【本】新幹線お掃除の天使たち(前編)
こんにちは。権藤優希です。
今回紹介する本は、遠藤功(えんどう いさお)さん著書、
“新幹線お掃除の天使たち - 「世界一の現場力」はどう生まれたか?”
です。
株式会社シナ・コーポレーション代表取締役。
元・ローランド・ベルガー日本法人会長。
2004年にビジネス書評誌「TOPPOINT」で1位を獲得し、32刷を数えるロングセラーとなった著書「現場力を鍛える」など、有名な著作が多数あります。
さまざまな企業の現場を300カ所以上訪問され、「現場こそ競争力である」という信念を伝えていらっしゃいます。
本書は著者の遠藤さんが、鉄道整備株式会社(現 株式会社JR東日本テクノハートTESSEI)、通称「テッセイ」の現場を何度も訪れて、テッセイについてお聞きになった内容をまとめたものになっています。
前編では、テッセイのスタッフの取り組みを承認する「エンジェル・リポート」の内容から、印象に残った項目をいくつかピックアップします。
7分でピカピカに掃除する
テッセイの主な業務は、新幹線の車両清掃。
東京駅で折り返す新幹線を、1チーム22人のスタッフで、わずか7分でピカピカに片づける「世界最速の ”魅せる清掃”」として、国内外で注目を集めます。
7分の間に求められる作業は多岐にわたりますが、中でも重要なのがトイレ。
車内全体の清掃に慣れ、熟練してきたスタッフがトイレ清掃を任されるのだそうです。
テッセイで16年間働き続けているスタッフの方は、こう話します。
多少、自分の手が汚れることがあっても、便器がピカピカになればそれでいいのです。
(中略)なんとか直したいという気持ちが大事なんです。
(中略)この仕事を続けるうちに「どんなに汚れていてもピカピカに戻す」という気持ちがどんどん強くなってくるんでしょうね。(本書p50より)
ひどく汚れていたり、詰まっているトイレも、私たちの見えないところで誰かがきれいにしてくださっているのですね。
自分で役割を見い出す
テッセイのスタッフの素晴らしさは清掃だけではありません。
ホームで新幹線を待つお客さまや降車するお客さまへ、必ず一礼をされます。
(私も新幹線を利用したときに、スタッフの方々が一列に並んで深々とお辞儀をされる姿を見ました。)
また、あるスタッフの方は、目の不自由なご年配のお客さまを案内したとき、「先月もあなたに乗車位置を教えてもらったんです。声で思い出しました。」と、お客様から感謝を伝えられたといいます。
さらに別のスタッフの方は、ホームに入線する新幹線に向かって小さな子供が駆け寄ってきたときに、自分の体を前に出して子供を受け止め、転落を防いだそうです。
ぼんやりしていてはいられません。ただお掃除さえしていればいいのではないのだと、そのとき実感しました。
私たちの仕事は、お客さまの命を預かっているのです。(本書p120より)
スポットライトが当たるとは限らない仕事であっても、自分たちの役割を自ら見い出し実行に移される姿には、ただただ敬服するばかりです。
与えられた役割だけでなく、自分たちに何ができるのか、各自が考えて行動される姿勢が、テッセイの現場力の源なのだと私は感じました。
トイレをきれいにするということ
一見、掃除は地味な仕事と思われがちで、さらにトイレとなると進んで掃除をしたいと思う人は少ないかもしれません。
しかし、松下電器(現 パナソニック)の創業者である松下幸之助も、そして私がお世話になっているアースホールディングス代表取締役社長の國分利治さんも、トイレをきれいにすることが経営に必要なメンタルを養うと仰います。
私のメンターも、トイレをきれいに使うというテーマだけで何時間も講演をされたことがあるくらい、トイレは重要な場所です。
経営者が集まる場では、お借りしている会議場のトイレをスタッフの方が一生懸命掃除されているのを見かけて、私も心温まる思いがしました。
もちろん私も、年末は自宅やプロデュースしているお店の大掃除をスタッフたちと一緒にしましたので、トイレはピカピカです。
次回、後編では、テッセイの現場力はどのようにして生み出されたのか、会社の取り組みについて学びます。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
※ ”新幹線お掃除の天使たち - 「世界一の現場力」はどう生まれたか?” はこちら
◆YouTubeチャンネル◆
権藤優希のYouTubeチャンネル
◆ごん×櫻井のモテモテ塾 KIZUNA Online Salon◆
ごん×櫻井のモテモテ塾 │ KIZUNA Online Salon
◆株式会社シーマネジメント HPリニューアルしました◆