権藤優希の読書手帖

株式会社シーマネジメントの代表を務める傍ら、読んだ本を中心に日常を書いています。

【本】一流の想像力

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こんにちは。権藤優希です。


今回紹介する本は、高野登(たかの のぼる)氏著書「一流の想像力」です。

 

高野氏は、世界的ホテル「リッツ・カールトン」に20年勤め、日本支社長として各地のリッツ・カールトン開業に大きく携わります。


ホテルという、想定外のことが毎日起こる環境において、本書のタイトルにもなっている「想像力」が大切だといいます。

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引用元:https://cakes.mu/series/1366


例として、ホテルのレストランに、お客様の待ち合わせ相手が来なかった場合の対応が紹介されています。

 

携帯電話を確認しながら、誰かを20分、30分と一人で待っているそわそわした様子の男性。
状況から察するに、待ち合わせ相手にフラれてしまったのでしょう。


周りの視線も気になり、いてもたってもいられずこの場を離れたいと思っているのですが、長く待てば待つほど一人でレストランの座席を立つというのは気が引けます。

 

こんなとき、プロのサービスマンは、『珍しいですね。10勝1敗ですか?』と小声で軽い冗談を言って緊張をほぐし、『バーで一杯飲んでいかれますか?』と、そっと場所を移す提案をするのだそうです。


待っているのが女性であれば、実際はそうでなくても『お連れ様から、フロントの方に電話が入っておりますが…』と声をかけ、フロントまで案内してしまいます。


つまり、場所を移す恥ずかしくない正当な理由を、サービスマンがつくりあげてしまうのです。


間違っても『まだお待ちになりますか?』とか『お連れ様、いらっしゃいませんね。』などと恥ずかしい思いをさせてしまうようなことは言いません。

 

もちろん上記は一例ですが、お客様がどんな状況であるかをよく見極めて、「席を立つための花道を用意してあげなければ。さて、どうするか?」と考えをめぐらす。


こういった想像力がサービスマンに必要だといいます。

 

いっぽう、失敗談として高野氏ご自身の経験も書かれています。

 

レストランのウェイターとして働いていたときに、男性2人組のお客様の席に料理を運んで『こちらにございますのは…』と料理の説明を丁寧にします。


しかし、お客様が帰るときにこう指摘されたそうです。
『君、もう少し客のことやサービスのタイミングを学んだ方がいいな。あのタイミングでは、料理の説明をしなくていいんだ。』

 

後で確認したところ、実はそのお客様はホテルの常連で、ホテルで働く人よりも料理に詳しく、かつ商談の最中だったのです。


この経験から高野氏は、『料理の説明を求めないお客様もいらっしゃるかもしれない』といった、あらゆる状況を想定すること、想像力を働かせることが大切だと感じたそうです。


失敗したときはショックを受けるかもしれませんが、それらが蓄積され、自分の知恵になり、想像力の糧になるのだといいます。

 

想定外の状況でも想像力を発揮して結果を作りつづける一流のホテルマンになるためには、前提として、マニュアルに則った基礎基本を完全にマスターしておく必要があります。
そのうえで、さらに経験を積んで「このあと何が起きるのか」「そのとき何が必要になるのか」といった想像力を磨くことが大切なのだそうです。

 

本書を読み、ひとくちに想像力といっても、人に不快な思いをさせないための配慮から、仕事を円滑に進めるための工夫まで多岐にわたるのだなと、とても学びになりました。

 

私も、大きなイベントの運営に携わる機会がたびたびあります。
華やかな舞台の裏では想定外のことが次々に起こり、迅速な判断を迫られる経験をたくさんしてきました。


だから、この先起こりうるあらゆることを自然と考えられるようになって、あらゆる仕事に活きていると感じます。

 

困難な状況で自ら矢面に立ち、冷や汗をかきながらでも「どうすればこの状況を突破できるだろうか?」と発想する。


こうした経験が想像力を鍛え、課題を解決する力を鍛えていくのかもしれませんね。