【本】崖っぷち銚子電鉄 なんでもありの生存戦略
こんにちは。権藤優希です。
今回紹介する本は、竹本勝紀(たけもと かつのり)さん、寺井広樹(てらい ひろき)さん共著、
です。
税理士として、約500社の税務申告や経営指導の実績をお持ちの竹本さん。
2005年に銚子電気鉄道株式会社(以下、銚子電鉄)の顧問税理士に、2012年に同社の代表取締役社長に就任されます。
寺井さんは、文筆家として50冊以上の著書を出版されています。
一方で、地方創生事業にも積極的に取り組まれ、経営難が続く銚子電鉄を救うために、さまざまな企画を打ち出します。
※出典:寺井 広樹先生の授業・プロフィール - Schoo(スクー)
本書は、銚子電鉄の歴史や沿線施設を紹介するガイドブックでありながら、同社がこれまでに幾多の経営危機を乗り越えてきたエピソードから、著者の経営哲学を学べる1冊になっています。
苦しいときこそ笑いを
「電車屋なのに自転車操業」と、銚子電鉄の苦しい経営状況を、半ば自虐気味の言葉で表現される竹本さん。
でもこれは、苦しいときこそ笑いが必要であるという同社のモットーなのだそうです。
「自虐ネタになる」と思うことで事態を冷静に捉えられる、心に余裕ができる。そんな作用があるのかもしれません。
どんなにまずい状況でも、苦しい状況でも、なんとか銚子電鉄を継続させていきたいという思いが常にあります。(中略)
自虐ネタの裏には、銚子電鉄の「なにがあってもあきらめない!」の精神があるのです。(本書p46~p48より)
苦しい状況でも決して深刻にならず、語れるネタができたと捉える。
このようにして自らの状況を笑い飛ばす余裕ができたとき、現状を打破するアイデアに気づきやすくなるのかもしれません。
できることは何でもやる
赤字経営が続いていたかつての銚子電鉄では、たい焼きの製造販売、飲料の車内販売をおこなっていました。
そんな中、1995年に販売を始めた「ぬれ煎餅」が一躍有名になり、現在も銚子電鉄の名物として名を馳せています。
そして、同社の食品製造販売業の収入は鉄道収入を上回り、総売上の7割を占めるといいます。
他にも、寺井さんが考案された「まずい棒」などのさまざまな取り組みが、銚子電鉄の経営を支えてきたそうです。
●スナック菓子「まずい棒」
※出典:銚子電鉄「まずい棒」公式サイト
●エンタメ電車「お化け屋敷電車」
※出典:銚子電鉄×お化け屋敷「銚子怪談」7月17日より運行中! 銚子電気鉄道株式会社
●映画「電車を止めるな!」
普通の鉄道会社では考えられないような取り組みの数々。
しかし、電車を走らせるには何としてでも売上をあげなければいけません。
そのためにできることは何でもやるという姿勢が、昔も今も一貫しているのです。
銚子電鉄は公共交通機関ではありますが、私企業であるがゆえに資本の論理からは逃れることはできません。収益の確保は常について回る至上命題です。
その一方で、私企業ではありますが、誰のものでも、誰のためのものでもありません。我々を必要とする人がいる限り、銚子電鉄は走り続けます。(本書p116より)
なお、社長である竹本さん自ら、運転士の免許を取得され、電車の運転をすることもあるというのですから驚きです。
絶対に成し遂げるという想い
私は本書を読み、非常にユニークな銚子電鉄の取り組みは、電車を必要としている人々のために、何が何でも存続するという強烈なコミットからきているのだと学びました。
成し遂げようとしている目標に向かって進むときは、新しいことにチャレンジしなければならない場面にも遭遇します。
懸命に努力し行動していても、ときには周囲に理解されなかったり、批判されたりすることもあるかもしれません。
しかし、絶対に目標を達成するという強いコミットがあれば、周囲の批判などは気にならなくなります。
万策尽きたと思っても、また新たな方法を思いつくこともあるでしょう。
「なりふり構わず」といった振る舞いも、「絶対に達成する」という想いが本物であれば、いずれは周囲に伝わり、やがて目標達成への道が開ける。
私自身、これまでの起業経験を通じて体感していることです。
鉄道という公共性の高い事業でありながら、必死に汗をかかれている銚子電鉄の取り組みを知り、学びを深めることとなりました。
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