権藤優希の読書手帖

株式会社シーマネジメント代表、「ごん×櫻井のモテモテ塾」主宰を務める傍ら、読んだ本を中心に日常を書いています。

【本】生きる力 引き算の縁と足し算の縁(後編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

前回に引き続き、フリーアナウンサー笠井信輔(かさい しんすけ)さん著書、

“生きる力 引き算の縁と足し算の縁”

を紹介します。

 

※前編はこちら

gonbook.hatenablog.com



後編では、がんの治療のために入院された著者を勇気づけた、SNSのポジティブな可能性に着目します。

 

寄せられたコメントに励まされる

著者は、入院を機に始めたインスタグラムやブログで、自身の闘病生活の様子を写真付きで公開されています。

 

自分ががんであることを発表する場として始められたSNSには、著者と同じような病気を経験された方や、つらいできごとに遭われた方など、次第に多くの方から応援のコメントが寄せられたといいます。

 

入院・闘病は孤独との闘いでもあります。それを「自分は1人ではないんだ」と思わせてくれたのがブログでありインスタグラムだったのです。(本書p91より)

 

抗がん剤治療中の過酷な状況や苦しい心境を率直に打ち明けながらも、”負けちゃいけない。明けない夜はないんですから”と自らを鼓舞する投稿には、いっそう多くのコメントが寄せられ、著者にとって大きな励みになったそうです。

 

※参考:笠井信輔オフィシャルブログ

ameblo.jp

 

ベッドで読みながら「生きなければ」と1人病室で涙しました。

励ましているようで、本当は私が励まされているのです。(本書p139より)

 

人に寄り添うSNS

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を入院中の病室で経験された著者は、SNSを通じて「#うちで過ごそう」といった呼びかけをされました。

 

また退院後には、入院患者の孤独を解消すべく、より多くの病院で無料でWi-Fiが使えるようにするため、「病室にWi-Fiを!運動」を展開されるなど、積極的な活動をされています。

 

こうした著者のSNSでの発信に対しては、多くの賛同コメントが寄せられた一方で、中には心ない言葉を浴びせる批判的なコメントもあったそうです。

それでも、入院中に自分を勇気づけてくれたSNSの力を、著者は次のように語ります。

 

確実なのは、フォロワーの皆さんの存在によって力を得た私は、辛い抗がん剤治療にも耐えることができたという事実です。

(中略)

妻がこんなことを言っていました。

「いろいろな人から『笠井さんを支えて偉かったですね』とか、『あなたも頑張ってすごいね』と良くほめられるんだけど、私はいつも『私ではなくて、笠井を支え、治してくれたのは、名も知らない沢山のSNSのフォロワーの皆さんなんです。皆さんの応援の声に本当に心から感謝しているんです』と答えてるのよ。だってそれ、本当なんだもの!」

SNSには大きな落とし穴がありますが、一方で、人に寄り添う、応援する、慰める、力づけることに大いなる力を発揮するのもSNSなのです。(本書p276~p277より)

 

クリックの先には人がいる

30年以上もテレビ局のアナウンサーとして務められた方が、初めて手に取ったSNSの可能性や注意点を謙虚に学ばれ、自らの生きる力に変えていったのです。

 

自身の病気が完治するかわからない状況の中で、SNSでの情報発信を通じて積極的な行動を起こされた著者の姿を想像すると、私も目の奥が熱くなりました。

 

 

著者が仰るように、SNSには人を力づける可能性もあれば、人を傷つけることもできてしまいます。

 

同じSNSという仕組みでも、どんな人が扱うのかで結果が変わります。

匿名で相手の顔が見えにくいSNSだからこそ、情報を発信する側も受け取る側も、クリックの先には人がいるということを意識して、繊細にならなければなりません。

 

私もこうしてオンライン上で情報発信をしている手前、あらためてこのことを肝に銘じて取り組んでまいります。



本書には、著者のSNSに寄せられた温かいコメントが多数掲載されており、読んでいて心に沁みました。

悩み苦しむ人に生きる力を与えた”生の声”を、本書をお手に取って味わっていただければと思います。

 

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※ ”生きる力 引き算の縁と足し算の縁” はこちら

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