【本】40代をあきらめて生きるな(後編)
こんにちは。権藤優希です。
前回に引き続き、永松茂久(ながまつ しげひさ)さん著書、
”40代をあきらめて生きるな”
を紹介します。
※前編はこちら
40代は、まわりの人を活かす
前編では、歳下から学び、歳下を味方につけることが大切だとお伝えしました。
特に、自分ひとりですべてを抱え込みがちな人ほど、40代になったらまわりの人にお願いして、任せる力を身につけようと永松さんは仰います。
「あなたの苦手は誰かの得意」。
複数の人でチームを結成して、各々の得意なことをやりながら連携を取ることで、ひとりで行うよりも大きな成果を出せるそうです。
最高の成果を出すチームの要素を、永松さんと親交のある脳科学者・岩崎一郎さんは次のように述べています。
1つめは相手の気持ちを受け入れて、お互いの視点を理解する。つまり、相手の立場に立てるということです。2つめは対等に発言できる、あるいは本音で語り合える関係である、ということです。そして3つめが、メンバーの一人ひとりが心の底から共感できる共通の目的が明確にあり、そこに向かって心を1つにできる、ということです(本書p187~p188より)
この話を受けて、永松さんは「40代はまわりを活かす働き方が大切だ」とあらためて強調します。
次世代の希望になれる
私もたいへんお世話になっている、きずな出版の社長である櫻井秀勲先生。
※櫻井先生の著書紹介はこちら
永松さんにとっても、90歳を超えてなお現役で仕事をされる櫻井先生の姿は、「この年齢になったら、こんな生き方をしたいな」と思わせてくれる存在なのだそうです。
「しげちゃんは40代だからうらやましい」
などと言われたことは一度たりともない。
それどころか、
「まだ40代か。できることが少ないからかわいそうだね。早くこの年代においで」
と言われるほどだ。(本書p230より)
どんな年齢であっても、自分の心の持ち方ひとつで、次世代の人たちの希望になれる。
40代は、まだまだ希望に満ちているのですね。
40代はもっとチャレンジできる
あと数年で40代に突入する私ですが、本書を読んで、40代はもっといろいろなチャレンジができる年代なのだと感じました。
チャレンジし続ける自分の生き方を次の世代に背中で示して、仲間とともに豊かになるというビジョンを実現させるべく、これからも一層ハードワークしていきます。
◆お知らせ◆
1年以上にわたり週2回の更新を続けてきた当ブログですが、2022年からは不定期更新となります。
来年、私は新たなチャレンジとして、1年間に2冊の本を書きます。
皆さまの応援に心から感謝を申し上げるとともに、ライフアクセラレーターとして更に大きな結果をつくる1年にします。
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【本】40代をあきらめて生きるな(前編)
こんにちは。権藤優希です。
今回紹介する本は、当ブログでたびたび紹介しております、永松茂久(ながまつ しげひさ)さんの著書、
”40代をあきらめて生きるな”
です。
出典:永松塾
株式会社人財育成JAPAN代表取締役。
著書はいずれもベストセラーとなり、私もたいへんお世話になっている経営者です。
※過去の永松さんの著書紹介はこちら
本書「40代をあきらめて生きるな」は、40代の人にありがちな「何をやるにも、もう遅い」といったネガティブな思い込みから脱却して、人生100年時代と呼ばれるうちの40代を充実させて生きるために必要な考え方が、永松さんのご経験をもとに示されている1冊です。
特に印象に残った内容をお伝えします。
他人と比べたあとの感情をコントロールする
社会経験豊富な40代の人は、会社や家庭などのさまざまな面で、自分と同世代の人と比べてしまうことが多いかと思います。
「比べて落ち込むくらいなら、他人と比べないようにしよう」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、永松さんは、あえて「他人と比べてもいい」と仰います。
このとき大切なのは、無意識に自分を責めないこと。
他人と比べないのではなく、比べたあとの自分を感情を、プラスの行動に結びつくようにコントロールすることがポイントだと、永松さんは強調します。
最初の感情が生まれたあと、どう振る舞うかという行動の選択については、訓練次第でコントロール可能になる。
(中略)
比べたあとの行動をコントロールできる人が、40代以降大きく伸びてくる。
(本書p40より)
私自身が学んできたことでもあり、当ブログでも繰り越し申し上げたことでもありますが、「2次感情をポジティブに選択する」という基礎的なことが、40代でも大事になるようです。
歳下から学ぶ
40代以降は、協力してくれるまわりの人を含めた総合力、その人たちを巻き込む力を持っているかどうかで、その後が大きく変わることをしっかりと頭に置いておこう。(本書p65より)
また、個人よりも組織として結果をつくることが求められる40代では、歳下から学び、歳下を味方につけることが重要だと永松さんは述べています。
なぜなら、いまの20代~30代の人たちは、昨今の急激な時代の変化を無意識に受け入れてきて、「自分はどう生きていくのか?」を必然的に考えさせられた世代だからだそうです。
「次世代のほうが優秀である」という法則があることを受け入れ、自分たちの世代にはないスキルや精神性を搭載している次世代から、謙虚に学ぶことが大切なようです。
「次世代は優秀」
このことを念頭に置いて生きるだけで、世の中はさまざまな新しい発見をさせてくれるお師匠さんだらけになる。(本書p73より)
基本に立ち返る
感情を適切に選び直すこと。
どんな人からでも学ぶという謙虚な姿勢を持つこと。
これらはバックグラウンドに関係なく、誰もがすぐに取り組めることだと思います。
年齢を重ねれば重ねるほど、社会人としての基礎基本に立ち返ることが大切なのだと感じました。
続きは、後編にてお伝えします。
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【本】移動力(後編)
こんにちは。権藤優希です。
前回に引き続き、長倉顕太(ながくら けんた)さん著書、
“移動力”
を紹介します。
※前編はこちら
前編に続けて、「移動力(環境を切り替える力)」が人生を変えるという著者の考えと、私が読んで感じたことをお伝えします。
人生は出会いで決まる
国内海外に複数の拠点を持ち、移動によって自らの人生を切り拓かれた著者。
移動することで、新しい知識や体験を得られるのは大きな魅力だと仰います。
さらに、「誰と働くか」を選べることが、移動の大きな利点だと述べています。
私は「何をやるか」はあまり重視していない。「誰と働くか」「どこで働くか」「いつ働くか」を重視している。(中略)
私は、「誰といるか」「どこにいるか」に徹底的にこだわってきた。(本書p107、p109より)
もちろん、無闇に人に会っても仕方ないが、自分がどんどんアップデートされていけば、良い出会いもあるはずだ。陳腐な言い方になるが、
「人生は出会いで決まる」
のも事実。ある意味、本書のテーマである「移動」というのは、まだ見ぬ人、まだ見ぬ出来事、まだ見ぬ場所、まだ見ぬ何かに出会う旅と言ってもいい。(本書p142~p143より)
移動により多くの出会いを経験され、その結果、一緒に仕事をする人に恵まれたという著者の思いには、私も共感を覚えます。
毎日同じ時間に同じことをする
本書の終盤では、読者が「移動力」を身につけるための具体的なアクションをいくつか紹介しています。
その中で私が興味深く感じたのは、「毎日同じ時間に同じことをする」という点です。
私の場合は、日本にいるときは朝6時に起きてカフェに行き原稿を書くし、サンフランシスコにいるときは朝3時に起きてテキーラ入りのコーヒーを飲みながら原稿を書く。(本書p165より)
極めてストイックな印象を受けますが、驚くことに、著者は自らのことをだらしないほうだと思っているそうです。
著者が本を書けるようになった理由は「毎日同じ時間に同じことをする」を実践したからだといいます。
一見、成果が出そうにないことでも全然構わない。なぜなら、淡々とやり続ける癖をつけるのが目的だからだ。それでもやることが思い浮かばないなら、毎朝7時にツイッターにツイートしよう。なにかをツイートしようと思えば、ツイートすることを脳が探すようになり、今とは見える景色が変わるから一石二鳥だ。(本書p166より)
これらの作業は、必ずしも物理的な移動をともなうわけではありません。
「毎日同じ時間に同じことをする」という環境設定を自らに課して、淡々とやり続ける癖をつけることがポイントだと仰います。
会社などの予め決められたルーティンではなく、それ以外の内容で「毎日同じ時間に同じことをする」。
その繰り返しが、自分の身を置く環境を選択する力、すなわち「移動力」を培う最初の一歩になるようです。
人が変わるための3つの要素
最後に、著名な経営コンサルタントである大前研一さんの言葉を引用します。
人間が変わる方法は三つしかない。一つは時間配分を変える、二番目は住む場所を変える、三番目は付き合う人を変える、この三つの要素でしか人間は変わらない。
(大前 研一 ほか 著『時間とムダの科学』より)
大前さんが仰る3つの要素は、本書「移動力」で述べられている環境を切り替える力そのものではないでしょうか。
どんな環境に身を置くかが、いかに大切かをあらためて感じました。
私も、いま取り組んでいる事業をさらに拡張した暁には、不動産などの新しい領域に進む目標を立てています。
そうした新しいチャレンジをする際には、自分の身を置く環境を、意識して選ぶように心がけます。
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【本】移動力(前編)
こんにちは。権藤優希です。
今回紹介する本は、長倉顕太(ながくら けんた)さん著書、
“移動力”
です。
出典:KENTA NAGAKURA | 長倉顕太オフィシャルウェブサイト
大学をご卒業後、いくつかの職を転々とされたのち、28歳で出版社に入社。
編集者として多くのベストセラーを世に送り出されます。
38歳で独立。
サンフランシスコ在住でありながら、日本国内・海外に拠点を持ち、プロデューサー、作家、編集者として多数の企画に尽力されています。
本書は、自身の仕事やライフスタイルを劇的に変えられた著者のご経験から、「人生を変えるポイントは移動力(環境を切り替える力)である」という著者の考えを紹介しています。
私たちの行動は、
環境→感情→行動
というのが正常なプロセスだ。(中略)成功者たちは、すでに行動できる環境にいただけの話。だから、私は環境を変えることにフォーカスして本書を書いた。(本書p6より)
特に印象に残った内容をお伝えします。
環境を変えたから、能力が開花した
38歳のときに勤めていた出版社から退き、独立を選択した著者。
ですがその当時、貯金はほとんどなかったといいます。
独立後は、毎週の国内出張や月2回の海外往復など、各地を飛び回ります。
出版社にいたときと全く違う環境に身を置いたことで、自分で稼ぐ力が養われ、いろいろな能力が身についたと仰います。
つまり「移動距離」が尋常じゃないくらい変わったわけだ。その結果、自分の才能というか能力がどんどん覚醒していったと言ってもいい。とにかく、会社員時代の「定住」「安定」という環境から飛び出してみたら、まったく違う世界が目の前にあったことに気づいたわけだ。(本書p36~p37より)
著者が出張を例に取って示した「物理的な移動距離」も、自分の身を置く環境を変えるという点で、著者が本書で唱える「移動力」に含まれるようです。
理想とする生き方をしている人に会いに行く
著者が現在のような多地域居住(いくつもの住居を拠点として持ち、行き来する生活をすること)を志すきっかけになった人物のひとりが、歯科医師でありベストセラー作家でもある井上裕之さんなのだそうです。
※当ブログでも、井上裕之さんの著書を紹介しています。
著書は、出版社で編集者として働いていたときに、井上さんのデビュー作を担当されたといいます。
北海道で歯科医院を営みながら、週末は東京で作家、講演家として活動するという生活を10年以上も続けられている井上さんに、著書は大きな影響を受けたそうです。
もし、本書を読んでいて多地域居住したいなと思ったら、そういう生き方をしている人に会いに行くのを勧める。結局、人はリアリティを感じたものになれるので、自分が理想とする生き方をしている人に会いに行き、近くにいるのが一番の近道になる。(本書p86より)
自分を育む環境を設定する
私たちの行動をコントロールするのは意思ではなく環境だ。環境が行動を決める。(中略)人生を変えたければ環境を変えればいい。(本書p11より)
著者が仰るように、自分を育むための環境設定はとても大切であると私も共感します。
人間である以上、感情の変化は誰にでもあることなので、意思の力だけで何かを始めたり続けたりするのには限界があるかもしれません。
確実に行動を継続するためには、そうせざるを得ないような環境に自分の身を置くことが大切なのではないでしょうか。
もともと安定志向で大手企業に勤めていた私が独立起業できたのは、土台のないところから独立を志す仲間がたくさんいて、起業に必要なことを学び実践できる場所に身を置いたからです。
また、理想とする結果を手に入れるためには、長い距離の移動も厭わないメンタルが重要だと思います。
普段は東京で活動している私も、仕事のため月に何回かは関西に行きます。
また、関西で仕事をしている私の弟も、自己研鑽のためたびたび東京を訪れます。
移動力とは、理想とする結果を得るために、自分の身を置く環境を切り替える力。
そして、必要なときには時間やお金をかけてでも、長い距離を移動する力なのだと解釈しました。
続きは、後編にてお伝えします。
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【本】心を強くする 「世界一のメンタル」50のルール(後編)
こんにちは。権藤優希です。
前回に引き続き、テニスコーチ・サーシャ・バイン氏著書(高見浩 訳)
“心を強くする 「世界一のメンタル」50のルール”
を紹介します。
※前編はこちら
後編でも、結果をつくるために必要な心のあり方について、印象に残った内容をお伝えします。
目的や目標に効果のあることを優先する
何か重要なことをなしとげるには、それ相応の犠牲を払うことが不可欠だ。その見返りがすぐ得られることはまずないが、自分を信じて目標に向かって進めば、最後には必ず努力が報われる。(本書p190より)
著者はプロのコーチとして、指導をしていた選手と年間300日は行動を共にしていたといいます。
ゆえに、友人の結婚式や家族行事に出席できたことはほとんどないそうです。
だが、テニスのコーチの仕事に一生を賭けると決めた以上、犠牲を払うのは当然なのである。(中略)
幸運だったと思うのは、周囲の人間がみな、私の目的、そのために払っている犠牲の大きさを、理解してくれたことだ。
犠牲を払うことの重要さを知っている点では、なおみも同じだった。(本書p191より)
著者のコーチングを受けていた大坂なおみ選手も、テニスで結果をつくるために必要なことだけに集中していたようです。
「犠牲」という言葉は極端かもしれませんが、確かに何かを達成したいと思うのであれば、そのために必要なことを最優先にして、それ以外のことをいったん横に置く必要があると私も思います。
私も、会社の仕事が忙しいなかから独立を志し、立ち上げました。
立ち上げに必要な時間を確保するため「いや、ちょっと」と言って、会社の残業を断らざるを得ませんでした。
私はこの経験から、八方美人は結果をつくりにくいということも体感したのです。
結果をつくるまでの一定期間、いま握りしめているものを横において、目的や目標に効果のあることを優先できるかは、大きなポイントだと思います。
付き合う人を変える
どのプレイヤーと練習するときでも、私はコートやジムに現れるとき、暗い表情や態度を決して見せないように心がけた。その日何か個人的事情で気分がふさいでいるときでも、それが表情や態度に決して現れないように努めた。(本書p233より)
人間である以上、感情の起伏があるのは悪いことではありません。
ただ、マイナスな感情があったとしても、すぐに感情を切り替えて(選びなおして)、仕事に持ち込まないようにするのがプロの精神です。
もしポジティブなメンタルを手に入れたかったら、陽気で前向きな人たちと付き合うに限る。私自身の人生経験から言えるのだが、陰気で万事後ろ向きな人たちと付き合っていると、こちらまで消極的になってしまって、望ましくない方向に引きずられてしまう。(本書p234より)
「充実した人生を送りたければ、陽気で明るい人々と付き合うに限る」と断言する著者ですが、私もそう思います。
人の考え方や価値観は、その人が属してきた環境に大きな影響を受けます。
仮に自分が消極的だったとしても、前向きで明るい人が多い環境に身を置くことで、その影響を受けて、徐々にポジティブな考え方に変わります。
メンタルを強くしたければ、メンタルの強い人と一緒にいるように、付き合う人を変えればよいのです。
何をやっても結果をつくる自分になれる
本書で述べられているような考え方、心のあり方に変わるには、相応の時間がかかります。
なぜなら、考え方の「くせ」は過去の選択の繰り返しによって染みついたものだからです。
ただし、「くせ」は後天的な努力で変えることができます。
目的から逆算して効果のある選択を繰り返し、自分の「くせ」を直していくことは確かにタフでしょう。
でも、そうやって強いメンタルを手にした先には、自信を持って決断でき、何に取り組んでも結果をつくることができる自分になれると私は思います。
本書を通じて、私も自分の「くせ」と向き合い、自分を見つめ直す機会となりました。
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【本】心を強くする 「世界一のメンタル」50のルール(前編)
こんにちは。権藤優希です。
今回紹介する本は、テニスコーチ・サーシャ・バイン氏著書(高見浩 訳)
“心を強くする 「世界一のメンタル」50のルール”
です。
著者は数々のプロテニス選手のコーチを務められ、2018年に大坂なおみ選手のコーチに就任。
当時世界ランキング68位だった大坂選手を、世界ランキング1位に導いた実績をお持ちです。
本書は、第一線で活躍するテニスプレイヤーと手を組んできた著者のご経験から、結果をつくるために必要な心のあり方を、50の項目に分けて紹介しています。
結果をつくる心のあり方は、スポーツに限らず、仕事や学業、人生のあらゆる場面で役に立つと著者は言い切ります。
私が読み、特に印象に残った内容をお伝えします。
自分の管理下にあることに切り替える
強いメンタルを手に入れるにはどうすればいいか。
大切なのは「この世には自分の力では左右できないことがあるという事実を認めること」だろう。それを認めさえすれば、新たに前進するパワーが生まれてくる。が、それを認められないと、つい感情に流されてしまい、判断力に曇りが生じて、気も散ってしまう。その結果「自分のいちばんすべきこと」を見失ってしまう。(本書p10~p11より)
私も当ブログや拙著でたびたび申し上げていますが、結果をつくる人はいつも自分の管理下にあることに集中します。
他人や周囲の状況を変えることはできません。
変えることができないものを変えようとしてもエネルギーを浪費しますし、不自由さを感じるでしょう。
どんな場面に出くわしても、すぐに自分の管理下にあることは何だろうと考え、瞬時に切り替えるという姿勢が大切だと私も思います。
自分の力で左右できることには限りがある。他者の出方、能力について思い悩むのは時間の無駄。その事実を受け容れてしまえば、その場の感情に流されることもなく、集中力が途切れることもない。(本書p13より)
失敗を味わうから、強くなれる
大坂選手がミスをする可能性があるような練習メニューを、あえて意図的に取り込んだという著者。
そこには、難関に対する覚悟を養わせて、困難を乗り越えられる強いメンタルを引き出すという意図があったと明かしています。
難関をくぐり抜けた者、挫折と落胆の味を舐めた者こそが、往々にして素晴らしい結果を出し、大成功をおさめることができる。挫折を乗り越えた者の武器は、「どんな困難に直面しても自分は乗り切れる」という自信だろう。(本書p38より)
私も、現在のように複数の事業を立ち上げるようになるまでに、数え切れないほどの困難に直面し、失敗もしています。
でも、そこでくじけずに立ち直り、困難を乗り越えてきたからこそ、「今後どんなことが起きても、これだけ乗り越えてきた自分なら大丈夫だ」と今では胸を張って言えます。
勝負をあきらめるか、再度挑戦を試みるか、そこが人生の分かれ目だと思う。
たとえ失敗しても安易な言い訳などせず、真っ向から勝負をくり返してほしい。負けるたびに、あなたは強くなる。(本書p40より)
雪山を登る熊の親子
困難を乗り越えるからこそ、強いメンタルが手に入る。
本書とは異なりますが、このことを象徴する動画があるので、引用して紹介したいと思います。
有名な動画なので、ご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。
登っては落ちてを繰り返す熊の子供を姿を見て、思わず「がんばれ!」と応援したくなった方もいらっしゃるかと思います。
困難に立ち向かい、くじけずにチャレンジする姿は、周囲の人の心を動かします。
そして、困難という山を登り切ったときに得られる自信は、人生の可能性を大きく広げてくれることでしょう。
本書の続きは、後編にてお伝えします。
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【本】インド式 壁の乗りこえ方(後編)
こんにちは。権藤優希です。
前回に引き続き、栃久保奈々(とちくぼ なな)さん著書
“インド式 壁の乗りこえ方”
を紹介します。
※前編はこちら
後編では、著者のインド式ヨガの考え方と、受講された方の体験談をお伝えします。
ヨガを通じて自己肯定感を高める
著者が提唱する「インド式しあわせヨガ」には、5つの原則があります。
原則1 ヨガをする時間や場所のルールを決めない
原則2 人生でもヨガでも、心と体が喜ばない我慢はしない
原則3 無意識に自分を責めない
原則4 人にイライラしたら、意味を考える
原則5 毎日の記録を残す
(本書p7~p8より抜粋)
インドヨガには呼吸、瞑想、ポーズ(ストレッチ)などの手法がありますが、自分の心と体にしっかりと目を向けて、楽しいという感情を大切にするために、これら5つの原則を設けているのだそうです。
一般的に日本で認知されているヨガは美容を目的としていて、食生活の管理などストイックな側面もあり、続けられずに自己嫌悪に陥る人が少なくないと著者はいいます。
対して著者のインド式ヨガは、決して無理をせずに、自己価値を認識することを重要視するようです。
なぜなら、ヨガの基盤は、あくまで心と体の健康のためであり、自己治癒能力や潜在能力を高めるものであり、自己肯定のために実践するものだからです。(本書p81より)
辛さを吐き出し、心を軽くする
本書には、インド式ヨガの具体的なやり方が詳しく紹介されています。
また、会社で忙しく働く人々が、著者のヨガレッスンを受けてどのように変化したかという体験談も数多く載せられています。
事例のひとつとして、商社で管理職を務める女性の感想を引用します。
この女性は、会社、両親、恋人といったさまざまな人間関係に悩んでいたなか、会社の先輩とともに著者のレッスンに参加されたそうです。
「苦しい場面が思い浮かんだ人は、自分が苦しんでいるという事実を受け止め、まずは実際に言葉に出してみることが大事」という先生の瞑想中のアドバイスを受け、まずは、今日一緒にレッスンに参加した2人に、帰り道、今の状況と苦しい気持ちを話してみることにしました。(本書p190より)
私は入社した時に指導をしてくれた女性の先輩を思い出し、毎日笑顔で声をかけてくれたこと、お客さんに怒られて落ち込んでいることなどを正直に話してくれたことを思い出しました。自分にはこれがなかったと気づき、まずは、日常生活から変えてみることにしました。
(中略)苦手な相手に幸せが訪れるように願う瞑想は、最初は辛かったけれど、会社でも感情的になることが減り、だんだんと心が落ち着いていくように感じました。(本書p191より)
この女性は、インドヨガの瞑想を通じて自分が抱えている辛さを吐き出し、心の平穏を手に入れたことが、人間関係を好転させるきっかけになったようです。
毎日忙しく働いている中で、私たちの視野は、気づけばどんどん狭く、独りよがりになってしまいます。ただ、辛くなるまで1人で抱えるのではなく、信頼できる人に辛さを吐き出すことで自分の心を軽くするアヒンサーの精神、人の幸せを思うチッタ瞑想をすることで乗り越えることができます。(本書p193より)
と仰る著者は、私たちが社会生活を送るなかで起こり得るいろいろな心の問題を、ヨガを通じて解消するために、精力的に活動されています。
「辛さを吐き出したら立ち直る」と、決めておく
私はヨガについては詳しくなかったため、本書におけるヨガの考え方はとても勉強になりました。
ただ、前述の著者の言葉にあった「信頼できる人に辛さを吐き出す」ことは非常に重要なポイントだと私も思います。
苦しい、辛い状況だからといって、その感情に流されて仕事のパフォーマンスを落としてしまうのは望ましくないでしょう。
仕事を進めていくうえでは、少しくらい辛い状況に立たされたとしても、周りの人にそのような顔を見せずに、いつも明るく振る舞うのがプロであると私は考えています。
かといって、その辛さを誰にも話さずに押し隠すのとは違います。
辛さを抱えたままでは自分の苦しみは解消されないですし、結果的に周囲にも気を遣わせてしまう恐れがあります。
そんなときは、大勢の前ではなく、自分が信頼できる人に辛い気持ちを率直に話すこと。
その際、「この人に自分の気持ちを聞いてもらったら、自分は立ち直るから!」と決めておくことが、話を聞いてくれる相手の気持ちを損ねずに、自分の心を軽くする方法だと私は思います。
実際、私もそうやってたくさんの方に話を聞いていただき、何度も立ち直ってきました。
ヨガを通じて自己肯定感を高めるという著者の取り組みには、私も強い共感を覚えました。
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