権藤優希の読書手帖

株式会社シーマネジメント代表、「ごん×櫻井のモテモテ塾」主宰を務める傍ら、読んだ本を中心に日常を書いています。

【本】届け先のわからない手紙、預かります 漂流郵便局 お母さんへ(前編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

今回紹介する本は、久保田沙耶(くぼた さや)さん著書、

“漂流郵便局 お母さんへ”

です。

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出典:

久保田沙耶 (くぼた さや)|プロフィール・連載・記事|クリエイターと読者をつなぐサイト cakes(ケイクス)

 

東京藝術大学大学院美術研究科修了(博士)。

現代美術家

個展およびグループ展などで多数の作品を発表されているアーティストです。



漂流郵便局とは、香川県の粟島にある、使われなくなった古い郵便局の建物を利用した著者のアート作品です。

 

届け先のわからない手紙を預かる郵便局として、2013年瀬戸内国際芸術祭に出展。

2020年4月までに累計4万通もの手紙を預かっているのだそうです。

 

※参考(YouTube

www.youtube.com



2015年に出版された書籍『漂流郵便局』に続く本作『漂流郵便局 お母さんへ』では、漂流郵便局に届いた手紙の中から、おもに母親に宛てられた手紙を取り上げて紹介しています。

 

行き場のない想いを預かる

著者は、漂流郵便局にはじめて届いた手紙のことを、次のようにお話されています。

 

開局の2日前、一通目の手紙が届きました。「亡くなったお母さんへ いまだったら言えるたくさんのありがとう」と書かれ、一輪の赤いカーネーションの絵がそえられていました。予期せず届いた手紙と切実な文字の形につよく心をうたれたのを覚えています。(本書p19より)

 

漂流郵便局に届く手紙は、未来や過去の自分に宛てたもの、大好きな恋人に宛てたものなどさまざま。

特に、本書で紹介されているすでに亡くなった家族へ宛てた手紙は、多くの人の心を打つことでしょう。

 

自分を産み育ててくれた母へ。

伝えたくても伝えることができなかった行き場のない想いが、漂流郵便局に集まるといいます。

手紙紹介

本書に掲載されている手紙の一部を紹介します。

 

(本書p26より)

お母さんが亡くなって八ヵ月たち、

やっと、もういないと、理解しました。

今、思うのは、最期まで前向きに

がんばっていたこと!

私が、お母さんの立場なら

あんなに、頑張れなかったと思うくらい…

すごいと思います。

改めて、今頃ですが、尊敬します!

お母さんみたいには頑張れないけど、

頑張って生きるね

 

(本書p94より)

60代になって今は後悔することばかりです。

元気な時は言いたいことを言って、ケンカした時もあったけど、年をとって、

母が病気になった時、「母ちゃん、今までごめんなさい♡大好きだよ」と言って抱きしめてあげたかったけど、その時は気恥ずかしくて、出来ませんでした。

ごめんなさい。

漂流郵便局で、私の気持が天国の

母ちゃんに届きますように…。

「母ちゃん、大好きだよ~!」

今まで、ありがとう~。

<追伸>

天国でもお父さんと仲良くネ!!

 

想いを言葉にすること

私も、掲載されている手紙を読んで、涙がこみ上げてきました。

 

本当は伝えようと思っていたのに、伝えることができないまま会えなくなってしまったというさみしさやせつなさ。

そして、偉大な母への愛情や感謝の気持ち。

 

後悔することの良し悪しを論じるものではないですが、日頃から想いをきちんと言葉にして伝えることの大切さを感じずにはいられませんでした。



後編では、漂流郵便局に対する著者の想いをお伝えします。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

※ ”漂流郵便局 お母さんへ” はこちら

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※前作にあたる ”漂流郵便局” はこちら

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