【本】生きる力 引き算の縁と足し算の縁(前編)
こんにちは。権藤優希です。
今回紹介する本は、フリーアナウンサー・笠井信輔(かさい しんすけ)さん著書、
“生きる力 引き算の縁と足し算の縁”
です。
出典:
笠井信輔オフィシャルブログ「笠井TIMES ~人生プラマイゼロがちょうどいい~」Powered by Ameba
元フジテレビアナウンサーとして「とくダネ!」などの情報番組を担当。
30年以上にわたり第一線でご活躍されました。
2019年、フリーアナウンサーへの転身直後に、悪性リンパ腫(血液のがん)に罹っていることが判明。
過酷な闘病生活の末、2020年6月に完全寛解、現場復帰を果たされます。
本書には、自身の闘病生活を綴ったブログやSNSの内容と共に、
・死を覚悟されたときの心境と、それをどのようにして乗り越えられたのか
・病気と闘うなかで感じた「生きる力」とは何か
など、著者の思いがありのままに記されています。
苦しい状況でも、前を向いて進むためのメッセージが凝縮された1冊です。
家族のために
著者は、55歳のときにフリーアナウンサーに転身されて間もなく、体調を崩されてしまいます。
医師からステージ4の悪性リンパ腫と診断され、大きなショックを受けたそうです。
せっかく受けた仕事が全部駄目になる。フリーになったばかりでこれからだというのに、どうしてここでがんなんかになっちゃうんだよ。(本書p40より)
それでも、入院前までに決まっていた仕事を痛みをこらえながら懸命にこなし、また大切なご家族との時間を噛みしめるように過ごされます。
自分が病気にならなければ、家族が一同に集まって心を一つにすることもなかったかもしれません。
がんになって良かったとは思いません。でもがんによる「貯金」がこの日また一つ増えました。
「なんとか良くならなきゃいけない、家族のために」
そんな思いを強くしました。(本書p67~p68より)
引き算の縁と足し算の縁
著者はフジテレビに在籍中、阪神大震災や東日本大震災などの取材でたびたび現場に赴き、自身の死生観に大きな影響を受けたそうです。
そして、自分ががんになって入院する直前、その胸中を「とくダネ!」の生放送で次のように打ち明けられました。
(少し長くなりますが、本書の根幹に相当するため、引用します)
「私は東日本大震災の時に得た経験を今、強く感じています。それは『引き算の縁と足し算の縁』という自分なりの考え方です。東日本大震災で当初、被災者の皆さんは『あの人が亡くなった、この人が行方不明になった』と失った縁のことを引き算のようにして数えていました。でもある時から『避難所であの人に会えた。病院でこんな先生と、ボランティアの方と知り合えた』といった足し算の縁を語る人が増えてきて、そうした人から復興の中心人物になっていったんです。
(中略)僕は、がんとわかって『あの仕事なくなった。この仕事もなくなった』と山のような仕事のキャンセル、引き算ばかり考えていたんです。でもこれからは、新たな出会いがいくつもあるはずなんです。病院、あるいはオンライン上の皆さんとの出会いといったものなどを大切にして、『この病気になったので、こうなれたんだ』と言う自分に気持ちを切り替えて生きていこう、闘ってこうと思っています。これは東日本大震災で被災した皆さんから学んだことです」
(本書p83~p84より)
がんに罹った著者にとって、「引き算の縁と足し算の縁」という捉え方が、精神的支柱になったとも述べています。
「足し算の縁」に目を向ける
つらいできごとに遭遇したとき、失うものもあれば、新たに得られるものもきっとあるはず。
著者が唱える「生きる力」とは、「引き算の縁」から「足し算の縁」にスイッチを切り替えられる力とも言えそうですね。
私は起業の準備の過程で、数えきれないほど多くの人と出会いました。
ご縁があって今も一緒に仕事をしている人もいれば、残念ながら、お互いに別々の道を進まなければならない人もいました。
大切な人との別れは、やはりどうしても悲しい、さみしい気持ちになります。
ただ、そんな中でも自分の足を止めずに行動を続け、出会いと別れを繰り返して、今があります。
人生は「引き算の縁」ばかりではありません。
やがて巡ってくる「足し算の縁」に目を向けて、前に進む。
著者が被災者から学んだというメッセージは、多くの人に希望を与えるのではないでしょうか。
後編では、入院中の著者を勇気づけたという、SNSのポジティブな可能性に注目します。
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