権藤優希の読書手帖

株式会社シーマネジメント代表、「ごん×櫻井のモテモテ塾」主宰を務める傍ら、読んだ本を中心に日常を書いています。

【本】君を成功に導く49の言葉(後編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

前回に引き続き、岩田松雄(いわた まつお)さん著書、

“君を成功に導く49の言葉”

を紹介します。

 

※前編はこちら

gonbook.hatenablog.com

 

引き続き、本書の中から特に印象に残った内容と、感想をお伝えします。

 

よい習慣を身につける

「私たちの生活はすべて、習慣の集まりに過ぎない」

 

ウィリアム・ジェームズ/アメリカの哲学者

(本書p244より)

 

著者は、私たちの人生は習慣の積み重ねでできていると仰います。

となると、よい習慣を続けようとする意志の力が大事になりますよね。

 

しかし、人の意志は必ずしも長く続くとは限りません。

そんなときは、同じ目的を持つ集団に属することを著者は勧めています。

 

アルコール依存症の人が、せっかく禁酒を続けていたのに、何か辛いことがあって、またお酒に頼ってもとに戻ってしまうことがよくある。そうした壁を乗り切る秘訣は、同じ目的(禁酒)を持ったグループに属することだ。同じ目的を持った励まし合える仲間と一緒にいると、もとの悪い習慣に戻らなくて済む。

「よい習慣」も一人でやるのではなく、家族やチームメンバーとお互い励まし合いながら続けてみるといい。(本書p245より)

 

挨拶は、真っ先に自分からする

人の礼法あるは水の堤防あるが如し。

水に堤防あれば氾濫の害なく、

人に礼法あれば悪事生ぜず。

 

貝原益軒儒学者

(本書p254より)

 

人としての基本的な礼儀作法、中でも挨拶は特に大切だと著者は強調します。

 

コミュニケーションは、何事も挨拶から始まる。

そう信じているからこそ、相手が誰であっても自分から挨拶をするべきだと述べています。

 

大事なことは、まずは自分の心をオープンにすること。自分から心を開くから、相手も心を開いてくれるのだ。挨拶は真っ先にする。いつのときも自分からするべきだ。

(中略)

「髪型変わった?」「そのカバン素敵だね」「お子さんの病気の具合はどう?」など、普段から相手に関心を持ち、よく観察していないと気のきいた挨拶はできない。(本書p258より)

 

仕組み化して、習慣にする

本書の中から紹介したい言葉はまだまだ他にもあるのですが、厳選してお伝えしました。



挨拶をはじめ、自分の人生をよくするためにできることはたくさんあるかと思います。

これをやろう!と決めたことを、いかに習慣化して続けていくかが大きなポイントです。

 

私は、「意志は弱い、願望は強い、仕組みはもっと強い」と教わりました。

 

人の意志というものは変わりやすく、すぐに折れてしまうかもしれません。

だけど、「〇〇したい」という強烈な願望は、その人の凄まじいエネルギーを呼び起こします。

さらに、同じ目的を持つ集団に属する、つまり自分が身をおく環境を変えるというように仕組み化(やらざるを得ないような状況に身をおく)してしまったほうが、習慣を形成するためには効果的だと私は感じます。



言葉の持つ力を実感する、貴重な一冊でした。

ぜひ、お手に取ってみてください。

 

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【本】君を成功に導く49の言葉(前編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

今回紹介する本は、岩田松雄(いわた まつお)さん著書、

“君を成功に導く49の言葉”

です。

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※出典:岩田 松雄 (@X47008916) | Twitter


外資系化粧品メーカーやスターバックスコーヒージャパンなど、数々の大企業で代表を務められます。

 

当ブログでは、著書『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』について紹介させていただきました。

ぜひこちらもご覧ください。

gonbook.hatenablog.com

 


経営者として幾多の困難を乗り越えられたという著者。

本書「君を成功に導く49の言葉」には、そんな著者に困難を乗り越える勇気を与えてくれた言葉が集められています。

 

この本は、名言や格言を厳選し、少しでもリーダーを目指す人のお役に立ちたいという強い思いを込めて書き綴った。本の中から一つでも皆さんの心を救ったり、元気にしたりする言葉が見つかれば、とても嬉しく思う。(本書p5より)

 

私が本書を読み、特に印象に残った格言について、感想をお伝えします。

 

言葉を大切に扱う

幸福な人生を歩んでいる人は、

言葉の使い方を知っています。

言葉は選んで使いなさい。

言葉の選択一つで、

人生は明るくも暗くもなるのです。

 

ジョセフ・マーフィーアメリカの自己啓発作家

(本書p146より)

 

私たちが名言や格言に心を動かされるのは、言葉には大きな影響力があるからではないでしょうか。

 

著者も、言葉は言霊(ことだま)であると述べています。

そして、言葉の持つ影響力を理解されているからこそ、言葉づかいに気をつけることが大切だと仰います。

 

ある社長が「お店のやつら」と言っていたのを聞いたことがあり、びっくりした。その社長は、とても偉そうな人で、当然お店の人たちからも嫌われていた。

だいたい、どの社長も「現場が一番大切だ」と言う。本当に大切だと思うなら、やはり上から目線の「現場」ではなくて、「お店の皆さん」というような言葉を使うべきだ。

(中略)

言葉にも「神は細部に宿る」のだ。ちょっとした言葉づかいにも経営者やリーダーはもちろん、すべての人が気をつかわなくてはいけない。(本書p149~p150より)

 

今できることに最善を尽くす

才能で負けるのはまだ言い訳が立つ。

しかし誠実さや、勉強、熱心、精神力で負けるのは、

人間として恥のように思う。ほかでは負けても、

せめて誠実さと、精神力では負けたくないと思う。

 

武者小路実篤/作家

(本書p122より)

 

著者は、仕事で長期にわたって第一線で活躍する一流の人の共通点として、真摯さ(integrity)を挙げています。

真摯さとは、仕事に対して一所懸命であること、つまり今できることに最善を尽くそうとする姿勢であるといいます。

 

私は、この integrity を、わかりやすく「一所懸命さ」と解釈している。リーダーとしてやるべきことが一〇あるとすれば、その一〇すべてをやろうと努力することが integrity だ。(本書p126より)

 

能力や才能の如何よりも、今できることに対してベストを尽くしたかどうかが問われているのですね。

成果をつくりやすい言葉

私も、メンターから言葉の大切さ、厳密さをずっと学び続けています。

 

例えば、「~~~できませんでした。」という言葉は、成果をつくりにくい言葉だと言われます。

なぜなら、これは現象の原因を他人や環境のせいにする言葉であり、他人や周りの環境は自分には変えられないからです。

 

反対に、成果をつくりやすい言葉に言い換えると「~~~しませんでした。」になります。

これは現象の原因を自分におく言葉なので、自分の行動を変えることで、結果を変えることができるからです。



新しいチャレンジをしていると、ときには上手くいかずに思い描いた結果にならないこともあるでしょう。

ここで本当に大事なのは、ベストを尽くしたかどうか。

自分がやるべきことを「できなかった」と言い訳するのか、「しなかった」と内省するのかで、後の結果は大きく変わっていくと思います。

 

私も毎日予定がぎっしり詰まっていて、タイトなスケジュールに対して言い訳したくなる気持ちが全くないわけではありません。

それでも、発する言葉には責任を持ち、成果をつくりやすい言葉を選ぶようにしています。



本書で紹介されている言葉や著者のメッセージには重みを感じます。

 

後編でも、印象に残った内容を引き続きお伝えします。

 

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【本】サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ(後編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

前回に引き続き、正垣泰彦(しょうがき やすひこ)さん著書、

サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ”

を紹介します。

 

※前編はこちら

gonbook.hatenablog.com



後編では、著者が考える組織やリーダーのあり方に着目します。

組織を作って、変化に対応する

著者は、長期的に繁栄する企業の特徴として組織力の強さを挙げています。

 

飲食店が10年、20年、あるいは100年と、ずっと繁盛し続けるためには、(中略)「組織」を作ることだと私は思っている。

消費者も社会も絶えず変化している。その中で、変化に対応するために必要なのが「組織」だからだ。(本書p203より)

 

なぜ、組織を作ると変化に対応できると言えるのか。

それは、分業ができるからだと著者は強調しています。

 

分業することで、役割を分担し各分野の専門家を育てるからこそ、あらゆる部分で、変化への対応が進んで、強くなれる。(本書p205より)

 

商品開発、人材育成、店舗の内装や立地の戦略等々…

さまざまな専門領域をカバーできる専門家を組織の中で育てあげ、世の中の急速な変化に対応することが大事だといいます。

 

リーダーはビジョンを語り続けよ

さらに、組織を率いるリーダーは、組織全員が一丸となって達成したいと思えるビジョンを示し、それを周囲に伝え続けることが必要だと述べています。

 

リーダーは、目標や理想を持ったら周囲に語り続けることで、周囲のみんなも頑張れる。そして、自分たちが持っていない知識やノウハウのある新たな同志を集めるという意味でも、理想を語ることはとても大切だ。どんな人間でも1人でできることはたかが知れている。(本書p111より)

 

リーダー自身が成し遂げたい理想を掲げて、なおかつ、その実現に向けて行動と検証を繰り返すこと。

 

リーダーが描くビジョンや企業の経営理念に共感したり、あるいは粘り強くチャレンジを繰り返すリーダーの姿勢に心を動かされたりした人たちが自然と集まってきて、組織は大きく、強くなっていくのだと著者は仰います。

 

みなさんには金儲けとか私利私欲ではなく仲間を幸せにするとか、社会に貢献するような目標を持つことを勧めたい。そして、自分が描くビジョンを照れずに言い続けることだ。長年一緒にいる奥さんから「この人、急に変になったの」と心配されるくらい大きな目標を持つのが、ちょうどよいと思う。そうすれば、自分より優秀な人材が、あなたや仲間の夢をかなえるために力を貸してくれるはずだ。(本書p112より)

 

仲間と共に勝つ

私がいま複数の事業を経営できているのも、共に学び、さまざまなスキルを磨いてきた仲間がたくさんいるからだと思います。

そして、私はその大切な仲間たちと一緒に豊かになるというビジョンの実現のため、日々汗をかいています。

 

出版に関して申し上げますと、拙著『自分で決める。』は再び重版が決まり、著書の売上累計が4万部を突破しました。

多くの方のご尽力に感謝いたします。

本年は、10万部という目標をさらに前倒しで達成するべく、より活動の幅を広げていきます。

 

こうしたひとつひとつの目標達成の先には、私が理想としている、仲間と共に勝って豊かになる人生があると確信しています。

決めたことを達成し続けるという習慣が豊かな人生をもたらすということを、私の行動と結果で明かしていきます。



本書から、組織の大切さやリーダーの肝などをあらためて学び、身の引き締まる思いでいっぱいになりました。

 

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【本】サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ(前編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

今回紹介する本は、正垣泰彦(しょうがき やすひこ)さん著書、

サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ”

です。

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※出典:経営者メッセージ|サイゼリヤ

 

イタリアンレストラン「サイゼリヤ」創業者で、現在は株式会社サイゼリヤ代表取締役会長を務められます。

 

1967年に1号店を開業。

本場イタリアのおいしさを低価格で提供するという理念のもと、店舗数を拡大。

サイゼリヤを一大チェーンに育てあげられました。

 

本書では、40年以上にわたって外食産業に携わられた著者のご経験から、外食経営のポイントを具体例を挙げて細かく説明しています。

 

当ブログ記事では、外食に限らず経営全般に活かせる考え方に注目して、ビジネスの本質や経営哲学に迫ります。

 

物事をありのままに見る

本書のタイトル「おいしいから売れるのではない」には、目の前の現実を受け入れて、物事の原理原則に沿って経営をするという著者の自戒が込められているそうです。

 

例えば、飲食店で一番人気のある料理は、なぜ売れているのか?

店の経営者は、その理由を「おいしいから売れている」と考えがちだ、と著者は指摘します。

 

なぜなら、人間は何かを考えるとき、先例や成功体験を前提に自分にとって都合の良い、あるいは得をするような結論(経営判断)を導き出してしまいがちだからだ。

(中略)

問題点は、自分の店の料理は美味しいという自分にとって都合の良い結論を無意識のうちに導き出してしまっていることだ。だから近所の繁盛店の動向を確認することに考えが至らない。(本書p29~p30より)

 

こうした自分本位の考えから脱却して原理原則に近づけるためには、客観的な数値やデータに置き換えることが大切であると著者は述べています。

 

私は創業期から、お客様が喜んでくれているかどうかを「客数」という数値に置き換えて考えてきた。店が気に入れば再来店してくれるはずだからで、抽象的に「顧客満足度を高めよう」などと言うより、はるかに客観的に検証できる。(本書p31より)

 

料理の質を高める努力はもちろん大事。

ただそれだけではなく、原理原則に基づいた正しい経営判断を下すためには、客観的な数値やデータを真摯に受け止め、物事をありのままに見ることだといいます。

 

自分の店の料理、サービスなどはまだまだ大したことがないと自戒し続けること。そうすれば、何が問題なのかを探るときに「立地が悪い」とか、「景気が悪い」とか、外的要因のせいにしてしまって、判断を誤るケースは減るはずだ。

(中略)

客観的な事実に基づき、仮説を立てて、実行し、検証する。これはサイエンス(科学)の手法そのものだ。自分の無知を知り、事実の前に謙虚でなければいけないのは科学者も飲食店経営者も同じである。(本書p31~p33より)

 

異常事態を前向きに捉える

また著者は、本書第2章の中で、2011年に発生した東日本大震災のときのエピソードを振り返っています。

 

計画停電の影響による工場の稼働削減や、一部の食材の入手困難など、サイゼリヤはこれまでに経験したことのない事態に見舞われたそうです。

しかし、工場での作業工程の見直しやメニュー数の絞り込みなど、普段なら思いもつかないアイデアで乗り切ったといいます。

 

異常事態に直面したときの心構えはチェンジとチャレンジだ。物事を変えざるを得ないとき(=異常事態)なのだから、新しいこと(=チェンジ)に前向きに挑戦(=チャレンジ)すべきだ。異常事態のときは、日頃やっている、いろいろなことをやめざるを得ない。これは前向きに捉えると、日頃やっていることを①「やめられる」し、②「絞り込むことができる」ということだ。

(中略)

つまり、異常事態のときには、平時にはできないことができて、平時には考え付かないことをひらめくかもしれないということだ。(本書p94~p95より)

 

ちなみに著者にとっての最初の異常事態は、第1号店を開業してからわずか7カ月後、お客同士のトラブルによって火事が起こり、店が燃えてしまったことだそうです。

 

店をやめようかという思いがよぎったものの、それでも創業前の気持ちを思い出して奮起。

このとき必死に知恵をつけたことが、飲食経営の土台になっていると仰います。

 

今は苦しいかもしれないが、これまでとは比べ物にならないほど魅力のある商品やサービスを作るんだ、と前向きに考えたほうが商売はうまくいく。私はそう信じている。(本書p96より)

 

頼もしいスタッフの存在

昨今の社会情勢により、さまざまな産業、とりわけ飲食業界が厳しい状況におかれていることは、多くの方がご存じかと思います。

 

私も現在、飲食店の経営に携わっています。

もちろん感染症の予防対策が第一であることは言うまでもないですが、通常のような営業ができなくなり、さまざまな制約を目の当たりにしたときは、私も頭を抱えました。

 

ただ、お店を支えてくれる頼もしいスタッフたちと一緒に、新メニューの開発、新しい業態への移行、近隣店舗との提携など、できることを即座に実行に移してきました。

 

通常時だったら、こうした発想に至ることはなかったかもしれません。

知恵を絞り、必死になって共に汗をかいてくれるスタッフがいることに感謝しつつ、私自身がこの状況を乗り越えるためにも、さらに負荷をかけてチャレンジをします。



異常事態をどう捉えるか。

さまざまな困難を克服された著者のメッセージには重みがあり、私にとって大きな励みとなりました。

 

次回、後編に続きます。

 

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【本】宇宙飛行士に学ぶ心の鍛え方(後編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

前回に引き続き、宇宙飛行士・古川聡(ふるかわ さとし)さん著書、

“宇宙飛行士に学ぶ心の鍛え方”

を紹介します。

 

※前回の記事(中編)はこちら

gonbook.hatenablog.com



最後となる後編では、本書第4章~第6章より、様々なリスクに対する考え方や、物事の捉え方に注目します。

 

リスクを「正しく」怖がる

失敗が許されない重要な任務、あるいは事故の可能性など、宇宙での長期滞在には様々なリスクがつきものです。

著者は、まずそのリスクの内容や背景を正確に把握することが必要だと述べています。

 

最大限の準備をすることでリスクを減らすことはできても、リスクを完全にゼロにすることは不可能。

残ったリスクを受け入れるための第一歩は、正しく知ることのようです。

 

リスクを受け入れる際には、そのリスクと背景をきちんと知っているということが大切です。

言い方を換えれば「正しく怖がる」ということです。

(中略)

「恐怖は常に無知から生まれる」という言葉がありますが、逆に言えば知ることで恐怖の大部分は解決することができます。わずかに残った恐怖も背景を知ることで、コントロールすることができ、結果的にリスクヘッジにつながるのです。(本書p105~p108より)

 

物事の意味を決めているのは自分

著者が宇宙飛行士の訓練を始めてから4年目のとき、スペースシャトル・コロンビア号の空中分解事故が発生しました。

あと数年で宇宙に行ける見込みだった著者でしたが、この事故の影響でスペースシャトルの打ち上げは無期限で延期となり、とても落ち込んだと語っています。

 

ですが、自分に変えられないものを気にしても仕方ないと気持ちを切り替え、訓練に集中するようになったそうです。

 

「物事に本来意味はない。意味を決めているのは人間であり、自分である」ということも、心を整理するときに心がけています。

(中略)

実際、コロンビア号の事故で方針転換が行われ、訓練期間が延びましたが、結果的にはたくさん訓練ができて運用をより確実に行えるようになり、ロシア語でも運用ができるようになりました。

(中略)

出来事をどう捉えるかというのは「くせ」のようなものです。捉え方を意識することでストレスへの対処もしやすくなります。(本書p160~p161より)

 

打ち上げまでの間に、様々な技術やストレスマネジメントを学んだという著者。

ようやく宇宙に飛び立ったとき、宇宙飛行士に選ばれてから12年が経過していたそうです。

 

捉え方を変えざるを得ない状況に追い込んだ

前々回、前回と3記事にわたって本書の内容と感想をお伝えしてきました。

 

宇宙飛行士に求められるメンタルの強さには驚きましたが、仕事や人間関係のストレスを適切にコントロールする方法や、物事をどう捉えるかといった考え方は、私たちにも共通するのではないでしょうか。

 

特に、リスクというものをどう捉えるかは、人生の結果に大きな違いをもたらすと私は思います。

 

世の中に完璧な仕組みや組織などは存在しません。

リスクを避けようとするのではなく、著者が仰るようにリスクの内容を正しく知り、取れるリスクを取っていくことが目標達成のために必要だと、私自身が事業の立ち上げを通じて実感しています。

 

いまでは私は、リスクは「危険」ではなく「健全な代償の先払い」だと捉えられるようになりました。

そう捉えられるようになったのは、実際にリスクを取って自分に負荷をかけて、捉え方のくせを変えざるを得ないような状況に自らを追い込んだからだと思います。



心を鍛えるとは、出来事に対する捉え方を鍛えるということ。

自分の捉え方次第で、ストレスを適切にコントロールでき、最大限のパフォーマンスを発揮できるようになるのですね。

 

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【本】宇宙飛行士に学ぶ心の鍛え方(中編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

前回に引き続き、宇宙飛行士・古川聡(ふるかわ さとし)さん著書、

“宇宙飛行士に学ぶ心の鍛え方”

を紹介します。

 

※前編はこちら

gonbook.hatenablog.com



中編では、本書第2・3章より、人間関係におけるストレスへの対応を中心に見ていきましょう。

 

ストレスへの対応は、一般的な考え方と同じ

宇宙での長期滞在では、単に閉鎖空間であるというだけでなく、固定された人間関係、それも国籍や文化の異なる人と仕事をしながら過ごすことになります。

著者は、こうした人間関係においてうまくやっていくための画期的な方法はなく、まずは地道にお互いのことをよく知ることが大切だと述べています。

 

さらに、長期滞在のストレスにうまく対処し、他の宇宙飛行士たちと協力してスムーズに仕事を進めるために、著者が心がけていることがいくつかあるそうです。



  • わからないことは、経験者に聞く。

⇒積極的に人に聞くことは、積極的にコミュニケーションを取ることと同じなので、人間関係が良くなる。

相手への「配慮」は必要だが、自分を抑えて「遠慮」するとかえってストレスになる。

 

  • 他人に指摘するときは、あくまでも「意見」に対して行い、「人(人格)」を否定しない。一方、自分が指摘を受けたときは、感謝の言葉を伝える。

⇒お互いに指摘しやすい雰囲気をつくり出し、チームワークを高められる。

 

  • コミュニケーションツールを活用し、孤独に対するストレスを解消する。

⇒宇宙では、地上と切り離されているという「孤独感」がストレスの原因になる。

が、物理的に離れていても、メールや電話等のコミュニケーション手段が確保されていれば、ストレスを軽減できる。

 

宇宙飛行士はこうした訓練を受けていることもあり、特にストレスに強い人、ストレスの扱い方を知っている人が多いように思いますが、基本となる考え方は一般的にも活用できるものです。(本書p88より)

 

人間関係を円滑にする秘訣は、宇宙空間だけが特別ということはなく、もとになる考え方は私たちにも当てはまるのですね。

 

同じ志を持つ仲間を見つける

また、著者が宇宙飛行士の選抜試験に挑まれたときのエピソードがあります。

 

最終試験では、候補者8人が閉鎖環境で1週間共同生活をしながら、様々なミッションを行ったそうです。

星出彰彦さん、山崎直子さんと共に合格を勝ち取られた著者ですが、このときのことを次のように振り返っています。

 

私はこの試験を通じて、もっと大事なものを手に入れました。

同じ志を持つ仲間です。

(中略)

受験者はいわば同じ志を持つ仲間であり、「戦友」です。もちろん、選抜試験である以上、ライバルではあるのですが、それを越えて、仲間という意識が強くあります。(本書p96~p97より)

 

ライバルでありながらも、試験が進むにつれて絆を深めていった仲間のことを、これからもずっと大切にしていきたいと仰います。

 

大人になってから新しい純粋な友人というのはなかなかできません。仕事関係などでは、どうしても利害関係が出てきてしまいます。そうした中で試験を共に戦った「戦友」たちは30歳を過ぎてできた純粋な友人なのです。

(中略)

仕事以外の活動を通じた利害関係のない純粋な友人を作ることは、仕事のストレスから離れられる場を作るという意味でも有用だと思います。(本書p98~p99より)

 

良い人間関係が人生を豊かにする

私は、人生は仕事とプライベートの両輪でできていると考えています。

どちらか一方ではなく、仕事とプライベートの両方を充実させてこそ、人生の充実と言えるのではないでしょうか。

 

その両面どちらにおいても、人間関係というのは大きな要素だと思います。

私もこの十数年で多くの人と出会い、自分の器を広げて、かけがえのない友人をたくさんつくりました。

そして、お互いのビジョンに共感し、同じ志を持った仲間と共に、長期的に豊かになるためのチャレンジをしています。

 

良好な人間関係は人生に豊かさをもたらします。

本書に示される著者の心がけを見習って、より良い人間関係を構築したいですね。



次回、後編では、リスクに対する捉え方について学びます。

 

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【本】宇宙飛行士に学ぶ心の鍛え方(前編)

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こんにちは。権藤優希です。

 

今回紹介する本は、JAXA宇宙飛行士・古川聡(ふるかわ さとし)さん著書、

“宇宙飛行士に学ぶ心の鍛え方”

です。

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※出典:

古川聡:JAXAの宇宙飛行士 - 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター - JAXA



東大病院に医師として約10年勤められたのち、1999年に宇宙飛行士選抜試験に合格。

2011年6月にはロシアのソユーズ宇宙船に搭乗。

約5カ月半にわたり国際宇宙ステーションISS)に滞在し、様々な実験やミッションを遂行されました。

 

現在、2023年(予定)のISS長期滞在搭乗員に決定され(※1)、訓練および宇宙医学の研究を継続されています。

(※1)出典:

JAXA | JAXA若田光一宇宙飛行士及び古川聡宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在の決定について



本書では、

・宇宙という極限の状態で、ストレスをどのようにコントロールするのか

・想定外の事態が起きても冷静に対処するために、どのような考え方をするのか

などを、著者の経験から学べます。

 

宇宙飛行士がリスクやストレスに打ち勝つため、そして「想定外の事態」に対応するために、どう「受け止め」「考え」「対処して」いるのかを、私の経験を元に紹介しています。いわば、この本は「宇宙飛行士の心の鍛え方」をまとめたものです。

宇宙飛行士という職業は特殊なものかもしれませんが、そこで学んだのは「様々なストレスにどう対処するか」「目的の達成に向けて何をすべきか」「良い人間関係を作るためにどうすればいいのか」「想定外の事態にどう対応すべきか」など、人生に共通の課題です。ぜひ、あなたの身の回りのことに置き換えながら、読んでみてください。(本書p8~p9より)

 

非常に学びの多い1冊でしたので、今回は前編・中編・後編の3回に分けて感想をお伝えします。

 

死の危険にも動じない心が必要

宇宙飛行士は、ISSでの長期滞在中は様々なリスクやストレスにさらされるといいます。

閉鎖空間での集団生活や難しいミッションの遂行、さらには秒速数キロの速さで接近してくる宇宙ゴミへの対処など、つねに死と隣り合わせと言っても過言ではありません。

 

著者は、宇宙飛行士には死の危険にも動じない心が必要であると語っています。

 

命に関わる危険というストレスの中でも、最善を選択しあきらめず取り組める心こそが、宇宙飛行士が必要とするものです。また同様にこれは生きるうえでも必要なことなのかもしれません。(本書p26~p27より)

 

想定外の事態に対応できる自信をつける

ただ、宇宙飛行士がそのような心を最初から備えているわけではありません。

相当のストレスがかかった状態でも想定外の事態に対処できるよう、様々な訓練が用意されています。

 

・水深15メートルの海中施設における閉鎖環境訓練

・標高4000メートル級の登山を通じたリーダーシップ訓練

・非常事態への対応訓練中に、意図的に想定外のトラブルを組み込んだ訓練

 

非常にストレスのかかる過酷な訓練を通じて、ストレスへの対処法を学ぶのと同時に、想定外の事態が起きても大丈夫という自信を身につけていくのだそうです。

 

想定外の事態に対処できるようになるには、「想定外」は必ず起きるということを理解し、物事を仕組みから論理的に考えられる自信をつけることが重要です。

(中略)

失敗を繰り返し、考える訓練を繰り返すことで「論理的に考えていけば、正解にたどりつける」という「自信」を、訓練を通して身につけていけます。

(中略)

「失敗」も、こうした「想定外に対応する力」をつけていると意識すれば決して無駄なものにはならないし、必要以上に落ち込むこともないと感じられるのではないでしょうか。(本書p178、p180、p183より)

 

困難に直面する経験が、心を鍛える

私たちが宇宙飛行士が受けるような訓練と同等のストレスを味わうことは、ほとんどないかもしれません。

ただそれでも、一定のストレスがかかった状態で、想定外の出来事が起きても冷静に対応できるかは、私たちの仕事や人生にも通ずるものがあると思います。

 

以前、私はお世話になっているメンターのもとで、大規模な会議の責任者を1年間務めたことがあります。

生産性を最大限まで高めるため、会議のプログラムは、進行中に何度も変更されていきました。

 

その場では臨機応変な対応が求められましたが、私は事業の立ち上げを通じてたくさんの失敗や想定外の出来事に立ち向かう経験をしてきたので、その経験をもとに瞬時に対処してきた自負があります。



ストレスにうまく対応できるようになるためには、ストレスを避けるのでなく、そのストレスを経験し、困難に直面する経験を味わう必要があるのではないでしょうか。

 

著者が仰るように、もしそのストレスの中で失敗したとしても、それは想定外に対応する力が少し身についたと思えばよいのですから。



次回、中編に続きます。

中編では、人間関係からくるストレスへの対処法について学びます。

 

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