【本】私の財産告白
こんにちは。権藤優希です。
今回紹介する本は、故・本多静六(ほんだ せいろく)氏著書
「私の財産告白」です。
1866年埼玉県生まれ。
貧しい家庭に生まれながらも、努力の末東大農学部に入学。
85歳で亡くなるまでに東大教授、造園家、投資家などさまざまな分野で実績を残した人物です。
本書「私の財産告白」では、過酷な貧しさの中でどのようにして莫大な財産を築き上げたのか、本多氏の体験が綴られています。
本書からうかがえる
・お金の貯め方、増やし方に関する考え方
・職業観や人生観
は、現代にも通ずるものがあるのではないでしょうか。
本多式「4分の1 天引き貯金法」
貧しさから脱却すべく、本多氏が25歳のときから実践したのが「4分の1 天引き貯金法」です。
その名の通り、収入の4分の1をまず最初に貯金に回して、残りの4分の3で生活するという方法を、どんなに苦しくても続けたそうです。
どうすればお金が貯まるか?という普遍的な疑問に対して、「貯金する」というごく当たり前のこと。
しかし、大きな勇気と決断をもって、本当に実行するのか?という本多氏の問いかけは、
何か簡単にできることはないかと目先の方法に目を向けがちな私たちに、行動を起こすことの大切さを喚起しているように思えます。
貯金の問題は、要するに、方法の如何ではなく、実行の如何である。
雪だるまの芯をつくる
本多氏は4分の1貯金で貯めた資金に加え、アルバイトとして始めた文章の執筆により収入を得ます。
(85歳まで執筆を続け、なんと370冊もの著作を残します。)
そして、それらを投資の原資に充てて、巨額の財産を築き上げていきました。
お金を増やす最初のステップとして、本多氏は雪だるまの芯をつくる重要性を次のように述べています。
金というものは雪達磨のようなもので、初めはホンの小さな玉でも、その中心になる玉ができると、あとは面白いように大きくなってくる。
(中略)
貯金とアルバイトの集積が、雪達磨の芯となって次第次第に大きくなってきたためである。つまりは、何人も「貯金の門」をくぐらずに巨富には至り得ないのである。
お金、仕事、趣味など、どんなことでも、始めてから一定の形になるまで続ければ、後は習慣化された行動によってどんどん大きくなる。
雪だるまの芯をつくるところまでが最初の勝負なのですね。
貧乏を経験しなければ、本当の価値はわからない
必ずしもお金持ちが幸せで、貧乏が不幸だとは限らないと本多氏は述べています。
たとえ今がお金持ちであっても、そこからお金が減っていく不安に襲われることもあるかもしれない。
反対に現状がどん底であれば、あとは這い上がっていくしかなく、少しの努力で幸福へ向かうことができる。
つまり、人生の幸福は現在の位置ではなく、上向きか下向きか、将来向かっていく方向によって決まるというのです。
貧しい状態から生涯にわたって堅実な努力をつづけ、「人生即努力、努力即幸福」という言葉を残した本多氏は、
本当の人生の幸せとは一生涯にわたって努力し向上しようとする精神そのものだといいます。
貧乏に苦労し、貧乏し抜いてこそ、人生の意義や事物の価値認識をいっそうふかめることができるのである。貧乏したことのある人間でなければ、本当の人生の値打ちはわからないし、また堅実に、生活の向上をめざしていく努力と幸福は生じてこないのである。
どんなにお金持ちと呼ばれる人も、一時は貧乏を経験しているものです。
お金が無くて苦労した経験が、その人に「どうやったら現状を良くできるか?」という問いを与え、思考と心を育てていきます。
そう思うと、貧乏はお金持ちになるための通過点だと考えることができますね。
大切な心構えは、昔も今も変わらない
私も起業の準備を始めたときは、お金にはとても苦労しました。
4分の1貯金法ではないですが、メンターから教わったように、将来手にしたい収入の2割に相当するお金を、読書や研修など自分への投資として使いました。
当時の会社員の収入からすると決して楽な金額ではなく、食費や生活費などもギリギリでした。
でも、そうしてきたからこそ現在の結果があると私は確信しています。
事業を起ち上げて収入が会社員時代の10倍になった今でも、さらに大きな目標を達成するため、
毎日ハードワークしていますし、金銭的な負荷もギリギリまで掛けています。
成果をつくるのに、近道や特別な方法は無い。
当たり前のことを、愚直に、実践しつづけるという心構えは、昔も今も変わらないのだと改めて学びました。
本多氏の哲学が満載で、ぜひ多くのビジネスパーソンにも読んでいただきたい1冊です。
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