権藤優希の読書手帖

株式会社シーマネジメント代表、「ごん×櫻井のモテモテ塾」主宰を務める傍ら、読んだ本を中心に日常を書いています。

【本】走って、悩んで、見つけたこと。(後編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

前回に引き続き、大迫傑(おおさこ すぐる)さん著書、

“走って、悩んで、見つけたこと。”

を紹介します。

 

※前編はこちら

gonbook.hatenablog.com



後編では、著者が語るメンタル面について、強く印象に残った点をピックアップします。

 

不安は自分の想像にすぎない

著者は、もともとは不安をコントロールすることが得意ではなかったと述べています。

 

練習を積み重ねても伸びなかったり、他の選手との体格の差を気にしたり、レース中に焦ってスパートをかけたり…

常に不安や焦りに支配されていたそうですが、そのような経験も決して無駄ではなかったようです。

 

質を求めて練習をして、できないときはすごくイライラしたり、苦しんだりしながら、不安にどう対応したらいいかが分かってくる。そうやって過去も未来も葛藤の中で過ごしていくことに僕はすごく価値があると思っています。(本書p118より)

 

葛藤の日々、自分と向き合うことで気づいたのは、不安とは自分の想像上のものでしかないということ。

そう考えるようになってから、気持ちに余裕が生まれたそうです。

 

僕は限りなく100%に近い努力をするだけ。不安は自分の中から生まれた不確かな偶像で、実体のないものを意識するぐらいであれば、本当に今やるべきことに集中をした方がいいという考えに落ち着きました。(本書p119~p120より)

 

不安な気持ちは誰にでもありますし、乗り越えれば、次の不安が出てきます。

不安は決してなくなることはありません。

 

不安だから動けないのではなく、不安を抱えながらでも前に進む。

そのためのコツが、前編でも申し上げた「今やるべきことに集中する」なのですね。

 

「1番」と「チャレンジャー」へのこだわり

また、「何気ないところから1番にこだわる」という著者のエピソードが紹介されています。

これは、マラソンで1番を取ることだけを指しているのではありません。

 

例えば、1番の駐車場が空いていたら、そこに車を停める。

1番のロッカーが空いているなら、たとえ使いにくい場所にあったとしても1番を使う。

空いてなければ11番や111番など、どこかに ”1” を入れておきたいのだそうです。

 

1番への強いこだわりからも、著者のチャレンジ精神がうかがえます。

 

1番にはこだわるけれど、(中略)1番を取ったからといって止まってしまったら意味がないですよね。だから常に自分がチャレンジできる相手が欲しいし、チャレンジャーでありたいと思っています。(本書p143より)

 

壁にぶつかるのは、挑戦している証

「常にチャレンジャーでありたい」という著者の言葉に、私はとても共感します。

 

私は現在複数の事業に取り組んでいますが、まだまだこんなもんじゃない、もっと行けるぞと思っています。

これまでも、理想と現実のギャップに悩み苦しむことも多々ありました。

 

ただ間違いなく言えるのは、悩んだり壁にぶつかっているのは、チャレンジしているから。

メンターから「妥協は三流、満足は二流、挑戦は一流」と教わったことと著者のメッセージが結びつき、チャレンジしている最中のプロセスにも大きな意味があるのだなと感じました。

 

そして、日々のチャレンジを結果に変えるべく、私も今やるべきことに集中していきます。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

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【本】走って、悩んで、見つけたこと。(前編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

今回紹介する本は、プロランナー・大迫傑(おおさこ すぐる)さん著書、

“走って、悩んで、見つけたこと。”

です。

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出典:大迫傑オフィシャルサイト | Suguru Osako

 

陸上競技を始められた中学校時代から、長距離種目で数々の記録を更新。

2020年3月の東京マラソンでは、自身が持つ日本記録(注1)を上回る2時間5分29秒でゴールされ、東京オリンピックの代表にも選ばれています。

 

(注1)…現在のマラソン日本記録は、鈴木健吾選手の2時間4分56秒(2021年2月28日)。
公式Twitterで鈴木選手を讃えていらっしゃいます。

https://twitter.com/sugurusako/status/1365888052292378624

 

ラソンで世界を相手に戦うべく、過酷なトレーニングの日々。

壁にぶつかって悩んだときには、どうすれば乗り越えられるのか。

もがき苦しむ中で著者が見つけ出した思考法が、思いのままに綴られている一冊です。(注2)

 

(注2)…本書は2019年8月に発表されたため、同年9月のMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)開催前までの内容となります。

 

今、この瞬間に集中する

強くなるためには、毎日ハードな練習をすること。

それ以外にないと著者は断言しています。

 

そして、練習に集中するためには、過ぎてしまった過去や先の見えない将来を意識しすぎずに、「今」に集中することが大事であるとも述べています。

 

例えば先が霞んで見えない一本道を走っていたとします。そのうちにゴールが見えるだろうと一生懸命前を見て進んでいたら、自分が進んでいることを実感しにくいと思います。けれども足元を見れば、着実に歩を進めていることを知ることができる。それが今を生きられているということではないでしょうか。(本書p78より)

 

目の前のやるべきことひとつひとつ、一瞬一瞬に集中して「今」を積み重ねる。

そうすることで、練習の質が高まり、ひいては自信を深めることにもつながるようです。

 

きちんと今を積み重ねていれば、レースの直前に自分を信用することができます。(本書p77より)

 

ベストを尽くせば、どんな結果も受け入れられる

さらに、タフな練習を積み重ねてきたことにより、大会当日を平常心で迎えることができるといいます。

 

自分がやるべきことをすべてやっているので、スタートラインに立ったときはいい意味で開き直った状態です。

(中略)

それをより素晴らしいものにするかは、もちろん当日のレースで決まるのですが、妥協なくスタートラインにたどり着いただけで、それはひとつの勝利だと思っています。その達成感は、2019年の東京マラソンでリタイアしたときも霞むことはありませんでした。結果が悪かったときでもその感情は変わらないということは、ひとつの収穫でもありました。(本書p34~p35より)

 

悪天候に見舞われた2019年の東京マラソンでは、周囲の期待を受けながらも途中棄権に終わった著者。

しかし、ベストな準備をしてきたから、悪い結果も心がぶれることなく受け入れられたのだそうです。

 

結果に一喜一憂せずに前に進むためには、日頃から最善を尽くすこと。

ますます、「今」に集中する重要性を感じます。

 

積み重ねが信念をつくる

大きな目標を掲げて、一生懸命努力することは大切だと私も思います。

ただ、先のことを考えすぎて、本当にその目標までたどり着けるのかと不安になることもあるかもしれませんね。

 

だからこそ、著者が示すように、今やるべきことに集中する。

自らに課した約束を守り、やると決めたことをやり続ける。

 

「今日もやった。今日も自分との約束を守った。」を毎日繰り返していくと、自分は絶対にやり遂げられるという確固たる信念を蓄えることができると思います。

反対に、もし気持ちがぶれるようなことがあれば、それはやるべきことをやっていない、即ち自分で自分を満たせていないことの表れだと思って、もう一度自分を律する必要があります。

 

 

私も毎日続けていることはたくさんあります。

当ブログでは読書から得た学びがメインですが、私自身の考えをお伝えするために、他にもブログを書いています。

note.com

 

小さな「今」の積み重ねが大きな未来をつくると信じ、日々継続していきます。

 

本書後半の内容については、次回に続きます。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

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【本】タニタの働き方革命(後編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

前回に引き続き、谷田千里(たにだ せんり)さんおよび株式会社タニタ編著、

タニタの働き方革命”

を紹介します。

 

※前編はこちら

gonbook.hatenablog.com

 

前編では、同社が推し進めている独自の働き方改革、通称「日本活性化プロジェクト」(以下、活性化プロジェクト)の概要をお伝えしました。

 

後編では、活性化プロジェクトに実際に参入された方のインタビューから、ピックアップしてお伝えします。

 

※まだ前編をご覧になっていない場合は、先に前編をお読みいただくことをおすすめします。

 

将来のために時間を使える

まず、活性化プロジェクトの制度を利用して働く、30代男性のインタビューが掲載されています。

この方は、約28万人のフォロワーを抱えるタニタ公式Twitterの運用および情報発信を担当されているそうです。

 

活性化プロジェクトによる大きな変化として、時間が自由になったことを挙げています。

 

「一番は通勤や残業という概念がなくなって、時間の使い方がとても自由になったことですね。メリハリがついたというか。自分で時間をコントロールできるのは非常にいいですね」(本書p106より)

 

そして、自由に使えるようになった時間を活かして、自分の将来のために、会社以外の人と積極的に会うようになったそうです。

 

「『とにかく人と会わなきゃ』という意識がすごく高まりました。時間も自由に使える分、意図的に外部の人に会いに行くようになりましたね。これから個人事業主として生きていくためにはいろいろな人との関わりが重要ですから。いままでは『社員』として、仕事上必要な人に会うという感覚だったのが、いまは自分のスキルを高めたり、人脈づくりをしたりするために、社員時代には会わなかったような人にも積極的に会いに行ってます」(本書p112より)

 

仕事相手として選ばれる実力をつける

また、別の30代女性のインタビューが紹介されています。

この方は営業職を10年経験され、企画職への異動を機に、活性化プロジェクトに参入されました。

 

個人で仕事をしていけるだけの力をつけたいという考えから活性化プロジェクトに入り、もともとつながりがあった別の会社の仕事にも取り組まれているそうです。

 

「(中略)やっぱり私は好きな人と仕事をしたいと思っていて、そのためには相手にも、仕事相手として私を選んでもらわなくてはなりません。ということは、選ばれるだけの実力をつけておく必要があるなと。それともう一つ、私は年齢に区切りをつけずに、通常なら定年で仕事から離れる年齢になっても元気であれば働きたいと思っています。そのためには『雇われる』という形でなくても生きていける実力をつけておきたかったんです」(本書p142より)

 

一緒に仕事をする人と手を組む

おふたりのインタビューに共通しているのは、将来に向けて、会社の看板に頼らず、自分の力でキャリアを構築するという思い。

 

これは必ずしもひとりで仕事をするという意味ではなく、自分の魅力を高めて、一緒に仕事をする人と手を組むこと。

つまり、自分の魅力でコミュニティをつくっていくことに通ずるものがあると私は思いました。



先日、私がおこなった講演会でも、コミュニティづくりについてお話させていただきました。

www.value-press.com

 

私が独立起業できたのは、コミュニティづくりから始めて、無形の資産(コミュニケーション能力、明確なビジョン、タフさ、等々…)を蓄えたからです。

 

先の男性がインタビューで仰っていたように、多くの人と会うことは、コミュニティづくりにおいて大事だと私も思います。

人と会うときはできれば直接会うのが望ましいですが、現在はオンラインのツールなどを使って、直接会わなくてもコミュニケーションが取れます。



個人の魅力を高めて、一緒に仕事をする人と手を組む。

より自力をつけようと努力する人を応援するタニタの取り組みは、とても学びが多かったです。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

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【本】タニタの働き方革命(前編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

今回紹介する本は、谷田千里(たにだ せんり)さんおよび株式会社タニタ編著、

タニタの働き方革命”

です。

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出典:トップメッセージ|企業情報|タニタ


家庭用のヘルスメーターを世界に先駆けて製造し、「タニタ食堂」などでも有名な企業です。

2008年から同社の代表取締役社長を務められる著者は、創業から数えて3代目にあたります。



本書は2部構成になっています。

 

第1部では、同社が2017年から取り組んでいる独自の働き方改革、通称「日本活性化プロジェクト」の内容や、創設に至るまでの背景が書かれています。

 

第2部では、「日本活性化プロジェクト」の制度を利用して働く人の生の声が、インタビュー形式でまとめられています。



変化の激しいいまの時代、私たちはどのような働き方を求められるのか。

また、人がいきいきと働くために、会社がすべきことは何なのか。

 

前編では、第1部の内容に注目します。

 

大事なのは主体性

著者は、昨今の働き方改革において残業削減ばかりが先行する世の中の風潮を危惧されています。

 

改革の本質は残業時間の削減ではなく、働く人ひとりひとりが主体性を持って働き、生産性を高めること。

そのような優秀な人材がタニタで働いてくれるためにはどうすればよいか、と考えた著者は、会社の人事制度を見直し「日本活性化プロジェクト」を始動されます。

 

「この仕事をやり遂げたい」「自分の能力を伸ばしたい」と主体的に仕事に取り組むことができれば、人はやり甲斐や、自身の成長を感じることができます。

もちろん、壁もあるでしょうが、主体的に定めた目標であれば、それをも乗り越えていけます。限られた時間に最大限のアウトプットを出そうという意識も高まり、働き方にメリハリもついてくるでしょう。そういう主体性を持つ人が多い職場は活性化し、企業も成長するはずです。(本書p11より)

 

会社員とフリーランスのいいとこ取り

では、「日本活性化プロジェクト」とはどのような制度なのでしょうか。

 

希望社員を雇用から契約ベースに転換することで、主体性を発揮できるようにしながら、本人の努力に報酬面でも報いる社内制度。

経営者感覚を持って、自らの仕事内容や働き方をデザインでき、働く人がやりがいを持って心身ともに健やかに働ける「健康経営」の新手法。(本書帯より抜粋)

 

これは、希望者の雇用形態を社員ではなく、税制面で有利なフリーランスに変更して、働く人の手取り収入の最大化を目指すというもの。

社員時代に会社が負担していた社会保険に相当する額も、報酬として支払われるそうです。

 

また、個人事業主であるため働く時間や場所は自由に選べますし、社内の業務を遂行する傍らで社外の仕事を増やしてもよいのだそう。

まさに、会社員とフリーランスのいいとこ取りをしたような制度だといいます。

 

フリーランスゆえに収入や雇用の”安定”は確保されないものの、契約後の一定期間はタニタの業務を請け負うという形で保障されています。

 

詳しい内容は本書で細かく説明されていますので、気になった方はお手に取ってみてください。



著者は、この制度によって個人の能力が高まり、結果的に会社にも還元されると述べています。

 

もちろん程度は人によって違うと思いますが、やはり、会社に依存せず自分の力でこれから生きていくのだという覚悟ができることで、学ぼうという意欲も高まるでしょう。

(中略)

それらの結果、社内にいる時よりも、能力開発のスピードが増す——。私はそう考えています。それは成長できる本人にとっては望ましいことであると同時に、生産性が上がるわけですから会社にとっても非常にメリットがあります。(本書p62より)

 

働きやすい「場」を整える

本書第1部の内容について、私が感じたことが2つあります。

 

1つは、自己管理能力についてです。

 

会社に雇われていたときと違い、個人事業(すなわち経営者)になることで、自己管理能力が養われます。

 

時間の調整、お金の管理、目標設定や達成までの計画立てと遂行…等々。

多くのことを主体的に決める力が身につき、ひいては仕事に取り組む姿勢に結びつくのだと、私も体感があります。



もう1つは、多くの人が主体性を持って働けるように、組織のトップが場を整えることの重要性です。

 

仮に「海で魚を獲る」ことを仕事に例えるとします。

この場合、海に流れる水をきれいにするため「山や川をきれいにする」ことが、場を整えることにあたります。

 

私が週末起業からスタートしたとき、私が「魚を獲る」ことだけに集中できていたのは、メンターが場を整えるというスケールの仕事をされていたからです。

そして、いま私の関連事業を支えてくれる仲間がより豊かになれるよう、私も場を整えるために奔走しています。



当記事で詳しく触れられませんでしたが、制度設計のさまざまな障害を乗り越えて、タニタの社員が働きやすい場を整えようと尽力された著者の姿には、敬服するばかりです。

 

後編では第2部より、実際に「日本活性化プロジェクト」に参入された方のインタビューから学びます。

 

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【本】リンゴが教えてくれたこと(後編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

前回に引き続き、木村秋則(きむら あきのり)さん著書、

“リンゴが教えてくれたこと”

を紹介します。

 

※前編はこちら

gonbook.hatenablog.com



後編では、著者の農業や自然に対する考え方にフォーカスします。

自然をずっと観察する

リンゴの無農薬栽培を成し遂げた著者が大切にされているのは、自然を長期にわたって観察すること。

 

大量に発生した虫にも、生え放題の雑草にも、自然においてはそれぞれに意味があり、重要な役目を果たしている。

緻密な観察によって、本来の自然が持つバランスやエネルギーの循環に気づき、成功要因をひとつずつ突き止めていったといいます。

 

草ぼうぼうの畑の土の温度は二二度くらいです。外気温が三五度と発表された日、土の温度は二四度であったと思います。私はずっとデータをとって来ましたから。(本書p72より)

 

従来の常識を覆すようなやり方は、決して思いつきではなく、著者の綿密な観察から得られた確かなデータに基づいています。

 

自然のお手伝いをしているに過ぎない

そして、自然栽培の方法を指導するうえで最も大切な考え方が、自然に対する感謝の気持ち。

人間が必要以上に介入することのない、自然が主体となる農業を現在も多くの方に伝えつづけていらっしゃいます。

 

私は全国の農家の人にこう言っています。みなさんの体にリンゴ一つ、お米一粒実らすことができますか。人間はどんなに頑張っても、自分ではリンゴの花一つ咲かせられません。米を実らせるのはイネです。リンゴを実らせるのはリンゴの木です。主人公は人間ではなくてリンゴの木やイネです。人間はそのお手伝いをしているだけです。そこを十分わかってください、と。(本書p4より)

 

飽くなき探求心

著者は次の言葉で本書を締めくくっています。

 

奇跡は努力の結晶だと思います。簡単にできたら苦労はありません。一つずつ壁を越えて階段を上っていくごとに、また新たな壁が生まれます。どうしたら壁をクリアできるのか。知恵を振り絞っていくところに人生の意義があります。

苦しい極限の極貧生活の中でも楽しいと思う瞬間がありました。期せずして波乱万丈の人生となりましたが、「それも楽しいよ」と若い人たちに言いたいです。(本書p200より)

 

口で言うのは簡単かもしれませんが、著者が遭遇した困難は想像を絶するものがあります。

 

私も未だ道半ばですが、これまでにもやむを得ない事情で得意先との取引がストップするなど、予期せぬ困難を経験しました。

それでも、自らの信条を貫き、自分が選択してきたことを正解にすると心に決めて突き進んできました。

 

リンゴに懸ける著者の生き方から伝わってくるのは、最後までやり通す根気強さと、尽きることのない探究心。

既存の常識を打ち破って、前に進もうとする姿に感銘を受けました。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

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【本】リンゴが教えてくれたこと(前編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

今回紹介する本は、農家・木村秋則(きむら あきのり)さん著書、

“リンゴが教えてくれたこと”

です。

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出典:木村秋則プロフィール | AKINORI KIMURA official web site

 

農業において絶対に不可能とされていたリンゴの無農薬栽培に成功し、書籍『奇跡のリンゴ』で取り上げられるなど注目を集めます。

 

※書籍『奇跡のリンゴ』の紹介はこちら

gonbook.hatenablog.com

 

農薬や肥料に支えられてきた従来の農業に異を唱え、自然に近い形での農業(自然栽培)の方法を全国各地で指導されています。



本書は、リンゴやいろいろな作物の自然栽培を確立された著者による書き下ろしです。

 

およそ11年にわたる、完全無農薬のリンゴができるまでの壮絶な道のり。

そして、農業や自然をどのように見つめていらっしゃるのか。

 

その目で確かめ、その身で体験された著者の言葉ひとつひとつには重みがあり、自然栽培への凄まじい執念を感じずにはいられません。

 

周囲から批判され、家族をも苦しめたけど

リンゴの無農薬栽培を試みはじめたのは1978年、著者が29歳のときのこと。

最初の2~3年は全くうまくいかず、害虫が大量発生した著者のリンゴ畑を見た近隣の農家から、厳しく非難されたそうです。

 

世間というものは私を「かまど消し」「ろくでなし」「アホ」と言って罵倒しました。(中略)

この農業をやる前は、友達が「木村どうしてら」「堆肥こういう状態だけど見でけねが」とよく来たものです。そうした友達がだれも来なくなりました。(本書p41より)

 

試行錯誤もむなしく無収穫が何年も続き、出稼ぎに行っては周囲の人にからかわれる始末。

3人のお子さまが1つの消しゴムを3つに分けて使うような、貧乏のどん底を味わったといいます。

 

それでも、家族の支えが著者を力づけたようです。

 

一度、女房に「これを最後にもうやめよう」と言ったことがあります。それを女房から聞いた長女が「じゃあ、今までなんで我慢してきたの」と問い詰めたそうです。

そのずっとあとで長女がこう言ってくれたのです。

「お父さんのやってきたことはすごいこと。答えのない世界でゼロから始めてここまで来た。」(本書p43より)

 

まだ無農薬のリンゴができる兆しも見られなかった頃のお嬢さんの言葉。

著者は素直にうれしかったと振り返っています。

 

結果をつくると、周りの反応が変わる

著者が万策尽きたと思った6年目のとき、あるきっかけから土壌改良のヒントを得ます。

そして、遂に11年目にして完全無農薬のリンゴをつくることに成功されました。

 

すると、近隣の農家の反応がガラッと変わったといいます。

 

周辺の畑と何も変わらなくなってくると、文句を言われなくなるどころか、私と同じ無肥料、無農薬でリンゴを作り始める生産者が出てきました。(中略)

周りの生産者は木を抜いてくれました。(中略)「西風が吹いても木村のところに農薬が飛ばないだろう」。私の畑を思いやってくれる気持ちが嬉しいです。(本書p23~p24より)

 

多くの人が応援、協力してくれるようになり、また自然栽培のやり方を教えてほしいという申し出も増えたのだそうです。

 

条件で人を判断しない

前例がなく、何が正解なのかも分からなかったリンゴの無農薬栽培。

貧しい状況の中、かつ周囲の批判を浴びながらもやり遂げられた著者の執念には、頭が下がる思いです。

 

私は、メンターから「非常識な結果をつくるためには、非常識な原因をつくる」と教わりました。

周りの人にとっては非常識に見える行動も、それはまだ誰も成し遂げたことがない結果をつくるための材料。

信念に沿って自らがやるべきことを徹底していれば、周囲からの批判は気になりません。

 

そして、目に見える結果が出ると、一転して人は態度を変えます。

「繁栄は友を呼び、逆境は友を試す」という言葉が示すように、うまくいっているときは協力者が次々と現れるでしょう。

 

肝心なのは、苦境に立たされているときに協力してくれる人の存在。

 

苦しいときに支えてくれる人は、その人の結果や条件で判断しているのではなく、その人自体を見て信頼を寄せているはずです。

まだ結果が出ていないときに、著者のお嬢さんのような言葉をかけてくれる人は、どのくらいいるでしょうか。

 

批判を跳ね除けて、完全無農薬のリンゴという、これまでの常識を打ち破る結果をつくられた著者の姿に感動を覚えました。

私も、掲げている目標を達成するために必要な、非常識な原因を積み重ねていきます。



後編では、著者の農業や自然に対する考え方に注目します。

 

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【本】火の玉ストレート プロフェッショナルの覚悟(後編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

前回に引き続き、元プロ野球選手・藤川球児(ふじかわ きゅうじ)さん著書、

“火の玉ストレート プロフェッショナルの覚悟”

をお伝えします。

 

※前編はこちら

gonbook.hatenablog.com

 

前編に続いて、本書の内容および講演で藤川さんから伺ったお話をシェアします。

 

またみんなで野球やろうや

2015年、メジャーリーグでの挑戦を終えて日本に帰国された藤川さん。

複数のプロ球団からオファーがあったものの、純粋に野球を楽しみたいという思いが強かったため、四国アイランドリーグ独立リーグ)に進みます。

 

それでもなおオファーが届いたことから、もう一度プロ球団でプレーするか悩んでいたそうです。

 

迷っていた藤川さんの心を動かしたのは、かつてのチームメイトである2人の言葉。

ひとりは、翌年から阪神の新監督に就任が決まっていた金本知憲さん

 

「あかん、一緒にやるぞ。球児、おまえは阪神に来なあかん」(本書p150より)

 

もうひとりは、藤川さんが現役時代に最も多くバッテリーを組んだ矢野燿大さん(当時バッテリーコーチ兼作戦コーチ)。

 

「一緒に戻ろうや」

最後まで僕の話に耳を傾けてくれた矢野さんは、そう僕を誘ってくれた。

「じつは、おれもちょうど球団に返事してきたところやねん。金本も戻る。おれも戻る。球児も戻って、またみんなで野球やろうや」(本書p151より)

 

藤川さんに阪神への復帰を決心させたのは、強い絆と信頼で結ばれた仲間の「一緒に野球をやろう」という思いだったのです。

 

ずっと右肩上がりでいたいから

2020年11月10日、藤川さんにとって現役最後となる試合。

最速149キロを投げて、ファンの多くはまだまだ活躍できると思ったことでしょう。

 

実はこのとき、藤川さんの肘はすでに修復不能なけがを負っていたそうです。

 

マウンドに立つとき、僕は本心から「いつつぶれてもいい」という気持ちで投げてきた。(本書p170より)

 

そして、次の言葉で本書を締めくくっています。

 

夢を成し遂げた人生もいいが、僕は未完の人生に魅力を感じる。人生が終わる瞬間まで、夢を見続けることができるからである。(本書p184より)

 

メジャー挑戦の道のりや阪神復帰後の歩みは、もしかしたら藤川さんが思い描かれた理想通りではなかったのかもしれません。

現役引退までを振り返り、藤川さんはキャリアに対する考え方を講演で次のように仰いました。

 

ずっと右肩上がりでいたいので、最高潮のときにいまの成功を捨てるようにしています。

ものすごい成果が出ているときに、現在の状態を手放すのはとても勇気が要ることですが、それは必ずセカンドキャリアにつながります。

 

プロスポーツ選手なら誰もが考えるセカンドキャリア。

最高潮のときに引退するという選択は、つねに向上し続けるという藤川さんの精神の表れなのですね。

まだまだ答えは出ていない

その気持ちを象徴するように、藤川さんは次の言葉で講演を締めくくられました。

 

いつも学び続ける姿勢があれば、へこたれることはありません。

自分はこうあるべきだと答えを決めつけると、その時点で成長が止まってしまいます。

まだまだ答えは出てないぞ、という気持ちでこれからもチャレンジします。

 

プロの世界で長く活躍された方が「まだ答えは出ていない」と仰る姿に、私は大きな感動を覚えました。

そして、いまでも謙虚に学ぼうとされる藤川さんの姿勢が、トッププロであり続ける秘訣だと学び、深く心に刻まれました。

 

今回の学びを励みに、私も必ず目標を達成して、仲間とともに右肩上がりの人生をつくり出します。

 

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