権藤優希の読書手帖

株式会社シーマネジメント代表、「ごん×櫻井のモテモテ塾」主宰を務める傍ら、読んだ本を中心に日常を書いています。

【本】ツリーハウス

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引用元:https://lohaco.jp/product/L01607757/

 

こんにちは。権藤優希です。


今回紹介する本は、角田光代氏著の『ツリーハウス』です。

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引用元:http://bunshun.jp/articles/-/2441

 

1988年にデビューし、2005年『対岸の彼女』で直木三十五賞受賞しました。
著者の作品である『八日目の蝉』はドラマ化・映画化もされています。
ご存知の方も多いのではないでしょうか。


私も『八日目の蝉』を読んでいますが、考えさせられるテーマになっています。

 

さて、本書は家族のルーツを探す物語です。

主人公の実家は新宿にある「定食屋」ですが
冒頭で、定食屋を創業した祖父が亡くなってしまうのです。
祖父が亡くなったにも拘わらず普段と変わらない両親、親族を垣間見た事が契機となり、自分の家族に疑問を持ち始めます。また、母が帰りたい、と言うようになったことも原因の一つにあります。

 

なんと祖父母は、"満州"で出会った二人だったことがわかり、主人公と叔父(父親の弟)が、祖母を連れて中国に旅行にいきます。
物語が進む中で、若かりし祖父母の視点や主人公の父親から視点、主人公と家族3世代にわたって描かれています。生きているといろいろなことが起きるなと読みながら思いました。

 

その中でも、祖父母の出会ったいきさつ、満州での暮らしや敗戦後、帰国するまでの物語が印象に残りました。特に、時代や状況に抗うために逃げてきた二人だからこそ、家族には逃げることしか教えることができなかったと、祖母が語っています。
ただ、戦時中「逃げることは恥だ」と思っている人が多い中で、満州から逃げてきた祖父母がいたから、今の「定食屋」があり、家族がいるのだと、私は思います。

今、私が生きていることも一緒ですね。


小説ほどドラマがあるかはわかりませんし、詳しく知らないことも多いのですが、先祖が懸命に生き抜いてきたからこそ『今』があるなと感じました。感謝ですね。

本書を通して、私自身も家族のルーツを知りたいなと思いました。