果を生む)
・すぐに次の偵察隊を送り出す(プロセスの7番目:さらに変革を進める)
・ペンギンたちが新しい氷山へ移動する(プロセスの8番目:新しい文化を築く)
という話で締めくくられます。
柔軟な発想を持つ
組織のリーダーを担う方にとって、非常に勉強になる一冊だと私は感じました。
特に私が痛烈に感じたのは、次の一文です。
党首ペンギンは「たったひとつのやり方の中で長い間暮らしていると、まったく新しい生き方を考えつくことが、なぜこれほど難しいのだろうか?」と考えていた。(本書p61~p62より)
もちろん、成果を上げるうえで古くから変わらない原理原則はあるかと思います。
ただ、自分が変わろうとするときや、組織に変化を求めるときには、古いこだわりに固執しすぎると、新しいアイデアに至らないということもあるでしょう。
ペンギンはカモメのように空は飛べない。
でも、カモメのように移動しながら暮らすことはできる。
過去の常識や古いやり方にとらわれず、柔軟な発想を持つことが大切だと学びました。
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【本】カモメになったペンギン(前編)
こんにちは。権藤優希です。
今回紹介する本は、
“カモメになったペンギン”
(ジョン・P・コッター/ホルガー・ラスゲバー 著、藤原 和博 訳)
です。
ハーバードビジネススクールで教鞭を取る著者らによって書かれた本書は、組織の変革を成功させるための八段階のプロセスを、南極で暮らすペンギンたちを主人公に見立てた寓話によって説明しています。
変革を成功させる八段階のプロセス
1 危機意識を高める
2 変革推進チームをつくる
3 変革のビジョンと戦略を立てる
4 変革のビジョンを周知徹底する
5 行動しやすい環境を整える
6 短期的な成果を生む
7 さらに変革を進める
8 新しい文化を築く
(本書p106~p107より抜粋)
物語のあらすじを簡潔に記します。
観察力に長けたペンギンのフレッドは、自分たちが暮らす氷山があと2カ月で崩壊する恐れがあることを突き止めます。
フレッドは、リーダー議会に属するペンギンの1羽であるアリスに、氷山崩壊の危機を伝えます。
議会党首のルイスは、ペンギン全員を集めた集会でこの危機を周知し、フレッド、アリスを含む5羽のペンギンで問題解決チームを結成します。
危機が迫る中、フレッドたちは空を飛んでいたカモメからヒントを得て、いまより安全に暮らせる新しい氷山を見つけて移動しよう!とペンギンたちに訴えかけることになります。
私が読み、特に印象に残った内容と感想をお伝えします。
変革の必要性を理解させる
変革のプロセスの1番目「危機意識を高める」について、著者は周囲の人々に変革の必要性とすぐに実行する重要性を理解させることが大切であるといいます。
物語において、ペンギンのアリスは、コロニーのペンギンたちが混乱する恐れを厭わず、氷山崩壊の危機を全体に知らせるべきだと議会で強く訴えます。
「コロニーの全体集会を大至急召集して、大問題が起きていることをできるだけ多くの仲間に受け入れさせる必要があります。友人や家族の協力が多く得られれば、大多数が受け入れられる解決策を見つけ出すチャンスも広がるはずです。」(本書p32より)
そして、組織全体に考えを浸透させるためには、客観的なデータを、目に見える形で、論理的に伝えることが重要なのだそうです。
フレッドが集めた正確なデータと氷山の模型は、ペンギンたちの危機意識を高め、問題解決の第一歩となります。
チームを組むことが不可欠
ルイスはこう切り出した。「我々のコロニーがこの難局を乗り切るためには、みんなを導くチームが必要だ。私ひとりではこの仕事はできない。この仕事を進めるには、我々五羽でチームを組むのが最適だと思う」(本書p43より)
と党首のルイスが言うように、プロセスの2番目として、異なる長所を備えたメンバーでチームを組むことが不可欠だと著者は述べています。
それぞれ、リーダーシップ、信頼性、コミュニケーション、専門的知識、分析力、危機意識、に優れたメンバーが望ましい。(本書p106より)
実際に、ペンギンたちはエサとなる魚などを、1対1ではなく、集団で追い込んで捕食するという習性を持っているそうです。
自分が完璧である必要はない
私も現在、運営している事業ごとに、いろいろなチームを形成しています。
事業内容は出版、講演、飲食など多岐に渡りますが、もともと私がそれらの専門知識を持っていたわけではありません。
事業運営に携わるチームの仲間も、必ずしも専門性を備えていたわけではありません。
それでも私が多事業展開できる理由は、
・チームビルディングを通じて、リーダーシップやコミュニケーション能力などの、経営に必要な基礎能力を身につけてきたから
・私にはない強みを持っていて、信頼できるたくさんの仲間と出会い、チームを組んでいるから
に他なりません。
自分ひとりで、すべてを完璧にこなせる必要はありません。
チームを組んでお互いの長所を活かすことが、大きな問題を解決する可能性につながると、私も確信しています。
残りの内容は、後編にてお伝えします。
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【本】キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!(後編)
こんにちは。権藤優希です。
前回に引き続き、田村潤(たむら じゅん)さん著書、
“キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!”
を紹介します。
※前編はこちら
後編では、高知県のキリンビール支店長だった著者が、現場を駆け回って気づいたことに注目します。
ビールは情報で飲まれる
どうしたら自社商品のシェアを伸ばせるか。
著者は毎日現場を駆け回り、取引先や顧客との会話から必死にヒントを探ります。
そして、著者はあることを突き止めます。
大衆の多くは、ビールの味にはそれほど差がないと思っていること。
そして、売れるビールと売れないビールの差は情報にある、ということでした。
「美味しそう」
「元気がいい」
「売れている」
ではその情報の入手先はと尋ねると、少し考え、ビールを買う場所、そして、ビールを飲む場所いずれにも「目立つ場所にたくさん置いてあるのが売れていて美味しいビール」と答えます。ビールは情報で飲まれていることがわかりました。(本書p58より)
ビールなどの安価な消費材においては、商品の質よりも、情報が大衆の購買意欲を喚起していることを、著者は現場から感じ取られたのです。
高知県民の気持ちを刺激する
また、著者はとある会話から、高知県の人々は自慢を語りながら飲むのが好きで、とにかく”いちばん”が好きである、という県民性を知ります。
著者は、キリンの主力製品であるラガーの瓶ビールの消費量について、高知県が全国で1位であるというデータを引用し、「高知が、いちばん。」というキャッチコピーを冠した広告を大きく打ち出しました。
「ラガーは高知で日本一飲まれているらしい」という情報が数カ月で一気に市場に広がったという手応えがありました。(本書p70より)
地元のお客様を大切にしますという広告のメッセージと、前編でお伝えした、訪問件数を爆発的に伸ばすようになった営業マンたちの愚直な努力が、高知県民の気持ちを刺激したのです。
その結果、2001年にキリンビールのシェアは、高知県で競合他社をかわし、トップを奪回することになりました。
成功のヒントは現場にある
著者自らが現場に立って顧客の心理を適切に感じ取り、営業マンたちが必死に現場を駆け回る。
高知支店の例からは、自発的に愚直な努力を続ける姿勢が、「キリンビールの営業マンは熱心に頑張っている」という情報を顧客にもたらし、やがて結果に結びついていくということがうかがえました。
私もいま複数の事業に携わっており、広告、ブランディング、サービスの向上に注力しています。
有用な情報をお客様に発信し、かつお客様に喜んでいただけるものを提供する。
そのどちらをも成功させるためのヒントは現場にあるのだと、本書を読んで感じました。
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【本】キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!(前編)
こんにちは。権藤優希です。
今回紹介する本は、田村潤(たむら じゅん)さん著書、
“キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!”
です。
32歳のときに営業で全国1位の実績を上げられます。
1995年に高知支店の支店長に就任され、競合他社に奪われた県内シェア首位の座を、2001年に奪回されました。
そして、副社長に就任されてから2年後の2009年には、全国でのキリンビールシェア首位奪回を成し遂げられました。
本書では、一貫して「現場に本質がある」と主張される著者のご経験から、成果を上げる組織の風土や、リーダーのあるべき姿などを学ぶことができます。
当時の時代背景から著者がおこなった具体的な施策まで詳細に記されており、詳しく紹介したいところですが、印象に残った内容を厳選してお伝えします。
自分で決めた目標を達成せよ!
著者が高知に赴任された1995年、当時の支店の営業マンたちには「本社から言われたことをこなす」といった意識しかなく、主体的な姿勢が欠けていたと著者はいいます。
そこで、著者は「料飲店を月に○○件訪問する」という施策に的を絞り、営業マンたちに自分で訪問件数の目標を設定させます。
あるとき、目標に達していない状況を見かねて、著者は激怒されたそうです。
「あなたたちは、年頭に目標をリーダーと合意しましたね。約束したよね。営業活動をやって会社に帰ってきた時点で、目標の訪問件数に達していないのに、なぜ家に帰るのか。極端なことを言うようだが、目標数を達成していないのなら家に帰ることは許さない!」(本書p45より)
商品の市場シェアが上がるには時間がかかるので、その数字は問わなかったといいます。
しかし、営業マンたちが自ら設定した行動目標の数字すら達成していない状況は、著者にとって看過できるものではありませんでした。
結果のコミュニケーション
著者が大切にされている考え方のひとつが、「結果のコミュニケーション」です。
「結果のコミュニケーション」とは、(中略)メンバーが自発的な目標を定め、リーダーとの間で約束(コミットメント)したら、その合意の結果をしっかり検証する、というものです。
(中略)
実際には強制のようなものなのですが、中身は自分で考えて交わした約束なのだから、形としては自発的、主体的な目標である、というところがミソでした。今までは、リーダーが決めた目標に受け身で、自分から行動しているつもりだったが実はそうではなかったこと、覚悟しているつもりだったが、覚悟に至っていなかったことに気付くことが大事でした。(本書p46~p47より)
自分で決めた目標を宣言し、達成すると約束を交わす。
プロセスではなく結果に基づいたコミュニケーションが重要だと著者は強調します。
「結果のコミュニケーション」を3~4か月粘り強く続けた営業マンたちは、心身ともにタフになり、徐々に営業成績を上げはじめます。
後の1998年には、高知支店は昨対比で社内1位を獲得されたそうです。
量質転化、答えは現場にある
基本活動を愚直に地道にやっていると、いつかそれが質を生み出してくるのです。たとえば料飲店において、豊富な訪問がお客様の信頼に結びつき、市場への理解が深まることから、結果的に我々の活動全般が効率化されるからなのです。(本書p179より)
自分で設定した目標を達成するために、圧倒的な場数をこなす。
現場で培った感覚の中に問題解決の糸口がある、と著者は仰います。
私も全く同じ思いです。
かつて私が営業の事業で世界2位の記録をつくったとき、どのくらいの量をこなしたか、正直覚えておりません。
そして、私の目標に対するコミットメントを呼び起こしてくれたメンターの存在も大きいです。
言い訳できない、逃げ場がないという状況は、心にものすごい負荷がかかります。
しかし、そうした中で自分で決めた目標(約束)を果たそうとするから、タフな精神が身につき、成果に変わっていったのだと思います。
さて、リーダーである著者自身も、高知じゅうを毎日駆け回っていたそうです。
この続きは、後編でお伝えします。
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【本】田中将大に学ぶ 挑戦し続ける自分の創り方(後編)
こんにちは。権藤優希です。
前回に引き続き、児玉光雄(こだま みつお)さん著書、
“田中将大に学ぶ 挑戦し続ける自分の創り方”
を紹介します。
※前編はこちら
前編に続いて、田中選手の発言と著者によるスポーツ心理学の解説から、結果を出すための考え方や価値観を探っていきます。
完璧主義より、最善主義
田中選手は、マウンドに上がる時に大切にしていることを次のように語っています。
ぼくはピッチャーですから、
スコアボードにできるだけ
ゼロを並べていくことが自分の仕事だと考えて、
いつもマウンドに上がっています。
(本書p106より)
著者は田中選手の発言に触れて、ポジティブな考え方には完璧主義と最善主義の2通りがあると述べています。
「スコアボードを
すべて ゼロで埋め尽くす」というのが完璧主義者なら、「スコアボードにできるだけ ゼロを並べる」という田中流が最善主義者ということになる。(本書p107より)
著者によれば、完璧主義には、自分に起こった良くないことを認めようとせず、感情の起伏が生じるという恐れがあるそうです。
一方で、最善主義は、結果に関わらず自分のベストを尽くす。
良くないことが起こっても、すぐに気持ちを切り替えられる心の余裕があるといいます。
田中選手の勝負強さは、最善主義がもたらす平常心に支えられているようです。
感謝の気持ちが結果を呼ぶ
また、田中選手はあるインタビューで、普段からグランドのゴミ拾いをしていると語ったそうです。
普段の行ないが野球に出るので
グランドのゴミをそっと拾ったりします。
(本書p192より)
著者は、現在メジャーリーグで活躍されている大谷翔平選手も「他人がポイッと捨てた運を拾っている」という感覚で、進んでゴミ拾いをしていることを明かしています。
運をどのようにとらえるかは人それぞれかもしれません。
ただ、ゴミ拾いをするという行動の根底には、間違いなく感謝の気持ちがあるのではないでしょうか。
感謝の心を持ちながら地道な善行をやり続けることが、運と善果を引き寄せる大きな力となる。(本書p193より)
心の在り方と感謝の気持ちが結果に結びつくことを、一流選手たちは理解し実践されているのですね。
人生は加点方式
完璧主義と最善主義という考え方について、私の解釈をお伝えします。
完璧主義は減点方式。
100点が当たり前で、できなかったことに目を向けるため、思考がネガティブになりがちです。
一方で、最善主義は加点方式。
0点からスタートして、自分ができたことに目を向けて、プラスを積み上げていきます。
私は、自信をつけるためには加点方式の考え方がよいと思っています。
「これもやった、これもできた」と小さな成功体験を積み重ねることで、自尊心が高まり、挑戦することにどんどん前向きになっていくことでしょう。
そして、チャレンジした結果に一喜一憂せず、いつもベストを尽くすという心の在り方が、自分のステージを一段高いところへ引き上げてくれると私は信じています。
人生は加点方式である。
私も最大限のプラスを積み重ねて、チャレンジし続ける人生にします。
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【本】田中将大に学ぶ 挑戦し続ける自分の創り方(前編)
こんにちは。権藤優希です。
今回紹介する本は、児玉光雄(こだま みつお)さん著書、
“田中将大に学ぶ 挑戦し続ける自分の創り方”
です。
出典:児玉光雄web・メンタルカウンセラー、スポーツ心理学に関する情報が満載。
追手門学院大学特別顧問。
日本スポーツ心理学会会員。
メンタルカウンセラーとして20年以上にわたりプロスポーツ選手の指導をされた実績をお持ちです。
本書は、2014年に刊行された『田中将大から学ぶ 負けない「気持ち」の創り方』の再編版となっています。
本書では、田中自身が語った100の言葉を取り上げ、私の専門であるスポーツ心理学の立場から解説を加えた。読者の皆さんの仕事と人生に、少なからぬ刺激とヒントを与えることができればと願っている。(本書p5より)
楽天ゴールデンイーグルス、メジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースで活躍され、連続勝利のギネス世界記録保持者でもある田中将大選手。
そんな田中選手が実際に発した100の言葉から、結果を出すための考え方や価値観を学べる1冊です。
特に印象に残った内容をピックアップして紹介します。
原因は自分にあるととらえる
ある雑誌のインタビューで、田中選手は次のように語っています。
僕はずっと、いかに自分が向上していけるかを考えながら、
いろいろとチャレンジしていくことに意味があると思っています。
やってみて、失敗だと思えばそれをやめればいいわけですし、
そこから次にどうしていけばいいかを考える。
その繰り返しなんです。
(本書p44より)
著者は、田中選手の常に自分を向上させたいという欲求について、「原因帰属」という観点で説明を加えています。
原因帰属とは、成功や失敗の原因がどこにあるかを考えること。
そして、うまくいくためには自分を向上させる要因を適切に解釈することが大切だと述べています。
うまくいかない時には、運や素質のせいにするのではなく、努力不足や課題が難し過ぎたと考えるべきなのだ。もちろん、うまくいった時にも、「努力したから」とか、「適正な課題レベルだったから」ということに要因を求めよう。(本書p45より)
結果を出す人は決して状況や外的要因のせいにせずに、いつも原因は自分にあるととらえて、努力を重ねていくのですね。
ポジティブなイメージを刷り込む
楽天に在籍中の2013年、田中選手はキャンプでこう宣言されたそうです。
今年の野球界の主役は俺たち楽天だ!
(本書p92より)
田中選手も24勝0敗という偉業を成し遂げられました。
著者によれば、声に出して宣言するという「自己暗示のメッセージ」は、パフォーマンスに大きな影響を与えるのだそうです。
すべての行動を支配しているのが脳である以上、ネガティブな情報を脳に入力すると、脳はその情報にできるだけ忠実な行動プログラムを作成してしまう。(中略)
日々、叶えたい夢を頻繫に声に出して自分に向かって宣言し続けよう。それがあなたを、大きな夢に近づけてくれる。(本書p93より)
脳は入力した情報どおりの答えを導き出そうとするスーパーコンピュータとも言われています。
したがって、ポジティブな言葉を発し、そのイメージを脳に刷り込むことがとても重要です。
自己管理能力を高めるコツは「仕組み化」
私も拙著「自分で決める」で、田中選手のエピソードを引用しました。
「自分の思ったところにコントロールができ、理想のピッチングができる日は、年間通じて1~2試合あるかないか。残りの数十試合は自分のメンタルとの戦い。集中力を切らさずに、自分を管理下に置けないと、二桁勝利なんか到底できない」
(「自分で決める」p40~p41より)
シーズン24勝を達成しても、理想通りに投球できた試合は年に1~2回しかないと言うのですから、驚きですよね。
田中選手の自分を律する力、すなわち自己管理能力には、私も学ぶことがたくさんあると感じています。
私はメンターから「意思の力は弱いが、願望の力は強い。仕組みの力はもっと強い。」と教わりました。
何かを始めようとして「今日からやるぞ!」と気合いを入れても、人間である以上、さぼったり怠けたりしてしまうことは誰にでもあるでしょう。
自分を律するコツは、何が何でも欲しいと思える強烈な願望を持つこと。
さらに、やらざるを得ない状況に自分を追い込むなど、仕組み化することだと教わりました。
私も、起業を目指す仲間が大勢いる場所に身を置き、毎日の予定をパツパツに埋めるといった「仕組みの力」によって、自己管理能力を磨いてきました。
仕組み化することで、いまの能力に関係なく、誰もが自己管理能力を高めることができると私は確信しています。
続きは、後編にてお伝えします。
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