【本】新幹線お掃除の天使たち(後編)
こんにちは。権藤優希です。
前回に引き続き、遠藤功(えんどう いさお)さん著書、
“新幹線お掃除の天使たち - 「世界一の現場力」はどう生まれたか?”
を紹介します。
※前回はこちら
前編では、新幹線の車両清掃を請け負う会社「テッセイ」の現場からうかがえる、従業員の仕事に対する意欲や自発性についてお伝えしました。
後編では、テッセイの現場力を生み出す会社の取り組みについて見ていきましょう。
現場を変えた二人の経営者
本書では、矢部輝夫さん(元専務取締役)、柿崎幸人さん(元取締役東京サービスセンター所長)という、テッセイを大きく変えた二人の人物が紹介されています。
かつてのテッセイはパート従業員の比率が多く、肉体的にもハードな仕事であることから、評判はあまり良くなく、離職率も高かったといいます。
JR東日本からテッセイに異動してきたお二人は、
・現場と経営陣との距離が遠く、一体感がない
・従業員はとても真面目。だから、会社が変われば従業員ももっと元気になる
と感じ、テッセイを単なる「清掃の会社」から「おもてなしの会社」へ変えようと決意されたそうです。
そして、従業員が働きやすくなるための環境整備、パートから正社員になるための大幅な条件緩和、従業員の取り組みを褒める「エンジェル・リポート」など、現場の従業員を主役としたさまざまな取り組みを進めます。
初めのうちは、当時の経営陣や現場の主任たちに受け入れてもらえないこともたくさんあったそうです。
それでもお二人が粘り強く意義を語り続けた結果、少しずつ会社の雰囲気が変わっていったといいます。
清掃の会社なのだから、清掃だけをきちっとやればいい。お辞儀やお客さまへの声掛けは私たちの仕事ではない。
中には、そう思う人がいても不思議ではありません。(中略)
しかし、「自分たちの仕事は清掃だけではない。お客さまに気持ちよく新幹線をご利用いただくことだ」とみんなが理解し、納得したときに、テッセイの現場は大きく変わり始めました。(本書p25~p26より)
会社が現場をリスペクトするからうまくいく
ごく普通の清掃会社だったテッセイは、約7年の取り組みを経て、国内ビジネス各誌や海外メディアに「最強のチーム」として取り上げられるようにまでなりました。
平均年齢も高く、パート従業員が中心だったテッセイは、なぜ大きく変化したのか。
著者の遠藤さんは、次のように分析されています。
テッセイでは、矢部さんや柿崎さんをはじめとする経営陣、管理職たちの、現場をリスペクトする心、気持ちが、現場に伝わり、浸透しています。「現場こそが主役であり、価値を生み出す源泉だ」と信じ、尊重する姿勢がなければ、現場の輝きなど生まれようもありません。
(中略)
リスペクトを感じた現場は、実行主体としてのプライドをもち、意欲的に仕事に取り組み始めます。よりよくするための知恵やアイデアも、プライドから生まれてきます。
(中略)
強い現場、輝く現場に共通するのは、自主性、自発性、自律性です。これらを生み出し、定着させるために不可欠な要素が、リスペクトとプライドなのです。(本書p187~p188より)
感謝を伝える
私も現在、さまざまな事業に取り組んでいます。
昨今の情勢の変化においても安定して経営ができているのは、現場の最前線に立っている会社のスタッフの働きのおかげです。
スタッフは皆、各々が将来的に独立しようという気持ちを抱いているので、主体性がとても高く、信頼できる人たちばかりです。
本書の「エンジェル・リポート」の話で、よいことをした人を褒めるだけでなく、「よく褒めた人を褒める」、「やって当たり前のことをやった人をも褒める」というのが特に印象的でした。
私はスタッフの皆にいつも感謝を伝えていたつもりですが、本書を読み、改めてリスペクトの気持ちを伝えようと思いました。
そして、何より私自身が10年先を見据えたチャレンジをして、結果をつくることで明かしていきます。
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【本】新幹線お掃除の天使たち(前編)
こんにちは。権藤優希です。
今回紹介する本は、遠藤功(えんどう いさお)さん著書、
“新幹線お掃除の天使たち - 「世界一の現場力」はどう生まれたか?”
です。
株式会社シナ・コーポレーション代表取締役。
元・ローランド・ベルガー日本法人会長。
2004年にビジネス書評誌「TOPPOINT」で1位を獲得し、32刷を数えるロングセラーとなった著書「現場力を鍛える」など、有名な著作が多数あります。
さまざまな企業の現場を300カ所以上訪問され、「現場こそ競争力である」という信念を伝えていらっしゃいます。
本書は著者の遠藤さんが、鉄道整備株式会社(現 株式会社JR東日本テクノハートTESSEI)、通称「テッセイ」の現場を何度も訪れて、テッセイについてお聞きになった内容をまとめたものになっています。
前編では、テッセイのスタッフの取り組みを承認する「エンジェル・リポート」の内容から、印象に残った項目をいくつかピックアップします。
7分でピカピカに掃除する
テッセイの主な業務は、新幹線の車両清掃。
東京駅で折り返す新幹線を、1チーム22人のスタッフで、わずか7分でピカピカに片づける「世界最速の ”魅せる清掃”」として、国内外で注目を集めます。
7分の間に求められる作業は多岐にわたりますが、中でも重要なのがトイレ。
車内全体の清掃に慣れ、熟練してきたスタッフがトイレ清掃を任されるのだそうです。
テッセイで16年間働き続けているスタッフの方は、こう話します。
多少、自分の手が汚れることがあっても、便器がピカピカになればそれでいいのです。
(中略)なんとか直したいという気持ちが大事なんです。
(中略)この仕事を続けるうちに「どんなに汚れていてもピカピカに戻す」という気持ちがどんどん強くなってくるんでしょうね。(本書p50より)
ひどく汚れていたり、詰まっているトイレも、私たちの見えないところで誰かがきれいにしてくださっているのですね。
自分で役割を見い出す
テッセイのスタッフの素晴らしさは清掃だけではありません。
ホームで新幹線を待つお客さまや降車するお客さまへ、必ず一礼をされます。
(私も新幹線を利用したときに、スタッフの方々が一列に並んで深々とお辞儀をされる姿を見ました。)
また、あるスタッフの方は、目の不自由なご年配のお客さまを案内したとき、「先月もあなたに乗車位置を教えてもらったんです。声で思い出しました。」と、お客様から感謝を伝えられたといいます。
さらに別のスタッフの方は、ホームに入線する新幹線に向かって小さな子供が駆け寄ってきたときに、自分の体を前に出して子供を受け止め、転落を防いだそうです。
ぼんやりしていてはいられません。ただお掃除さえしていればいいのではないのだと、そのとき実感しました。
私たちの仕事は、お客さまの命を預かっているのです。(本書p120より)
スポットライトが当たるとは限らない仕事であっても、自分たちの役割を自ら見い出し実行に移される姿には、ただただ敬服するばかりです。
与えられた役割だけでなく、自分たちに何ができるのか、各自が考えて行動される姿勢が、テッセイの現場力の源なのだと私は感じました。
トイレをきれいにするということ
一見、掃除は地味な仕事と思われがちで、さらにトイレとなると進んで掃除をしたいと思う人は少ないかもしれません。
しかし、松下電器(現 パナソニック)の創業者である松下幸之助も、そして私がお世話になっているアースホールディングス代表取締役社長の國分利治さんも、トイレをきれいにすることが経営に必要なメンタルを養うと仰います。
私のメンターも、トイレをきれいに使うというテーマだけで何時間も講演をされたことがあるくらい、トイレは重要な場所です。
経営者が集まる場では、お借りしている会議場のトイレをスタッフの方が一生懸命掃除されているのを見かけて、私も心温まる思いがしました。
もちろん私も、年末は自宅やプロデュースしているお店の大掃除をスタッフたちと一緒にしましたので、トイレはピカピカです。
次回、後編では、テッセイの現場力はどのようにして生み出されたのか、会社の取り組みについて学びます。
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【本】わかりあえないことから - コミュニケーション能力とは何か(後編)
こんにちは。権藤優希です。
前回に引き続き、平田オリザ(ひらた おりざ)さん著書、
“わかりあえないことから - コミュニケーション能力とは何か”
を紹介します。
※前編はこちら
前編では、
・現代社会で求められる2つのコミュニケーション能力には相反する点がある
・その理由は、「わかりあう」ことを目標とするのか、「わかりあえないけど、共有できる部分を見つける」のかで、コミュニケーションの前提が違うから
という著者の考えをお伝えしました。
では、私たちはコミュニケーションにおいて、具体的にどのようなことに気をつければよいのでしょうか。
話し手はどんなつもりでその言葉を使っているのか
本書の第7章で、著者はクイズと称して非常に興味深い例を示しています。
一部を紹介しましょう。
小学校1年生の子供が、学校から嬉しそうに走って帰ってきて、親に次のように言ったとします。
『お母さん、お母さん、今日、僕、宿題やっていかなかったんだけど、田中先生、全然怒らなかったんだよ』
もしあなたが親だとしたら、子供に何と答えますか。
ヒントは、子供が 「嬉しそうに走って帰ってきた」ことだと著者はいいます。
この子供が本当に親に伝えたかったことは何でしょうか。
嬉しそうに走って帰ってきてまで、
「宿題やらなかったのに、怒られなくて儲かっちゃったよ」
ということを親に伝えたいひねくれた小学校一年生はあまりいない。おそらくその子が、走って帰ってきてまで伝えたかったのは、
「田中先生は優しい」
「田中先生が大好き」
という気持ちだろう。(本書p176より)
子供が伝えたかったのは、田中先生のことが大好きであるという気持ち。
親は、いきなり「宿題はやらなきゃだめでしょう」と言うのではなく、子供の気持ちをちゃんと受け止めて、「田中先生は優しいね、でも明日は怒られるかもよ」と答えるのが望ましいようです。
コンテクストを理解する
話し手がどんなつもりでその言葉を使っているかを、コンテクストというそうです。
先の子供の発言を表面的にとらえると、宿題の話だと思ってしまいます。
しかし、子供のコンテクストを理解すれば、先生に対する気持ち、つまり子供が本当に伝えたかったことにたどり着きます。
コンテクストの重要性は親子に限りません。
例えばホスピスなどの終末医療において、医療従事者たちには、病気を抱え不安を訴える患者やその家族の気持ちをくみ取ることのほうが、薬や治療について詳しく説明することよりも求められるのだそうです。
小さな子供と親。
患者と医師。
表現力に差があったり立場が異なるなど、わかりあえない人どうしのコミュニケーションだからこそ、相手のコンテクストを理解することが大切だといいます。
著者は、社会のリーダーや教育者には、子供など表現が未熟な人のコンテクストをくみ取れる人になってほしいと強調しています。
私は(中略)、論理的に喋る能力を身につけるよりも、論理的に喋れない立場の人びとの気持ちをくみ取れる人間になってもらいたいと願っている。(本書p183より)
「話を聞いている」という姿勢を示す
私も仕事で成果を上げるために、コミュニケーションにおいては、ものごとを前進させることを心がけています。
相手が望んでいることは何なのか。
自分がどのように働きかけたら、お互いに成果に効果的な行動に着地するのか。
そう考えると、確かに相手の言葉の背景にある気持ちや意図をくみ取ることが重要ですね。
場合によっては、最初から相手の意図を完璧にくみ取ることは難しいかもしれません。
まず第一歩として、相手の話を聴いているときにうなずいたり、相手の話をそのまま繰り返す「オウム返し」をすることで、「あなたの話を聴いていますよ」というサインをわかりやすく出すことから始めてみてはいかがでしょうか。
人間関係に終わりはありません。
著者の「コミュニケーションの楽しさは、わかりあえないところからスタートして、少しでもわかりあえたときの喜びにあると思う」という言葉は、胸に強く刻まれました。
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【本】わかりあえないことから - コミュニケーション能力とは何か(前編)
こんにちは。権藤優希です。
今回紹介する本は、平田オリザ(ひらた おりざ)さん著書、
“わかりあえないことから - コミュニケーション能力とは何か”
です。
戯曲『東京ノート』、小説『幕が上がる』など数々の受賞作品を生み出された劇作家・演出家であり、複数の大学で教授を務められます。
国際基督教大学在学中に劇団「青年団」を結成され、現在に至るまで国内・海外で多数の公演実績をお持ちです。
本書は2012年の発行以来、14万部の売上を誇るロングセラーです。
俗に言う「コミュニケーション能力」とはいったい何なのか。
演劇や教育に長く携わり、現代日本語に造詣が深い著者の視点から論じられています。
相反する2つの能力
著者は、日本企業が求めるコミュニケーション能力には、次の2つがあると主張されています。
(1)
異なる文化や価値観を持った相手に対して、きちんと自分の主張を伝えつつ、相手の背景を理解して、お互いの妥協点を導き出せる能力(異文化理解能力)。
(2)
「上司の意図を察する」「反対意見は言わない」「輪を乱さない」という、従来の日本社会における「空気を読む」能力。
きちんと自分の意見や考えを表明できる人材を求めている反面、日本の文化や教育方針は、周囲と足並みを合わせ、同調することに重きが置かれてきた。
求められている2つのコミュニケーション能力には相反する要素があると述べています。
前提は「わかりあえない」からスタート
2つの能力に相反する点がある理由は、コミュニケーションの前提が違うから。
(2)のコミュニケーションは、お互いが「わかりあう」ことをゴールとします。
「察する」「空気を読む」「一致団結」などの言葉には、価値観をひとつに合わせるという方向性が含まれているといいます。
一方、(1)の異文化理解能力は、さまざまな人種や宗教が混在する海外諸国で多く見られる、「もともと価値観が違うのだからわかりあえない。でも共有できる部分を見つけていこう」という前提です。
心からわかりあえることを前提とし、最終目標としてコミュニケーションというものを考えるのか、「いやいや人間はわかりあえない。でもわかりあえない人間同士が、どうにかして共有できる部分を見つけて、それを広げていくことならできるかもしれない」と考えるのか。
「心からわかりあえなければコミュニケーションではない」という言葉は、(中略)心からわかりあう可能性のない人びとをあらかじめ排除するシマ国・ムラ社会の論理が働いてはいないだろうか。(本書p208より)
異文化理解能力は、異国の人との交流に限らず、私たちの日常生活においてもコミュニケーションの摩擦を減らす可能性があるのではないのでしょうか。
著者は、「わかりあえない」ことから始めるコミュニケーションの大切さを、教育を通じて伝えていく必要性を説かれています。
異なる価値観と出くわしたときに、物怖じせず、卑屈にも尊大にもならず、粘り強く共有できる部分を見つけ出していくこと。ただそれは、単に教え込めばいいということではなく、おそらく、そうした対話を繰り返すことで出会える喜びも、伝えていかなければならないだろう。(本書p105より)
相手の理解に努める
私は本書を読み、「わかりあえないことから」というタイトルに込められたコミュニケーションの意義を学び、視野を広げるきっかけとなりました。
わかりあう、わかりあえない、どちらが正しいとか間違っているとかではありません。
ただ、わかりあうことだけをゴールとしてしまうと、わかりあえないことを否定的にとらえてしまい、視野が狭くなる可能性を著者が指摘されているのには、ハッとさせられました。
価値観は人それぞれ。
だから、私はたくさんの人との出会いにおいても、まずは相手の理解に努めていこうとあらためて心に留めました。
最後に、私が尊敬する大嶋啓介さんの言葉を以下に引用して、前編を終えたいと思います。
深い井戸ほど湧き出る水は清い
「何度言ってもわかってくれない」「なかなかやる気になってくれない」そんな人ほど、井戸が深いだけ。信じてあきらめず掘り続けていけば、必ず清い水が湧き出てくる。
後編では、著者が述べるコミュニケーション能力を、別の観点から見ていきます。
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【本】いつかすべてが君の力になる(後編)
こんにちは。権藤優希です。
前回に引き続き、梶裕貴(かじ ゆうき)さん著書、
“いつかすべてが君の力になる”
を紹介します。
※前編はこちら
前編では、著者が声優として初の主役を射止めるまでのエピソードと、どんな経験も無駄にはならないという信念をお伝えしました。
後編では、本書からうかがえるプロフェッショナルとしての価値観に焦点を当てます。
期待以上の仕事で応える
プロの声優として最前線で活躍されている現在も、納得のいく演技ができるようになるまで、試行錯誤の日々なのだそうです。
また、役を勝ち取ろうとがむしゃらに汗をかくルーキーたちと限られた枠を争うため、声優に ”安泰” はないといいます。
著者は、選ばれ続けるために、つねに期待を上回る演技で応えることを大切にされています。
演じさせていただける役がある。
声優・梶裕貴を求めてくださる方がいる。
チャレンジし、その結果選んでくださった方がいらっしゃる以上、僕にはそれを全うする責任があります。(本書p114より)
最高の結果にこだわる
著者にとっての恩師にあたる、音響監督・三間雅文(みま まさふみ)さんの特別インタビューが、本書巻末に掲載されています。
三間さんは『ポケットモンスター』『進撃の巨人』など多数の人気作品を手掛けられている、音響監督のプロフェッショナルです。
(参考:音響監督 三間 雅文|有限会社テクノサウンド Techno Sound Inc.)
インタビューでは、数々の作品を共にされた三間さんが感じた、梶さんの変化とプロ意識が次のように語られています。
梶さんの最初の印象は、とにかく ”すごくまじめな方” 。ちゃんと家で練習してきたものを、現場で出そうとする。でも、それだとすでに自分の中での演技が出来上がってしまっているから、現場で監督や演出のやりたいことを反映する余地がないんですね。
(中略)
初期はかなりボコボコに指導させていただきました。相当イライラされていたと思いますよ。
でも続けていくうちに、「くそ、次こそやってやる!」という目に変わってきた。
(中略)
今の梶さんは、あらかじめ準備してきた上で「監督はどういうことをやりたいんですか?僕はそれをやりますから、なんでもオーダーしてください」と、しっかりこっちを向いた姿勢になっていますね。(本書p161より)
プロとしてお互いに妥協せず、最高の作品をつくることにベストを尽くす。
仕事の結果にこだわるお二人の姿勢は、私の心にも強く刻まれました。
責任とは、自分から取っていくもの
さて、梶さんのメッセージに、”責任” という言葉がありました。
皆さんは、責任と聞いてどんなことを思い浮かべるでしょうか。
もしかしたら、「プレッシャー」や「負わされる」など、ややマイナスなイメージを持たれた方もいらっしゃるかもしれません。
私が監修した飲食店のオーナーを務める経営者は、
・最後までやり抜く
・他人のせいにしない
・どんな結果になっても、自分の選択の結果だと受け入れる
ことが、責任の要素だと話していました。
彼の他にも、私がいま経営を共にする大切な仲間がたくさんいます。
大げさに聞こえるかもしれませんが、私は仲間の人生を預かっているという覚悟をもっています。
私自身が最大限のチャレンジをすることで結果をつくり、また共に仕事をする仲間が結果をつくるまで、私が結果をつくる姿をすぐそばで見せ続けること。
それがいまの私にとっての責任だと思います。
責任とは、負わされるものではなくて、自分から掴み取っていくもの。
声優になるという夢を描いたときから、第一線で活躍されている現在でも試行錯誤を繰り返す著者のように、自らが選んだことを正解にしようと努力を続けているときに、『いつかすべてが君の力になる』のではないでしょうか。
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【本】いつかすべてが君の力になる(前編)
こんにちは。権藤優希です。
今回紹介する本は、人気声優・梶裕貴(かじ ゆうき)さん著書、
“いつかすべてが君の力になる”
です。
声優事務所「ヴィムス」所属。
『進撃の巨人』エレン・イェーガー役、『七つの大罪』メリオダス役など、有名な作品の主要キャラクターを数多く演じていらっしゃいます。
2012年、2013年に「声優アワード」主演男優賞を2年連続で受賞。
声優という仕事の魅力を伝えるため、イベントや舞台にも出演され、幅広くご活躍中です。
本書は、主に中学生を対象とした「14歳の世渡り術」シリーズの1冊です。
著者が声優を志すようになったきっかけから、プロフェッショナルとしての職業観まで、等身大の言葉で語られています。
夢を持ち、ピュアな気持ちでひたむきに努力を積み重ねられた著者の体験談は、私たち社会人の心をも揺さぶるのではないでしょうか。
なにごとも全力で頑張ったことが、すべて力になる職業
幼いころは恥ずかしがり屋で人見知り、でも好奇心は人一倍旺盛だったという著者。
サッカー選手、マンガ家、科学者など、将来の夢をいくつも持っていたそうです。
そんな中、中学2年生のときにあるきっかけから声優を志します。
「声優とは、なにごとも全力で頑張ったことが、すべて自分の力になる職業」
テレビで聞いたのか、それとも本で読んだのか、今となっては細かいことは思い出せないのですが、その言葉に触れたとたん、雷に打たれたような衝撃を受けたのを覚えています。(本書p32より)
これまでに努力したことのすべてが役に立つ「声優」という職業を知り、高校生のときに倍率900倍のオーディションに合格、声優の養成所に通い始めます。
壁を乗り越える
はじめは、声優として大きな仕事が入ることがほとんどないまま、アルバイトをしながら養成所のレッスンを受ける日々が続いたそうです。
不安と焦りが募る中、あるアニメの主役オーディションの話が著者のもとに舞い込みます。
絶好のチャンスと意気込むも最終選考で落選し、いままでにないほどのショックを受けたと明かしています。
それでも自らを奮い立たせ、2007年にテレビアニメ『Over Drive』のオーディションに合格し、主役の座をつかみ取ることになります。
結果的に、そんな苦しい時代を経験したことが、今でもこの業界で戦い続けていられるモチベーションにつながっているのではないかとも思います。(中略)
もし最初からトントン拍子で軌道に乗ってしまっていたら、仕事に対するハングリー精神が弱く、壁にぶつかったとき、簡単に声優の道を諦めてしまうような自分になっていたかもしれませんしね。(本書p77より)
諦めずに何度でも立ち直る著者の姿には、心を打たれました。
経験が誰かの背中を押す
私は著者の次のメッセージに強い共感を覚えます。
『経験が引き出しになる』というのは、なにも声優を目指している人だけに限ったことではありません。形は違えど、ほかのどんな職業にも当てはまることだと思います。(本書p44より)
色々な経験を積んでいる人って、どこか格好いいし、話を聞いていても面白くないですか?それは、沢山の経験の積み重ねが色気や深みとなって、その人からにじみ出ているからだと思います。どんなネガティブな経験も、それぞれの人生において無駄なことなど、なにひとつないんです。(本書p104より)
私も、今でこそ出版や店舗経営などさまざまな事業に取り組む機会に恵まれていますが、悔しい経験、つらい経験もたくさんしてきました。
学生時代で言えば、野球で自分のエラーにより逆転負けをしたり、大学受験に失敗したり…。
週末起業を始めた頃は、節約のため醤油で味付けしたパスタしか食べられなかったり、限界まで頑張りすぎて、2日連続で寝坊して会社に遅刻したり…。
あるいは、大切な仲間と別の道を進まなければならないときもたくさんありました。
苦しい思いをしている最中は、壁にぶつかった経験が後になって役に立つなどとは考える余裕もなかったです。
しかし、自分が経験しているからこそ、同じ経験・同じ気持ちを味わっている人に出会ったとき、心から共感して寄り添うことができると思います。
自分の体験や経験が、ときに周りの人の背中を押すプレゼントになり得ることを、身をもって学んできました。
たくさんの経験があるということは、多くの困難を乗り越えてきた分厚いハートを持っている証拠。
幾多の試練をくぐり抜け、声優になるという夢を叶えた著者のメッセージに力強さを感じました。
続きは、後編にてお伝えします。
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【本】斎藤一人 男を上げる女 女を上げる男(後編)
こんにちは。権藤優希です。
前回に引き続き、斎藤一人(さいとう ひとり)さん、舛岡はなゑ(ますおか はなえ)さん共著、
“斎藤一人 男を上げる女 女を上げる男”
を紹介します。
※前編はこちら
前編では、著者のお二人が述べる「魅力的な男性・女性」の要素をお伝えしました。
後編では、男性・女性という枠を超えて、人として幸せになるために大切な「人やものの見方」に注目しましょう。
「どうとらえていくか」を磨く
舛岡さんは、女性の社会進出が盛んな今の時代を「女性が一歩先を歩いて、男性を引き上げていく時代」と表現しています。
一歩先を行く女性の特徴として、男性のいいところをほめて伸ばすことを挙げており、またほめることの価値を次のように仰います。
言葉をうまく使って、相手をほめてみてください。
仕事がうまくいかなくて落ち込んでいる人には「仕事に関して責任感があるのね」。
集中力がない人には、「いろいろなことに興味があっていいよね」。
細かいことにこだわり過ぎる人には「繊細なところが今の仕事に向いているのよ」ってね。
(中略)
相手の気持ちを察して言葉をかけたとき、あなたの女っぷりが格段に上がり、男の人を引き上げることができるんですよ。(本書p96~97より)
ほめることは相手にプラスの影響を与えるだけでなく、自分にも巡り巡って返ってきます。
さらに、ある出来事を「どう見て、どうとらえていくか」という解釈のトレーニングにもなります。
ものごとをポジティブに解釈できるようになると、周囲の見え方が一気に変わるのではないでしょうか。
他人の幸せを喜ぶ
お金を稼ぐ重要性を一人さんが説いていることは、前編でもお伝えしました。
高額納税者番付のトップであり続ける一人さんは、「お金を持とうと思ったら、お金に対する観念を変えること」が大切だと仰っています。
特に、自分にとって身近な人がお金を得たときに、よかったねと声をかけることがポイントなのだそうです。
相手の幸せを喜んであげられる人を、神様は必ず見てくださっています。
そしてね、いいことを教えてあげよう。このように身近な人にいいことがあったということは、
「次は、君の番だよ。準備しておいて」という合図なの。
ここで、「よかったね。おめでとう」を言えた人には、同じような幸運がやってきます。
人の幸せを喜べないってことは、まだ準備が足りないという証拠。だから、悔しがったり、ねたんだりしているうちは、幸運は決して訪れないということなのです。(本書p104~105より)
他人の幸せや成功を、まるで自分のことのように喜び、承認する。
視野を広げるうえでとても大切な考え方だと私も思います。
いいところに目を向ける
前述の内容は、男性だけとか女性だけとか、あるいはお金だけに限ったことでは無いですよね。
あらゆる出来事に対して、どの側面に目を向けるかが大切であると本書は気づかせてくれます。
有名な話なのでご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、人間の脳は主語を理解できないそうです。
脳の仕組み上、相手に「おめでとう」と言っているときは、同時に自分に対しても「おめでとう」と言っていることになるのだとか。
だったら、前向きな言葉をどんどん発したほうがいいですよね。
私のメンターは、事業の立ち上げを通じて「相手のいいところを見つけることが職業病になった」と語っています。
私がこの言葉を初めて聴いたときは衝撃を受けましたが、今では私も相手のいいところを見つけるくせが身についていると自負があります。
見方ひとつで、周りの人を、そして自分自身を押し上げていく。
格好いい男性・女性になる秘訣が、本書にはたくさん詰まっていました。
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