権藤優希の読書手帖

株式会社シーマネジメント代表、「ごん×櫻井のモテモテ塾」主宰を務める傍ら、読んだ本を中心に日常を書いています。

【本】間抜けの構造

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こんにちは。権藤優希です。

 

今回紹介する本は、ビートたけしさんの著書

間抜けの構造」です。

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引用元:https://talent.thetv.jp/person/0000002473/

 

ビートたけしさんを知らないという方はおそらくいないでしょう。

 

漫才ブームを牽引したお笑いコンビ「ツービート」で一躍有名になり、お笑い・テレビの分野で日本を代表するタレントとして、また映画監督としても数々の実績をつくられています。

 

本書の内容は大きくわけて次の2つです。

 

・間抜けな人、すなわち"間(ま)"の悪い人たちの特徴やそれについて思うこと

・お笑い、スポーツ、映画、日常、人生などの、さまざまな場面における"間"のとらえ方


間の悪い人たちに共通する要素

冒頭では、昨今の日本で話題になった"間"の抜けた人たちへ、たけしさんが独特のつっこみを入れています。

 

間抜けな人に共通しているのは、本人はそのつもりはないけど「間が悪い」とか「間を外してしまう」ことが多く、つまり自分がどういう立場・状況にいるのかを客観的に見ることができないこと、と述べています。

 

ご自身や周りの方の破天荒なエピソードと、その時の心境がオープンに語られていて、読み進めていて思わず何度も笑ってしまいました。

 

お笑いを制するには"間"を制する

しかし、間抜けが必ずしも悪いわけではありません。

 

とりわけお笑いの世界においては、間抜けであることや恥ずかしいエピソードをどうにかして笑い話に変えることで、間抜けさが芸人としての勲章になるからだといいます。

 

それだけ、"間"というものは、あらゆる場面で大きな要素を占めています。

 

例えば漫才では、ボケやツッコミの技術がいかに優れていても、"間"の取り方が悪ければ途端に面白くなくなるのだそうです。

 

漫才には漫才の、フリートークにはフリートークの、落語には落語の、それぞれ独特の"間"があって、一概にこうすればよいという正解はないそうです。

 

「お笑いを制するには"間"を制すること。」

 

たけしさんが話されるからこそ納得する言葉ですね。

 

日常のあらゆるところに"間"が存在する

そしてお笑いに限らず、私たちの周りにはさまざまな"間"があります。

 

・野球でピッチャーが投球するときの"間"

・議論や討論などで、会話に割り込むときの"間"

・映画やドラマの、役者の演技や台詞の"間"

 

特に映画では、カメラに映る映像の空間的な"間"や、編集時のコマ割りの時間的な"間"など、いろいろな"間"が作品の出来を左右するといいます。

 

映画監督として海外の映画祭に行くことで、"間"という感覚が、海外にはない日本独特の概念だということも感じたそうです。

 

確かに日本語には「瞬間」「居間」「間合い」「世間」のように、間という字が含まれる言葉が多いことがわかります。

 

英語には、"間"のニュアンスを的確に表す言葉はないのかもしれません。

 

人生の"間"が生んだ今の生き方

最後には、たけしさんがご自身の人生の"間"を振り返ります。

 

大学を辞めてから芸人を志すまでの"間"、タレントとしてのキャリアを中断しているときの"間"など、当時の自分が望んだことではなかったけれど、後から思えばそうした"間"があったからこそ今の自分があるんだ、と語っています。

 

そして、生き方における"間"を見直してみては、といって話を締めくくります。



面白おかしく読み進めながらも、いろいろな"間"の取り方について深く追求されているたけしさんの仕事に対する姿勢に、とても魅力を感じました。

 

さまざまな視点から物事を見ることが大切なのだなと感じましたし、私は仕事として多くの人の前で話す機会が多いので、"間"をあらためて意識して話してみようと思います。 

 

肩の力を抜きながら読める、たいへん興味深い一冊です。

 

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