【本】もしも一年後、この世にいないとしたら。(前編)
こんにちは。権藤優希です。
今回はいつもと違うテーマで、医療に関する本を読みました。
精神科医・清水研(しみず けん)さん著書、
“もしも一年後、この世にいないとしたら。”
です。
国立がん研究センター中央病院・精神腫瘍(しゅよう)科長。
精神腫瘍医とは、がん専門の精神科や心療内科に属し、がんに罹った患者とそのご家族の心のケアをされる医師なのだそうです。
本書は、これまでに3,500人以上のがん患者の診療をされてきた著者のご経験と、限りある人生を自分らしく生きるために大切な在り方が、思いのままに綴られています。
がんという重い病気と闘う患者の姿からたくさんのことを教えられた、という著者のメッセージに私は心を打たれました。
対話により患者の悩みを理解する
著者が第一に心がけているのは、がんに罹った患者がどのような悩みを抱えているかを、対話によって十分に理解することだといいます。
がんを宣告された患者は、みな不安や恐れの気持ちでいっぱいだということは想像がつくでしょう。
ですが、その悩みや苦しみ方は100人いれば100通りあると著者は述べています。
カウンセリングでは患者との対話を通じて、人生で大切にしてきたことや、がんに罹ったことをどう思っているかなどを、生い立ちから時系列に沿って詳しく尋ねていきます。
そして、患者の悩みを真に理解できたと思ったときに「〇〇さんはこのように悩んでいるのですね?」と伝えるのだそうです。
私が伝えた言葉に対して、相手の方がこころの底から「そうなんです!」と言ってくだされば、最初の大切なステップがうまくいったことになります。
なぜなら人は、「自分の悩みを誰かが理解してくれた」と思えたときに、苦しみが少し癒えるからです。(本書p29~p30より)
がんと闘っていくためにまず始めに大切なのが、苦しい気持ちを癒すことなのですね。
相手の悩みに寄り添い共感するという経験は誰もがあるかと思いますが、著者の目の前にあるのは、”もしかしたら死ぬかもしれない” と恐怖におびえる大切な命。
ひとりひとりの患者と向き合う対話に絶対的な正解は存在せず、命懸けの仕事と言ってもいいのではないかと私は感じました。
人には悩みと向き合う力が備わっている
また、すべての悩み苦しみを医師が取り除けるわけではないといいます。
最も大事になってくるのが、患者自身が悩みと向き合って新たな現実を歩めるように、医師がサポートすることなのだそうです。
「がんになったという事実は変えられないんだ」というあきらめや絶望のような感覚が生まれたとき、その気持ちの裏側では現実と向き合っていくプロセスが始まります。
(中略)
この、様々な喪失を認め、新たな現実と向き合う力を「レジリエンス」と言います。(本書p42より)
「レジリエンス」とは「元に戻る」という意味を持つ言葉で、いわば悩みと向き合う力のこと。
がんの告知によりショックを受けている患者と真摯に向き合い、対話を通じて苦しみを和らげ、悩みの正体を明らかにする。
そして、患者自身が現実を受け入れて、自分の力で悩みと向き合えるよう、寄り添いながらサポートしていきます。
決して無理に前向きになろうとしたり、悲しくつらい気持ちを押し込めたりする必要はなく、ときには長い時間をかけながら、心のおもむくままに過ごすことが大切だそうです。
私たちには、悩みと向き合う力が自然に備わっているのですね。
本書では、がんに罹って失意の底に沈みながらも、悩みと向き合い乗り越えてこられたさまざまな患者の事例が紹介されています。
私は幸いにも健康ですが、悩みから目を背けたりせずに、自分の課題に真正面から向き合って前進していこうと痛感しました。
著者も、多くの患者との対話を通じて人間に備わるレジリエンスの力に気づき、またご自身の生き方にも大きな影響を与えたと語っています。
この続きは、次回お伝えします。
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