【本】新幹線お掃除の天使たち(後編)
こんにちは。権藤優希です。
前回に引き続き、遠藤功(えんどう いさお)さん著書、
“新幹線お掃除の天使たち - 「世界一の現場力」はどう生まれたか?”
を紹介します。
※前回はこちら
前編では、新幹線の車両清掃を請け負う会社「テッセイ」の現場からうかがえる、従業員の仕事に対する意欲や自発性についてお伝えしました。
後編では、テッセイの現場力を生み出す会社の取り組みについて見ていきましょう。
現場を変えた二人の経営者
本書では、矢部輝夫さん(元専務取締役)、柿崎幸人さん(元取締役東京サービスセンター所長)という、テッセイを大きく変えた二人の人物が紹介されています。
かつてのテッセイはパート従業員の比率が多く、肉体的にもハードな仕事であることから、評判はあまり良くなく、離職率も高かったといいます。
JR東日本からテッセイに異動してきたお二人は、
・現場と経営陣との距離が遠く、一体感がない
・従業員はとても真面目。だから、会社が変われば従業員ももっと元気になる
と感じ、テッセイを単なる「清掃の会社」から「おもてなしの会社」へ変えようと決意されたそうです。
そして、従業員が働きやすくなるための環境整備、パートから正社員になるための大幅な条件緩和、従業員の取り組みを褒める「エンジェル・リポート」など、現場の従業員を主役としたさまざまな取り組みを進めます。
初めのうちは、当時の経営陣や現場の主任たちに受け入れてもらえないこともたくさんあったそうです。
それでもお二人が粘り強く意義を語り続けた結果、少しずつ会社の雰囲気が変わっていったといいます。
清掃の会社なのだから、清掃だけをきちっとやればいい。お辞儀やお客さまへの声掛けは私たちの仕事ではない。
中には、そう思う人がいても不思議ではありません。(中略)
しかし、「自分たちの仕事は清掃だけではない。お客さまに気持ちよく新幹線をご利用いただくことだ」とみんなが理解し、納得したときに、テッセイの現場は大きく変わり始めました。(本書p25~p26より)
会社が現場をリスペクトするからうまくいく
ごく普通の清掃会社だったテッセイは、約7年の取り組みを経て、国内ビジネス各誌や海外メディアに「最強のチーム」として取り上げられるようにまでなりました。
平均年齢も高く、パート従業員が中心だったテッセイは、なぜ大きく変化したのか。
著者の遠藤さんは、次のように分析されています。
テッセイでは、矢部さんや柿崎さんをはじめとする経営陣、管理職たちの、現場をリスペクトする心、気持ちが、現場に伝わり、浸透しています。「現場こそが主役であり、価値を生み出す源泉だ」と信じ、尊重する姿勢がなければ、現場の輝きなど生まれようもありません。
(中略)
リスペクトを感じた現場は、実行主体としてのプライドをもち、意欲的に仕事に取り組み始めます。よりよくするための知恵やアイデアも、プライドから生まれてきます。
(中略)
強い現場、輝く現場に共通するのは、自主性、自発性、自律性です。これらを生み出し、定着させるために不可欠な要素が、リスペクトとプライドなのです。(本書p187~p188より)
感謝を伝える
私も現在、さまざまな事業に取り組んでいます。
昨今の情勢の変化においても安定して経営ができているのは、現場の最前線に立っている会社のスタッフの働きのおかげです。
スタッフは皆、各々が将来的に独立しようという気持ちを抱いているので、主体性がとても高く、信頼できる人たちばかりです。
本書の「エンジェル・リポート」の話で、よいことをした人を褒めるだけでなく、「よく褒めた人を褒める」、「やって当たり前のことをやった人をも褒める」というのが特に印象的でした。
私はスタッフの皆にいつも感謝を伝えていたつもりですが、本書を読み、改めてリスペクトの気持ちを伝えようと思いました。
そして、何より私自身が10年先を見据えたチャレンジをして、結果をつくることで明かしていきます。
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