権藤優希の読書手帖

株式会社シーマネジメント代表、「ごん×櫻井のモテモテ塾」主宰を務める傍ら、読んだ本を中心に日常を書いています。

【本】ユナイテッドアローズ 心に響くサービス(後編)

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引用元: https://www.amazon.co.jp/dp/4532313058

 

こんにちは。権藤優希です。


以前「ユナイテッドアローズ 心に響くサービス」という本を紹介しました。

gonbook.hatenablog.com

今回はその続きと、感想を述べたいと思います。

 

前回は、顧客満足を最優先に掲げるユナイテッドアローズの経営理念についてお伝えしました。
さて、その理念を具体的に実践するのは、お店で働くスタッフです。

著者の丸木氏の取材によると、一般的なアパレルの志願者は、デザイン、企画、バイヤーなどの職種を望む人が多いそうです。
しかしそれは狭き門であるため、「とりあえず」の気持ちで販売職になる人が多く、店舗におけるモチベーションは低い傾向があるといいます。

そんな中、ユナイテッドアローズの販売員の多くが、最前線で質の良い接客サービスを提供できるのはなぜか。
著者はその要因として、現場に理念を浸透させるための経営陣の努力と、一流の販売員を育てるための仕組みを挙げています。

 

顧客満足を実現させるために、実際にはお店のスタッフが生き生きと働くこと、すなわち従業員満足を同時に果たさなければなりません。
経営陣は販売の第一線こそが最も重要と考え、全国各地の店舗に何度も何度も足を運びます。
そして店長や販売員に理念の大切さを説きながら、密なコミュニケーションを取ることを繰り返しおこなってきたそうです。
店舗のスタッフは経営トップと直接会話をすることで、自分たち販売員がいかに大切にされているかを感じ、より意欲的に仕事に取り組むようになるといいます。


この、販売員こそが重要という考え方は採用の段階から一貫しており、同社は「販売職を一生の仕事と考え、販売のプロを目指す人材を採用する」という方針を明確にしています。

入社する人のほとんどが、客としてお店を訪ねたときの感動体験があるといい、
『お店での接客がよかったから』
『自分もあのような販売員になりたい』
という志望動機をもった、採用方針にマッチした人が集まることにつながるそうです。


そして前回の記事にも書きましたが、接客マニュアルはありません。
店舗での接客の際、販売員は経営理念にもとづいて自ら判断し、行動することが求められます。

そこで同社の研修では、ディスカッションやロールプレイ、フィールドワークなどにより、自主性とチームワークを養うことに重点をおきます。
プレイヤーとして主体的に行動することが、自分の可能性に自分で気がついて、やる気を引き出すことにつながります。
そうして培われた自主性が、型にとらわれない接客に活かされるのだそうです。

 

いくつもの気づきがありましたが、私は本書を読んで、目の前の人のお役に立とうと懸命に心を砕く姿に、人は感動を覚えるのだなとますます思うようになりました。

接客に限らず、人と人との関わりに画一化された正解はないですよね。
良かれと思ってやったことが、思いがけず相手の気を損ねてしまうことだってあるでしょう。
私も、たくさんの人とお会いして、人の気持ちを理解して受けとめられるように努力をしてきました。

お客様も大切にするし、一緒に仕事をする人のことも大切にする。
いつもそう心がけている仲間とともに仕事ができることを、私はとても誇りに思います。