権藤優希の読書手帖

株式会社シーマネジメント代表、「ごん×櫻井のモテモテ塾」主宰を務める傍ら、読んだ本を中心に日常を書いています。

【本】インド式 壁の乗りこえ方(前編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

今回紹介する本は、栃久保奈々(とちくぼ なな)さん著書

“インド式 壁の乗りこえ方”

です。


(参考):栃久保奈々 | コモドライフ

 

インド政府公認ヨガインストラクター。

日本で働く女性を主な対象に、ヨガを通して身体や心の悩みを解決するための取り組みをなさっています。

 

著者自身、人材会社に勤めていた20代の頃に、体調を大きく崩された経験があるそうです。

「本当の心身の健康とは何か」を求めて渡印、日本以上に多種多様なインドの生活様式や価値観に影響を受け、政府公認のヨガインストラクター資格を取得されます。



本書は、著者のインドでの体験およびインドヨガの根本的な考え方をもとに、働く女性の自己肯定感を高めて、より幸せを感じながら過ごすための方法が満載の1冊です。

 

前編では、著者が体験されたインドの暮らしや文化について、私が読んで印象に残った内容をピックアップしてお伝えします。

 

迷惑をかけるのは当たり前

13億の人口、約30もの言語があるインドでは、日常生活だけでも多くの困難があり、人と人との支え合いが何よりも大切なのだそうです。

普段の生活から協力することが不可欠なインドの人々の距離感は、日本人に比べると相当近いと著者はいいます。

 

その背景には、1人のパーソナルスペースがそもそも狭いこと以外に、同じ時間や空間を共有することで、相手との信頼や忠誠を築き、確認する目的があるのでしょう。友人や出会いを大事にするという文化ももちろんありますが、インドでは

 

――お互いに迷惑をかけないと生きていけない。

それなら、いつ迷惑をかけてもいい関係を築き、

できる限り快適に生きるために支え合う――

 

という概念が共通認識で持たれているように感じます。(本書p55より)

 

生きるためには迷惑をかけて当たり前なのだから、支え合う。

この考え方は、働きすぎとストレスによって体調を崩した経験のある著者に大きな影響をもたらしたようです。

 

相手の気持ちを考えて、1つ1つのことをするのは日本人の良いところかもしれませんが、迷惑をかけ合うのが自然で、それを笑い合える人が周りにいるのも幸せだと思います。(本書p56より)

 

日本人は受け取り下手?

また著者によると、インドの人々は、日本人は受け取ることが下手だと感じているそうです。

 

例えば、親切で何かをしても「裏があるのでは?」と思われたり、アドバイスやちょっとした褒め言葉さえも笑って流されたり…。

受け取りたがらない日本人の態度を見て、インドの人々は少し寂しい気持ちになるのだとか。

 

確かに私たちの文化では、まだ心から自然に褒め合うということや、イベントや行事などの理由のないときにギフトを渡す人も多くはないかもしれません。また、謙遜を美徳とする価値観も残っているため、まずは自己卑下を行う癖が染みついていることもあるでしょう。

ただ、意識的に行っている分にはそこまで問題ではないですが、これを無意識にやっていると、自分でどんどん自己価値を下げてしまう結果につながります。その結果、受け取ることも与えることも下手な人間になってしまうのではないでしょうか。(本書p104より)

 

親切にするなどの「与える」マインドは日本人の素晴らしいところ。

ただ、与えられたのであれば、それを素直に「受け取る」ことも、自己肯定感を高める上で大切な考え方だと著者は強調します。

 

受け取ることも、一歩前に踏み出すための勇気がいる行動です。

(中略)

私たちもまずは、上手に受け取る、ということからやってみることが大切かもしれませんね。(本書p105より)

 

もっと自分を大切にする

迷惑をかけてはいけない、親切にしなければならない…

「与える」ことを良しとする傾向がある日本人の文化ですが、「~~しなければならない」と神経質になってしまうと、かえって自分を苦しめることになります。

 

そもそも多種多様な価値観が混在するインドでは、「自分はこうしたい」という考えや発言に責任を持つことが重要とされるそうです。

著者がインドで経験された数々の出来事は、もっと自分のことを大切にしようという思いを芽生えさせたのではないでしょうか。

 

そして著者は、日本で働く女性の心の悩みを解決するため、自分の心と身体が喜ぶことを前提とするインド式ヨガを、無理なく取り組める形にアレンジして広めていらっしゃいます。



後編では、著者のインド式ヨガの考え方と、受講された方の体験談をお伝えします。

 

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