権藤優希の読書手帖

株式会社シーマネジメント代表、「ごん×櫻井のモテモテ塾」主宰を務める傍ら、読んだ本を中心に日常を書いています。

【本】斎藤一人 男を上げる女 女を上げる男(前編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

今回紹介する本は、斎藤一人(さいとう ひとり)さん、舛岡はなゑ(ますおか はなえ)さん共著、

斎藤一人 男を上げる女 女を上げる男”

です。



当ブログで何度も紹介させていただいている斎藤一人さん。

銀座まるかん」の創設者であり、日本一の大商人とも称されます。

 

舛岡さんは一人さんのお弟子さんで、多くの著作や講演実績をお持ちの女性経営者でいらっしゃいます。

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出典:斉藤一人 名代 MASUOKA HANAE オフィシャルサイト

 

舛岡さんは20代の頃に喫茶店を経営されていて、たまたま一人さんが舛岡さんのお店を訪れたことが最初の出会いだったそうです。



本書では「男と女」をテーマに、どうすれば魅力的な男性・女性になれるかを、お二人が男性・女性それぞれの立場から語っています。

仕事や人間関係、恋愛や結婚など、多くの人にとって身近に感じられる内容だと思います。

 

前編では、一人さんと舛岡さんが考える「魅力的な男性・女性」について学んでいきましょう。

 

男性は、女性の活躍を押し上げよ

一人さんは、男性はまず第一に仕事をきちんとするべきと明言されています。

 

お金を稼ぐために仕事をしなくちゃいけないんです。

だって、仕事をしてお金を稼がなきゃ、愛する人も、もちろん自分だって幸せにはできないからね。(本書p47より)

 

その上で、どんな男性が女性から見て魅力的に映るのか。

それは、女性が頑張ろうとしていることを応援したり背中を押してあげる、器の大きな男性であると仰います。

 

奥さんがパートで働きたいと言ったら、それを旦那が止めちゃダメだよ。

「家事はきちんとできるのか?オレは手伝わないよ」でなはく、

「社会参加はいいね。できる範囲で、やってごらん。できることはやってあげるから」

と応援するんです。

(中略)

起業したいと言ったら、

「おまえはスゴいね。やりたいことがあるのはいいことだね。応援するからがんばりな。ダメならオレが食わせるから」

こんな言葉を聞いたら、奥さんは惚れ直しちゃうよ。(本書p21~22より)

 

自分は仕事をきっちりしながら、大切な人のことを応援する。

女性を押し上げる存在であることが、惚れられ続ける男性の魅力なのですね。

 

女性の魅力は「つや、キラキラ、笑顔」から

一人さんの教えに大きな影響を受けたという舛岡さん。

最初に教わったことが、見た目をよくすることなのだそうです。

 

女性はキレイになることが仕事なんだから、どんどんキレイになるべきだ。神様はキレイになろうとする人を応援してくれるよ。

と一人さんは言ってくれました。(本書p63より)

 

見た目は男女ともに大切ですが、特に女性は華やかな装いが魅力アップのポイント。

 

・メイクによって肌につやを出す

・キラキラした華やかなアクセサリーを身につける

・いつも笑顔でいる

 

「つや、キラキラ、笑顔」の3点を意識すると、見た目が華やかになり、自然と内面も美しくなると舛岡さんは仰います。

 

顔につやが出ることで、自信を持って人と会えるようになるんです。

不思議でしょ?そして、まわりから大切にされるようになり、気持ちも変わってきます。

“仕事も遊びもがんばろう”という気分になって、不思議なパワーがもらえるのです。(本書p61より)

 

魅力が人生の可能性を広げる

私が主宰するオンラインサロン「モテモテ塾」でも、男女の考え方の違いや「モテ」の本質を学んで、真の魅力を身につけていこうとお伝えしています。

 

見た目を整えたり、コミュニケーションの力を磨いて、たくさんの方の顔つきがガラッと変わっていく様子を、私は何度も見てきました。

塾生の中から結婚に至ったカップルも多く、夫婦揃って仕事に打ち込むなど、お互いを高め合える存在として結ばれることはとても素敵だと思います。

 

また、昨日は私の妻がオーナーを務めるオーガニックショップで、メイク講座のワークショップが開催されました。

妻がビューティーアドバイザーの経験を活かして、より美しく見えるメイクの方法を女性の参加者にレクチャーし、楽しい時間を共有したようです。

 

男性でも女性でも、魅力を高めることはプライベートを充実させるだけでなく、仕事の成果にも直結すると私は思います。

 

そして、本書はちょっとした心がけからでも、私たちに新たな魅力をもたらしてくれる可能性を教えてくれます。

 

後半の内容と感想は、次回の記事でお伝えします。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

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【本】自由。- 世界一過酷な競争の果てにたどり着いた哲学 -(後編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

前回に引き続き、陸上選手・末續慎吾(すえつぐ しんご)さん著書、

“自由。- 世界一過酷な競争の果てにたどり着いた哲学 -”

を紹介します。

 

※前編はこちら

gonbook.hatenablog.com

 

前編では、”やり方ではなく結果にこだわる”というプロとしての考え方を、著者のエピソードを交えてお伝えしました。

 

ところで、著者にとって、結果だけを求めてストイックに走り続けた20代の頃の心情は、メダル獲得という輝かしい実績の裏で、実は穏やかでなかったと打ち明けています。

 

僕は長年にわたり心身ともに限界まで追い込み続けていた。それが日常だった。当時、世界と対等に戦うにはそんな日常が当たり前だった。

だからこそ、自分で自分がおかしいと気がついた時には、すでに心身ともにズタズタになってしまっていた。(本書p2より)

 

北京オリンピック後に3年間の休養を経て、再び陸上競技に復帰。

後編では、新たな競技人生を歩み出したことで変化した著者の人生観に注目します。

 

勝ち負けだけに縛られなくなった

著者が休養を宣言してから9年後、2017年の日本選手権に出場したときのこと。

結果こそ予選で8着と振るわなかったものの、スタンドの観客から大きな拍手と歓声で迎えられ、これまでに味わったことのない幸福を感じたそうです。

 

勝つことだけを追い求めていた20代の頃とは違う楽しさに気づき、勝ち負けという結果だけに縛られなくなった。

そして、走ることが好きという純粋な心のおもむくままに活動できることが、今も走り続けていられる大きな理由のようです。

 

自分に由るから「自由」

なぜ走るのか。

豊かな生き方とは何か。

夢や目標とは何か。

 

著者の価値観を大きく拡げた原体験で最も大切なことは、本書のタイトルに込められていました。

 

夢を夢とするのも、勝ったか負けたかを決めるのも、幸か不幸かも、本当はすべて自分で決められるということ、そしてそれは自分でしか決められないものであるということ。

つまり、すべては「自由」(自分に由る)であるということです。

それが、僕が過酷な競争の日々を経てわかったことです。(本書p178より)

 

人生は、勝ち負けにこだわるか否かも、夢を抱くかどうかも、すべてが自分の選択次第。

世間の常識や一般論に縛られずに、すべてを自分に由ってとらえていくことで新しい世界が広がる、と熱いメッセージで本書を締めくくっています。

 

過去は学びに変える

著者が述べる「自由(自分に由る)」を、私の経験から解釈してみます。

 

・出来事に自分で価値をつける

普段私たちに起きる出来事には、よいこともあれば悪いこともあります。

出来事そのものには意味がなく、自分でその出来事にどんな意味や価値をつけるかによって、のちの行動を効果のあるものに変えることができます。

 

・過去は学びに変えて、今に活かす

特に、チャレンジには失敗がつきものです。

過去は変えられませんから、起きてしまったことは学びとして素直に受け止めます。

そして、原因や改善点を把握したら、素早く切り替えるようにしています。

 

最後になりますが、勝ち負けだけがすべてじゃないと言えるのは、世界で戦って結果を出した著者が言うからこそ言葉に重みがあると思いました。

大きな目標に向かって道半ばの私が言えることではありません。

まず、目標という名の山を登りきるまでは、成果を作ることにこだわって、毎日ベストを尽くしていきます。

 

理想の山を登りきったとき、はたして私自身どんな気持ちになるのでしょうか。

 

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【本】自由。- 世界一過酷な競争の果てにたどり着いた哲学 -(前編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

今回紹介する本は、陸上選手・末續慎吾(すえつぐ しんご)さん著書、

“自由。- 世界一過酷な競争の果てにたどり着いた哲学 -”

です。

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出典:末續慎吾オフィシャルブログ「SUETSUGU WORLD」 Powered by Ameba

 

2003年世界陸上パリ大会 200m 銅メダル。

2008年北京オリンピック 4x100mリレー 銅メダル(※2017年に銀メダルに繰り上げ)。

世界大会における短距離種目で日本人初のメダリストとなり、多くの方がご存じかと思います。

 

休養期間を経て、2017年に陸上競技に復帰。

40歳になった今も現役選手でありながら、後進指導、講演会、イベントなど精力的に活動され、スポーツの価値を伝えていらっしゃいます。

 

初の著書となる本書では、勝負の世界を戦い抜いてきた著者の人生観が、飾らない語り口調で綴られています。

どこまでも理想を追い求める姿がうかがえ、共感できることがたくさんありました。

 

前編では、著者の考える「根性とプライドの正しい持ち方」にフォーカスしてみましょう。

 

負荷と助力のバランス

ある若い選手が、著者の指導を受けてバク転ができるようになった、というエピソードが紹介されています。

 

はじめ、この選手は何度も何度も自分一人でバク転にトライするのですが、恐怖心からなかなか上手くできなかったそうです。

そこで、著者が横に補助として立って身体の一部を支え、徐々に補助を軽くしていきながら、最終的に一人でもできるようになったといいます。

 

努力すること、すなわち負荷をかけることは大前提。

その上で、自分を客観的に見てくれる存在から力を借りることが上達への近道のようです。

 

何か課題に取り組んでいる時って、自分自身でその現状を客観的に100%理解するのはとても難しいことだよね。(中略)

ほとんどの人に言えることだが、何かを上達しようとしている時に、知らず知らずのうちに負荷ばかりに目を向けてしまう傾向がある。

自分が負荷でなく助力を必要としている段階であってもだ。(中略)

やっている最中って助力を意識することは意外に忘れがちなんです。(本書p85~p86より)

 

著者自身も年齢を重ねたことで、20代の頃とは異なるトレーニング方法を模索しているといいます。

そのため、陸上に限らずさまざまな種目のコーチを付けて自分の走りを客観的にチェックしてもらい、フォームや練習法について助言をもらうのだそうです。

 

自分だけで答えを決めつけない

ただし、力を借りる前にとても大切なことがあると、著者の経験から次のように語っています。

 

何か課題に取り組む時って、何でも一度自分でやってみることが基本だ。(中略)

そして、その次に「誰か」に聞いてみる。より深い情報も収集してみたりする。

ただ、この段階でもまだ答えを「決めつけない」ことが大事。(本書p87~p88より)

 

何事も経験することが大事なのに、失敗を避けようとする気持ちから、知識や情報ばかりが先行することを危惧しています。

 

僕はよく相談を受ける。(中略)

その中で一番困ることがある。それは相談しにきているのに「何かを決めつけた状態」で話をされることだ。

「何かを決めつけた状態」で話をする人を客観的に見ると、自分に都合よく現実を解釈していて、必要最低限なことさえやっていないことが多い。

また、実際の経験よりも、ネットやSNSの二次情報を頼りに話をしていることも多い。(本書p88~p89より)

 

自分の課題を解決するためには、自分なりの判断基準をいったん横において、教わったことを素直に受け入れられるかが大きなポイントのようです。

 

結果にプライドを持つ

・まずやってみる

・答えを決めつけない、中途半端に自己完結しない

 

というのは非常に大切な要素だと私も思います。

 

私も1年ほど前に、あるきっかけから腹筋を割るという目標を抱げて、週に1度自宅にパーソナルトレーナーを招いてトレーニングを始めました。

 

当たり前ですが、プロのトレーナーからレクチャーを受けるので、お腹がつりそうになるくらい、とにかくキツかったです。

しかし、トレーナーから教わった通りにやることで徐々に腹筋が割れてきて、楽しくなりました。

 

必要な負荷をかけずにすり抜けたり、楽をしようとして自分で勝手にやり方を変えていたら、腹筋を割ることはできなかったかもしれません。

 

トレーナーが教えてきた中で、トレーニングを最も愚直にこなして成果を上げたのは、日本を代表する音楽グループのドラマーの方なのだとか。

やはり、プロとして成果をつくる人は「自分勝手に解釈せず、教わった通りにやる」のですね。

この点は、私自身が事業の立ち上げで教わってきたことでもあり、かつ起業塾で伝えている大切な考え方のひとつでもあります。

 

仕事でもスポーツでも、まずはその道のプロから教わったことをいかに ”そのまま” 実行できるか。

やり方ではなく、結果にプライドを持つことが大切だと感じ取れるのではないでしょうか。

 

次回、後編に続きます。

 

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【本】もしも一年後、この世にいないとしたら。(後編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

前回に引き続き、精神科医清水研(しみず けん)さん著書、

“もしも一年後、この世にいないとしたら。”

を紹介します。

 

※前編はこちら

gonbook.hatenablog.com

 

前編では、

・著者の精神腫瘍医としての心構え

・がんに罹った患者が自らの力で悩みに立ち向かえるよう、対話によってサポートする

ということをお伝えしました。

 

後編では、著者が考える「限りある人生を充実させる生き方」に注目します。

 

前向きに生きる患者の姿

著者が一般の精神科から現在の国立がん研究センターに移られたとき、それまで精神科医として学んできたことがほとんど役に立たず、大きなショックを受けたと打ち明けています。

 

医師としての目標を見失いかけたある日、著者はある20代の男性患者の担当になります。

この男性は、余命わずかであることを知りながら、取り乱したり絶望することもなく、著者や看護師にいつも笑顔で明るく振る舞っていたそうです。

 

病気による不都合を多く抱えながらも、確固たるありようで前向きに生きる男性の姿に、著者は大きく心を動かされたといいます。

 

なければならない(must)でなはく、したい(want)で生きる

著者が多くの診療を通じて患者から学び取ったこと。

 

それは、限りある人生を自分らしく過ごすためには、〇〇でなければならない(must)ではなくて、〇〇したい(want)という自分の心の声に素直に従って生きることだそうです。

 

著者の経験上、多くの人が病気になってはじめて、社会生活における must ばかりを優先して、want に従わずに生きてきたことに気づくといいます。

 

先の男性患者は、残された時間を自らの want に従い、精一杯生きようとしたのかもしれません。

そして著者自身も、心の奥底にある want を探し求めることで、見失いかけていた目標を取り戻すようになったのです。

 

「死を見つめることは、どう生きるかを見つめることだと気づきました」というのは多くの患者さんがおっしゃる言葉ですが、有限を意識することは、「大切な今を無駄にしないで生きよう」という心構えにつながり、人生を豊かにします。(本書p167より)

 

今日を全力で生きる

私は本書を読み、医療という特別な分野で多くの人を支える著者の在り方に感銘を受け、また限りある人生を大切にしようとあらためて思いました。

 

拙著「心が強い人のシンプルな法則」でも申し上げましたが、私は大切な人を病気で亡くしています。

高校の同級生と、そして私の父親です。

 

大切な人を失って、何気ない一日を普通に過ごせることが決して当たり前ではないんだと痛切に感じ、以来私は毎朝「今日も全力で生きよう」と心に誓っています。

 

いま病気であるか否かにかかわらず、どんな人にとっても人生が有限であることを再認識する貴重な一冊でした。

私も、理想の現実をたぐり寄せるため、一日一日を全力で過ごしていきます。

 

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【本】もしも一年後、この世にいないとしたら。(前編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

今回はいつもと違うテーマで、医療に関する本を読みました。

 

精神科医清水研(しみず けん)さん著書、

“もしも一年後、この世にいないとしたら。”

です。

 

国立がん研究センター中央病院・精神腫瘍(しゅよう)科長。

精神腫瘍医とは、がん専門の精神科や心療内科に属し、がんに罹った患者とそのご家族の心のケアをされる医師なのだそうです。

 

本書は、これまでに3,500人以上のがん患者の診療をされてきた著者のご経験と、限りある人生を自分らしく生きるために大切な在り方が、思いのままに綴られています。

 

がんという重い病気と闘う患者の姿からたくさんのことを教えられた、という著者のメッセージに私は心を打たれました。

 

対話により患者の悩みを理解する

著者が第一に心がけているのは、がんに罹った患者がどのような悩みを抱えているかを、対話によって十分に理解することだといいます。

 

がんを宣告された患者は、みな不安や恐れの気持ちでいっぱいだということは想像がつくでしょう。

ですが、その悩みや苦しみ方は100人いれば100通りあると著者は述べています。

 

カウンセリングでは患者との対話を通じて、人生で大切にしてきたことや、がんに罹ったことをどう思っているかなどを、生い立ちから時系列に沿って詳しく尋ねていきます。

そして、患者の悩みを真に理解できたと思ったときに「〇〇さんはこのように悩んでいるのですね?」と伝えるのだそうです。

 

私が伝えた言葉に対して、相手の方がこころの底から「そうなんです!」と言ってくだされば、最初の大切なステップがうまくいったことになります。

なぜなら人は、「自分の悩みを誰かが理解してくれた」と思えたときに、苦しみが少し癒えるからです。(本書p29~p30より)

 

がんと闘っていくためにまず始めに大切なのが、苦しい気持ちを癒すことなのですね。

 

相手の悩みに寄り添い共感するという経験は誰もがあるかと思いますが、著者の目の前にあるのは、”もしかしたら死ぬかもしれない” と恐怖におびえる大切な命。

 

ひとりひとりの患者と向き合う対話に絶対的な正解は存在せず、命懸けの仕事と言ってもいいのではないかと私は感じました。

 

人には悩みと向き合う力が備わっている

また、すべての悩み苦しみを医師が取り除けるわけではないといいます。

最も大事になってくるのが、患者自身が悩みと向き合って新たな現実を歩めるように、医師がサポートすることなのだそうです。

 

「がんになったという事実は変えられないんだ」というあきらめや絶望のような感覚が生まれたとき、その気持ちの裏側では現実と向き合っていくプロセスが始まります。

(中略)

この、様々な喪失を認め、新たな現実と向き合う力を「レジリエンス」と言います。(本書p42より)

 

レジリエンス」とは「元に戻る」という意味を持つ言葉で、いわば悩みと向き合う力のこと。

 

がんの告知によりショックを受けている患者と真摯に向き合い、対話を通じて苦しみを和らげ、悩みの正体を明らかにする。

そして、患者自身が現実を受け入れて、自分の力で悩みと向き合えるよう、寄り添いながらサポートしていきます。

 

決して無理に前向きになろうとしたり、悲しくつらい気持ちを押し込めたりする必要はなく、ときには長い時間をかけながら、心のおもむくままに過ごすことが大切だそうです。

 

私たちには、悩みと向き合う力が自然に備わっているのですね。

本書では、がんに罹って失意の底に沈みながらも、悩みと向き合い乗り越えてこられたさまざまな患者の事例が紹介されています。

私は幸いにも健康ですが、悩みから目を背けたりせずに、自分の課題に真正面から向き合って前進していこうと痛感しました。

 

著者も、多くの患者との対話を通じて人間に備わるレジリエンスの力に気づき、またご自身の生き方にも大きな影響を与えたと語っています。

 

この続きは、次回お伝えします。

 

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【本】「いい人」をやめれば人生はうまくいく(後編)

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こんにちは。権藤優希です。

前回に引き続き、午堂 登紀雄(ごどう ときお)さん著書、

“「いい人」をやめれば人生はうまくいく”

を紹介します。

 

※前編はこちら

gonbook.hatenablog.com

 

前編では、他人に嫌われないことを優先して行動する「いい人」の特徴や、「いい人」が自分をどのように変えればストレスから解放されるか、ポイントをいくつか紹介しました。

 

著者は本書の中で、人間関係、お金、恋愛などさまざまな側面から、「いい人」をやめることで得られる生き方の変化について述べています。

後編では、第6章「再生産」の記述から、自分の内面との向き合い方について見ていきましょう。

 

幼少期の環境が人格に影響する

前編でも説明したように、嫌われたくないという欲求は誰にでもあって、決して悪いものではありません。

 

ただし著者は、「いい人」の傾向が強すぎる親のもとに生まれた子供も「いい人」になる可能性を指摘しています。

基本的な人格は子供のころの家庭環境が大きく影響するため、親が子供にどのように触れ合ってきたかがとても重要なのだそうです。

 

自分の本音に向き合う

かといって、「いい人」になった原因を、いまさら親のせいにしたり外に求めても仕方がないですよね。

 

著者は、自分の本音に向き合う時間をつくることで、無意識のうちに自分を縛っている思考パターンを修正できるといいます。

具体的な方法として、「感情日記をつける」という提案をされています。

 

日記に文字として吐き出すことで、自分の感情や意識を可視化して、冷静に考えやすくなります。というのも、文字として自分から離れた瞬間に、それを客観視できるようになるからです。

(中略)

自分の中にもやもやとした思いがある場合、それは自分と一体なので客観的に捉えることは難しい。それを自分からはがして紙に移すことで、幽体離脱して自分を上から眺めるがごとく、より冷静に客観的に自分の感情と向き合えるようになります。(本書p238より)

 

紙に書くと、自分の捉え方に気づく

紙に書き出す、という作業は私もよくやっています。

ひとつは、今日やるべき仕事をリスト化、タスク化して、確実に終わらせていくためです。

 

そしてもうひとつは、著者の説明にあったように、自分の気持ちと向き合うためです。

 

私も事業の立ち上げを通じて、多くの成功や失敗を経験してきました。

特に失敗が続いたときは、表向きには元気に振る舞いながらも、内心では悔しかったりモヤモヤした気分になったりもしました。

 

そこで「なぜ自分はこんな気持ちになっているんだろう?」と、いまの自分の感情とそう感じた原因を紙に書き出したことがあります。

すると、自分が出来事をどう見ているかに気づき、モヤモヤの正体がわかったことで、気持ちを切り替えられるようになりました。

 

自分の内面に向き合うことで、外界をどう見ているかが浮かび上がってくる。

「いい人」をやめるヒントは、普段のものの見方、出来事に対する捉え方に潜んでいるのかもしれませんね。

 

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【本】「いい人」をやめれば人生はうまくいく(前編)

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こんにちは。権藤優希です。

先日、私は「いつも損してしまう、いい人のために」というテーマで講演会を開催しました。

こちらは現在私が執筆中の4作目の本のテーマでもあります。

 

そこで今回は、共通の話題で深い学びを得られた本を紹介します。

 

午堂 登紀雄(ごどう ときお)さん著書、

“「いい人」をやめれば人生はうまくいく”

です。

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出典:プロフィール|午堂登紀雄オフィシャルサイト「Drivin' Your Life」

 

中央大学をご卒業後、会計事務所や国内大手企業を経て、世界的な外資系企業で経営コンサルタントを務められました。

現在は不動産コンサルティングや教育関連事業などを中心に、お金やビジネスに関する講演や著作も多数手がけていらっしゃいます。

 

本書 “「いい人」をやめれば人生はうまくいく” は、

「いい人」と呼ばれる人にありがちな、人間関係におけるストレスや葛藤を解消し、精神的な自由を得るための指針を示す一冊となっています。

 

まさに私の次回作と共通する内容で、共感できる箇所がありましたので、一部を紹介したいと思います。

 

嫌われたくないという気持ちが人生を窮屈にする

本書でいう「いい人」とは、他人に嫌われないよう、万人に好かれるように行動する人を指すのだそうです。

 

皆さんの周りにも「あの人、いい人なんだけど…」と呼ばれるような人がいるのではないでしょうか。

あるいは、自分のことかも、と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

 

私自身、長男として生まれました。

ゆえに子供のころから「しっかりしなきゃいけない」と、他人の顔色をうかがって過ごしてきたように思います。

また、会社で営業職として働いていたときも、私は連日深夜まで残業をしていました。

もちろん成果を上げたいという気持ちは強かったですが、一方で上司や先輩からの評価が気になるというプレッシャーもありました。

 

振り返ってみると、24歳までの私は無意識のうちに周りの人の目を気にして、波風を立てないように「いい人」らしく振る舞っていたのかもしれません。

 

著者も、嫌われたくないという欲求が普遍的であることを踏まえつつ、他人の目を気にしすぎることのリスクを次のように述べています。

 

強すぎるいい人欲求は「他人に嫌われないようにしなければいけない」という強迫観念となって、逆にあなたの人生を息苦しく、そして窮屈にしてしまうのです。(本書 はじめに より)

 

「あなた」という色に価値がある

著者は、人それぞれに異なる考え方や価値観があることを、色鉛筆に例えています。

 

色鉛筆セットを見たときに、これは青みがきついからヘンだとか、これは赤みが弱いから価値が低い、なんてことは感じないでしょう。

(中略)

これは人間も同じです。あの人やこの人とは違う「あなた」という色を持っているからこそ価値があるのです。(本書p18より)

 

さらに、嫌われることを恐れて、周りと同調して自分の色を消してしまうのはもったいないとも述べています。

 

「いい人」はもともと気配りの達人なのですから、ちょっとくらい自分を出しても、むやみに他人を攻撃さえしなければ、嫌われることはめったにありません。むしろ自分の価値観に合う人が集まってくるはずです。(本書p18より)

 

もっと自分を表現してよいという点は、私も強く共感します。

私が「いい人」の殻を破ることができたのは、事業の立ち上げを通じて、自分のビジョンを多くの人に伝え続けてきたからです。

 

少し辛口な言い方になりますが、「いい人なんだけど…」と言われるような人は、周囲に合わせすぎて自分の色を出せていない、何か物足りない人。

だからこそ、「私はこれが好き」、「私はこういう目標がある」、「私はあなたと手を組みたい」など、自分の思いや考えを表明して、自分の色を出し切ることが大きな変化をもたらすと私も思います。

 

約束を守り、自分で自分を満たす

自分を出し切るためには、他人からどう思われるかを気にするのをやめる必要があるでしょう。

 

著者は一例として、人から嫌われることに対する捉え方を変えるという提案をされています。

 

人から嫌われるのが怖いという人には、「人から嫌われるのは人間として欠陥があるからだ」という思い込みがあるのだと思います。(本書p26より)

一方で、そんなことを気にすることなく、自分のことを嫌う人がいても、幸せに生きている人はたくさんいます。

そこから考えると、人から嫌われることそのものが問題なのではなく、「嫌われるという状態」を本人がどう捉えるかという問題のようです。(本書p22より)

 

色鉛筆の話にもあったように、嫌われることは欠陥ではなく、自分の色を出せている証拠。

確かに、捉え方を変えると少し気が楽になるのではないでしょうか。

 

ちなみに、私が大切にしていて、かつ講演でもお伝えしているのが、自分で自分を満たすということです。

 

毎日毎日、自分との約束を守ること。

その積み重ねが自信につながり、自分で自分のことを満たせるようになります。

自分で自分を満たせていれば、人からどう思われるかを気にすることなく自分を出せるようになる。

私自身が体感したことを、今後も伝え続けていく所存です。

 

人間関係のストレスを減らして、自分の望みに正直な行動を選択する。

そのためのヒントが満載の本書について、続きは次回お伝えします。

 

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