【本】カモメになったペンギン(後編)
こんにちは。権藤優希です。
前回に引き続き、
“カモメになったペンギン”
(ジョン・P・コッター/ホルガー・ラスゲバー 著、藤原 和博 訳)
を紹介します。
※前編はこちら
ビジョンを共有する
フレッドたちは、偶然出会った1羽のカモメから、カモメたちは遊牧民のように移動しながら暮らしているという話を聞きます。
これを聞き、溶けかけている氷山の上にずっと居続けるのではなく、自分たちもカモメのように新しい場所へ移動する、という解決策を見出します。
ペンギン議会党首のルイスは、いまいる場所から移動することが自分たちの安全と自由につながる、とコロニーのペンギンたちに力説します。
我々はもっと安全な場所を見つけて暮らせばいい。必要ならば、また移動すればいい。我々はもう二度と、いま直面しているようなおそろしく危険な目に家族を遭わせることはないのだ。我々に勝利を!(本書p69より)
著者は、いままでと異なる行動を組織に求めて変革を起こすには、「変革のビジョンと戦略を立てて、周知徹底する」ことが必要だと、変革のプロセスの3番目と4番目に掲げています。
古いこだわりを捨て、行動しやすい環境を整える
新しい定住地を探す「偵察隊」を組織したフレッドたちは、ある問題に直面します。
ペンギンには自分の子供以外にはエサを分け与えないという古くからの習慣があるため、過酷な任務にあたる偵察隊のエサを、どうやって準備すればよいか誰も思いつかないのです。
この問題を解決したのは、幼いペンギンの子供たちでした。
偵察隊を労う「英雄たちに感謝する日」を作って、そこに両親が偵察隊のエサを持ってくるというルールを設けたのです。
(一)両親が「英雄たちに感謝する日」の祝典に来ること、(二)入場料として、両親それぞれが魚を二匹ずつ持ってくること。以上のルールを守れない場合、子供はたいへんな赤っ恥をかく、というものだった。(本書p89より)
変革を推し進めるためには、古いこだわりを捨てて、ビジョンを実現したい人たちが行動しやすい環境を整えることが重要だと、著者はプロセスの5番目に挙げています。
そして物語は、
・偵察隊が新しい氷山を見つける(プロセスの6番目:短期的な成果を生む)
・すぐに次の偵察隊を送り出す(プロセスの7番目:さらに変革を進める)
・ペンギンたちが新しい氷山へ移動する(プロセスの8番目:新しい文化を築く)
という話で締めくくられます。
柔軟な発想を持つ
組織のリーダーを担う方にとって、非常に勉強になる一冊だと私は感じました。
特に私が痛烈に感じたのは、次の一文です。
党首ペンギンは「たったひとつのやり方の中で長い間暮らしていると、まったく新しい生き方を考えつくことが、なぜこれほど難しいのだろうか?」と考えていた。(本書p61~p62より)
もちろん、成果を上げるうえで古くから変わらない原理原則はあるかと思います。
ただ、自分が変わろうとするときや、組織に変化を求めるときには、古いこだわりに固執しすぎると、新しいアイデアに至らないということもあるでしょう。
ペンギンはカモメのように空は飛べない。
でも、カモメのように移動しながら暮らすことはできる。
過去の常識や古いやり方にとらわれず、柔軟な発想を持つことが大切だと学びました。
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