権藤優希の読書手帖

株式会社シーマネジメント代表、「ごん×櫻井のモテモテ塾」主宰を務める傍ら、読んだ本を中心に日常を書いています。

【本】仕事も人間関係もうまくいくANAの気づかい

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こんにちは。権藤優希です。


今回紹介する本は、「仕事も人間関係もうまくいくANAの気づかい」(ANAビジネスソリューション著)です。
航空会社として世界の中でも高い評価を得ているANAの社員の方々が、常に心がけている「気づかい」について書かれています。


こう聞くと、まず思い浮かぶのは客室乗務員による利用客へのおもてなしですかね。

例えば、お客様から「水がほしい」とだけ言われたとしても、CAはその先にある真の要望を考えます。
それを見極めるためには、とにかくお客様の様子をよく観察することが基本になるのだそうです。

上着を脱いで暑そうにしていれば、『冷たいお水とおしぼりをお持ちしましょうか』、
食事後にかばんの中を探している様子ならば、『お薬をお飲みになりますか』、
何度か咳払いをしているなら、『のどのご調子はいかがですか。のど飴もお持ちいたしますね』と、
水を求める真の目的を察知して、お声がけと振る舞いを変えていくといいます。

こうした気づかいをされると嬉しいですよね。


また、本書における気づかいは、このような「お客様への気づかい」だけではありません。
空港スタッフ、整備士、CA、パイロットといった各職種の、新人からベテランまであらゆる人が、飛行機を安全に飛ばすという共通目的のため、「社員どうしの気づかい」を徹底して、円滑に業務を進めているといいます。


例えば「時間を守る」という点で興味深い内容が紹介されています。
一般的な上下関係の厳しい会社であれば、待ち合わせの際は部下が上司よりも早く来るのが当然とされるでしょう。
しかしANAの機長は、フライト前日に集合時刻を副操縦士に告げるときに、『僕より早く来る必要は無いよ。集合時刻までに来ればいいからね』とひとこと添えて、自分も早く到着しすぎないようにするそうです。

これは、副操縦士に余計な重圧をかけないためなのだそうです。
高度に専門化されたパイロット業務は機長と副操縦士との良好な関係が何よりも大切なので、お互いが良い心理状態でフライトに臨むための配慮だといいます。
部下が上司に気を配るのは一般的ですが、上司の部下に対する気づかいも徹底されているのですね。

 

どんな状況であっても、気づかいに共通する要素は次の2点なのだそうです。

・気づかいとは「相手のこと」を想像する習慣である
・気づかいとは「一歩先のこと」を想像する習慣である

とてもわかりやすいですよね。
皆さんの周りにも、繊細だな、気が利くな、という方がいらっしゃるのであれば、こうした配慮が自然とできているということでしょう。
ANAで働く方々も、日々の実践を通じて、こうした習慣を身につけていくそうです。


私も、「仕事の先にはそれを受け取る人がいる」ということを、普段から意識しています。
私が経営でお世話になっている方々も、周囲に対する気づかいを徹底されていて、特に大きな結果を作られる方ほど、相手が仕事しやすくなるような行動を自然と取られているので、学ぶことばかりです。

本書はとても読みやすく、職業や年齢を問わず誰もがすぐに実践できることです。
ちょっとした気づかいができる、かっこいい大人になりたいものですね。