【本】素直な心になれたら 松下幸之助が中学生に教えたかったこと
こんにちは。権藤優希です。
今回紹介する本は、「素直な心になれたら 松下幸之助が中学生に教えたかったこと」(PHP研究所著)です。
松下幸之助といえば、パナソニックを創業し、現代の経営者たちに大きな影響を与えたというイメージが強いかもしれませんね。
経営者としてだけではなく、哲学者としても大切な考え方を教えてくれるといいます。
本書は、「もし松下幸之助が現代によみがえったら、子供たちにこんなことを話すだろう」というテーマで描かれた架空のストーリーで、小学生から中学生を読者の対象としているのが特徴です。
中学2年生の3人組と、松下幸之助を模した優しいおじいちゃん「松じい」が登場し、彼らの対話により松下哲学をわかりやすく伝えています。
松じいは自分の体験から、幸せに生きるためには次のことが大切だと話します。
・素直な心になる
・決してあきらめない(強く願う)
・自分の使命に気づく
なかでも、子供たちに一貫して教えていることが「素直な心」です。
素直というと、おとなしく言うことを聞くこと、と考える方が多いのではないでしょうか。
松じいはそこから一歩踏み込み、「くもりのない心、ひとつのことにとらわれない心、かたよりのない心」のことだと言います。
物語のなかで、サッカー部で得点王になるという目標を掲げて、懸命に練習に励む男の子がいます。
彼は『先輩が僕にパスを出してくれないからうまくいかない』と松じいに相談します。
松じいは彼の話を受け入れながらも、『君が先輩にパスしなかったことはあるかい?勝つためには自分がシュートするしかないという、独りよがりな考え方になっていないかな?』と優しく諭します。
ある感情に心がとらわれて、冷静にものごとを受け止められずに正しい判断ができなくなることは、誰しも経験があるのではないでしょうか。
かたよった見方にとらわれることなく、心のくもりが晴れた状態で過ごすことが大切だと教えてくれます。
本書は子供向けにわかりやすく書かれていますが、私たち大人にとっても学びの多い内容だと思います。
成長期を経て、自らを取りまく人間関係や社会が多様化するにつれて、子供のころに持っていた素直さを大人になっても失わないように気をつけたい。
そんなメッセージが込められていると感じ、私も身の引き締まる思いです。
私も、目標を追いかけてチャレンジし続けるうえで、素直さと向上心を大切にしてきました。
素直という言葉の意味をきちんととらえて、自分の行動と照らし合わせて、冷静に自分を見つめなおすことが大切なのだと思いました。
「万物みなわが師」という松じいの言葉を肝に銘じて、これからもいっそう学び続けます。