【本】0から1をつくる 地元で見つけた、世界での勝ち方(後編)
こんにちは。権藤優希です。
前回に引き続き、カーリング元日本代表・本橋麻里(もとはし まり)さん著書、
“0から1をつくる 地元で見つけた、世界での勝ち方”
を紹介します。
※前編はこちら
前編では、新チームの立ち上げにかける著者の思いを中心にお伝えしました。
後編では、著者が新しいチームをつくりたいと思うようになった背景から、著者が理想とする人生観に注目します。
女性としての人生を大切にしなさい
著者が高校生だった頃、恩師にあたる人から「女性としての人生を大切にしながら、カーリングに真剣に取り組みなさい」と言われたことがあったそうです。
そして、2010年バンクーバー五輪でのこと。
2006年トリノ五輪に続き連覇を果たしたスウェーデン代表の女子チームに、著者はある衝撃を受けます。
スウェーデン代表の女性メンバーは全員、結婚と出産を経験されていたのです。
なおかつ、ディフェンディングチャンピオンとして連覇を達成しました。
4年に1度ではなく、女性としての人生をトータルにとらえたチーム。
そんなスウェーデン代表のようなチームをつくりたいという思いが、著者の中に生まれたのだそうです。
そのときふと、(中略)「女性としての人生を大切にしながら、カーリングに真剣に取り組みなさい」という言葉が浮かびました。
ああ、こういうことなのか――。
競技も、恋愛や結婚や出産といった女性としての喜びも、どちらも真剣に追うからこそ、どちらにも良い影響を与えていて、カーリングに左右されない人生が楽しく、豊かなものになっているのだ――そう自分なりに解釈しました。
子育てから学んだこと
2010年に新チーム「ロコ・ソラーレ」を立ち上げた後、著者は2012年に結婚、2015年には出産を経験されています。
育児とカーリング競技の両立は大変でしたが、それ以上に楽しかったと綴っています。
最初は「子供がなかなか言うことを聞いてくれない」と感じていた著者。
徐々に、「だけど赤ん坊に対して、母親の都合で言うことを聞かせようとするのは、こちら(自分)のわがままかもしれない」と、育児を通じて相手の立場で考えることの大切さに気づいたといいます。
チームや個人にミスが出た時に、あの選手にはすぐに伝えてあげたほうがいいだとか、少し寝かして明日ならしっかりした議論ができるとか、タイミングを意識するようになったのは、子育てをしてからかもしれません。(本書p104より)
迎えた2018年の平昌五輪では、ロコ・ソラーレが日本カーリング史上初となるメダルを獲得されました。
そして著者は現在、カーリングに取り組む人たちの人生の選択肢を増やすため、一般社団法人の代表理事として活動されています。
特に女子カーラーは結婚、出産を経験しても、次は家族と一緒にこうしてカーリングの国際舞台に戻って来ることができる。そんな選択肢が当然のような環境を整えるのが、私の次にやりたいことかもしれません。(本書p109より)
人生の軸を持つ
0から新チームを立ち上げてメダルを獲得されただけでなく、カーリングに取り組む人々の選択肢を増やそうと新たなチャレンジを続けられる著者の姿勢には、私も心を打たれました。
性別の違いだけで一概に言えることではないかもしれませんが、著者が仰るように、特に女性にとっては結婚や出産という大きなライフイベントがあるかと思います。
カーリングは人生を豊かにするツールではあるけれど、決して私の人生のすべてではない。(本書p49~p50より)
自分にとってカーリング競技は大切なものだけど、競技に自分の人生が振り回されるわけではない。
大事なのは、決してぶれない自分の人生の軸をしっかり持つこと。
自分はこうしたい!という理想を描くことが、その人生を実現するためのファーストステップなのですね。
女性に限らず、何か熱心に取り組んでいることがある方にもお読みいただきたいと感じた1冊でした。
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※ ”0から1をつくる 地元で見つけた、世界での勝ち方” はこちら
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