【本】弱さをさらけだす勇気(後編)
こんにちは。権藤優希です。
前回に引き続き、松岡修造(まつおか しゅうぞう)さん著書、
“弱さをさらけだす勇気”
を紹介します。
※前編はこちら
前編では、弱さは決して悪いものではなく、自分を変えるきっかけ、あるいは成長や向上しようとする意欲の源になるという松岡さんの考えをお伝えしました。
後編では、自分の心の弱さとどう向き合っていけばよいか、松岡さんやトップアスリートの具体例から学んでいきます。
ありのままの自分を出す
2016年リオデジャネイロオリンピック。
400メートル個人メドレーで金メダルを獲得した、競泳の萩野公介(はぎの こうすけ)選手。
萩野選手は、松岡さんに「心の弱さを人に見せたくない、という思いがありました」と話したことがあったそうです。
そんな萩野選手の心の動かしたのは、当時コーチをしていた平井伯昌(ひらい のりまさ)さんの、
『弱い自分もどんどん出していいんだぞ。ありのままの自分を出していけ』
という言葉。
迎えたオリンピックの選考会で、萩野選手は「めちゃくちゃ緊張している」と、あえて平井コーチに告げます。
自分の弱さをさらけ出すことで緊張がほぐれ、好タイムを記録することができたといいます。
弱さと強さの出し入れ
オリンピック2大会連続で2種目の金メダルを獲得したトップ選手です。
出典:Kosuke Kitajima Official Site | Facebook
大会前にケガや不調で苦しんでいたときにも「大丈夫、絶対いけます」と、自らを強気の言葉で鼓舞する北島選手。
松岡さんは、そんな北島選手を見て、とてつもなく強いメンタルの持ち主なんだろうなと思っていたそうです。
ところが、意外にも北島選手は、
『修造さん、僕はそんなに強いわけじゃないんですよ』
と打ち明けています。
このとき、松岡さんは弱さのさらけ出し方について、次のような気づきを得たといいます。
つまり、弱さを出していいときと、出してはいけないときがある。北島さんの場合は、「弱さを出してもOKなときだ」「いまは弱さを出しちゃいけない」という判断を、意識的にしていたと思います。(本書p132より)
自分をさらけ出す言葉も選んでいたと思います。(中略)
たとえば、大事な試合の前に「すごく緊張しています」と言うのは、弱さを出しているというよりも、自分の心を正直に言っているのだから悪いことではありません。でも、「どうせ自分は勝てません」と口にしたら、メンタル面で大きなマイナスになってしまいます。(本書p133より)
いつも強がって気を張りつめていたら、どこかで疲れてしまうかもしれません。
適切なタイミングと適切な言葉で、弱さと強さを上手く出し入れすることが秘訣のようです。
挫折を乗り越えて強くなる
松岡さんも、現役選手のときに2度のケガと大きな病気を経験されました。
しかし、度重なる試練を克服した結果、ウィンブルドンのセンターコートに立つことができたのです。
そして、ご自身が試練をどう受け止め、気持ちをどう切り替えればいいかを学んだことが、テニスの指導に役立っていると仰います。
私も、学生時代に野球の試合でエラーをしたことや、大学受験に失敗したことから、「自分はここぞというときに弱いんだ」と思っていました。
しかし、事業を通じてメンタルを鍛えてきた体験から、拙著 “心が強い人のシンプルな法則” にて、
『心は折れていい。心が折れたあとに回復してきた経験がメンタルの強さだ』
と申し上げました。
心が折れないことが強さなのではありません。
心が折れる経験をたくさんして、それを乗り越えていくことが強さだと感じています。
だからこそ、弱さは自分を成長させる第一歩という、松岡さんのメッセージの重みが身にしみてわかります。
弱さと上手くつき合い、新しい自分に変わる勇気をもたらしてくれる貴重な一冊でした。
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